LOAD SHOW

A Rooted Soul. Vagabond Eyes.

映画の未来をいち早く
Be the first to witness the future of films

『蒼白者 A Pale Woman』キム・コッビ インタビュー

6月8日(土)より渋谷ユーロスペースにて、主演作『蒼白者 A Pale Woman』(常本琢招監督)が公開となる キム・コッビさん(『息もできない』)に、作品のこと、ご自身のキャリアについて話を聞いた。坂道の似合う(常本監督談)コッビさんにうってつけの町へお連れしての撮影も敢行!(坂道は映っていませんが...今後掲載フォト追加予定です)オフショットも必見です!

性質的に新しいことにチャレンジしていく部分はありますね。ただ特別な思いがあるというよりは、単純に面白いからなんです。
本日はよろしくお願いします。
キム・コッビ:(以下:K)よろしくお願いします(流暢な日本語で)
K:(スタッフに)あ、さっきまで飲んでたお水を持ってきていただけますか。
見つからないので新しいお水到着
K:(かばんをゴソゴソ)あ、、あった(笑)
一同:(笑)
まず最初にお聞きをしたいのは、2011年のゆうばり国際ファンタスティック映画祭(以下:ゆうばり)にゲスト参加をされた際に『蒼白者 A Pale Woman』の監督である常本琢招監督にお会いになって、出演のラブコールを受けられた。脚本が面白かったらとお答えになったそうですが、脚本の内容も含め、出演を決めた決定的な要素があればお聞かせください。
K:これまでに演じたことのないジャンル、キャラクターでしたし、拳銃を扱うアクションであるという点には特に興味をひかれましたね。日本でお芝居をすることはもちろんですけど、大阪を舞台にして大阪弁でお芝居が展開されることにも興味がありました。決定的なというと大袈裟な感じもしてしまうんですが(笑)そういったことが決め手となりました。
実は2011年のゆうばりでは常本監督だけでなく、朝倉加葉子監督作品『クソすばらしいこの世界』として公開される作品へのオファーも受けられていますね?
K:映画祭で色々な監督さんやプロデューサーさんにお会いして、社交辞令的にと言いますか、一緒にやりましょうと声をかけられることは良くあるんですけど、そうしたことが実際に作品に繋がって、それも二つの作品にということはとても嬉しい出来事でしたね。
日本を舞台にした作品としては本作『蒼白者 A Pale Woman』が初の主演作となりますが、ヤン・イクチュン監督作品『息もできない』は日本でも大ヒットしましたし、先述の作品も含め、日本に縁の深いイメージがあります。話が逸れてしまいますが、最近ご覧になった日本映画はありますか?
K:それほど有名な作品ではないのですが、昨年のゆうばりで拝見した高畑鍬名監督の『もしかしたらバイバイ!』という作品には感銘を受けましたね。こうした出会いが今後どのように繋がっていくのかは分かりませんが、監督とも色々お話をさせていただきました。
それは楽しみなお話ですね。
『蒼白者 A Pale Woman』についてですが、本作での役柄は非常にミステリアスであり、かつ絶対的ヒロインとして登場します。にっこりとした笑みがますますそうした印象を強くさせるわけですが、しかし物語が進むにつれ、彼女は傷つきもし、思い詰めた表情も見せるようになる。そうした変化にある種の驚きを覚えると言いますか、非常に振り幅の広い役柄であるなと、そのような印象を抱いています。
K:演技は脚本に忠実におこなっていました。仰っていただいたような部分は、今自分では気づいていない部分もありますし、演じている自分と見ていただいた観客の方との感じ方には違いもあるのだろうなと思っています。
既に色々なところでお答えになっているかと思いますが、常本監督は「コッビさんに拳銃を持たせてみたかった」と仰っています。実際に拳銃の登場するアクションを演じられて如何だったでしょうか?
K:ガンアクションというのは単純にカッコいいじゃないですか。ですから憧れを持っていましたし、実際に拳銃をもってお芝居が出来て嬉しくはありましたけれど、やはり拳銃というものは恐ろしいものですし、そうした拳銃の持つネガティヴな意味について考えさせられましたね。
出演のきっかけをお聞きしたことの答えからも、新しいことにチャレンジするお気持ちが人一倍強いのではないかと感じています。
K:性質的に新しいことにチャレンジしていく部分はありますね。ただ特別な思いがあるというよりは、単純に面白いからなんです。ちなみにご飯を食べにいったときなんかも、同じようなものでなく新しいメニューにチャレンジしますよ(笑)
一同:(笑)
小学生のときに劇団に参加をして、即興的に、自由に演じるという経験をしたことは、俳優としての自分に大きな影響を与えていると思います。
劇中、様々な衣装をまとったコッビさんの姿を見ることができますが、今回のトレンチコート姿は特にはまっていましたね。衣装へのこだわりなどお聞かせ願えますか?
K:全く自分に似合わない、雰囲気が合わないという、本当に単純なことで選択をさせていただく場合はありますけど、それ以外は衣装さんにお任せをしています。今回に関してもフィッティングに時間はかけましたけど、用意をしていただいた衣装の中から選んでいますね。
衣装のお話から繋がるか分かりませんが、インタビューの後に撮影のお願いをさせていただきました。常本監督が「コッビさんは坂道が似合う」と仰っていたので、そうした場所にご案内させていただく予定ですが、そういったイメージは『息もできない』など、これまでの出演作によるところもあると思います。ソウル、韓国ではやはり坂道でのロケが多いということはありますでしょうか?
K:ええ、ソウルもそうですが、基本的に韓国は山が多いですし、撮影の際も必然的にそのようなロケーションとなることは多いです。常本監督にそのように仰っていただいた理由は分かりませんが、きっといい意味でしょうね(笑)今日の撮影が坂の多い町でおこなわれることは伺っていました(笑)
競演された忍成修吾さんの印象をお聞かせください。
K:この作品ではじめてお会いをしたんですけど、最初は人見知りな方なのかなと思いましたが、いざ仲良くなってみると、とても感受性ゆたかな方で、現場では本当に良くしていただきましたね。
こうして質問をさせていただきながら、かなりの部分を通訳の方を通さずに理解されていることに驚きを覚えてもいるのですが、映画は日本語を中心に進行しますが、忍成さんとのやり取りも含め、言葉の問題などは存在したのでしょうか?
K:脚本上、もともと日本に住んでいたという設定で、日本語が喋れないわけではなく、帰国してからも日本語は喋らないという役柄でした。結論から言いますと、演じるにあたって何ら問題はありませんでした。自分自身が聞くことに関して長けているということがまずありますし、脚本も頭に入っていますから、演じるにあたっての理解に問題はなかったということです。聞くことを含め、基本的に言語感覚に優れている部分があるのかも知れませんし、何より言葉を勉強することが大好きなんです。日本語に関しては特に勉強をしたということはないんですが、雑誌や映画を通じてですとか、友人を通して学んできたという感じです。あ、でも大学の時にちょっとだけ授業をとってたかな(笑)
一同:(笑)
子役として活躍をされていた時代に、フランスのImage Aigueという劇団に所属されており、演劇活動をおこなわれていたそうですね。そうした経験が「聞くこと」を含めた言語感覚に影響を与えていらっしゃる部分はありますでしょうか?
K:所属というと少し違うのですが、フランスの劇団が韓国公演のためにオーディションをおこなったんですね。実際にオーディションに参加をして合格し、劇団に参加出来ることになったのですが、そのときの経験は、いわゆる言語感覚にも通ずる国際感覚のようなものが培われたという意味においても、今の自分に大きな影響を与えています。劇団に参加する前まではテレビドラマを中心に演技をしていたのですが、小学校6年生のときに劇団に参加をして、単に実験的というわけではありませんが芸術性が高く、脚本がない状態で即興的に、自由に演じるという経験をしたことは、俳優としての自分にも大きな影響を与えていると思います。
あっという間に時間となってしまいましたが、公開前で難しい部分があるとは思いますが、日本の皆さんへ向けて『蒼白者 A Pale Woman』の見どころ、ご自身が気に入っているシーンなどご紹介をいただけますでしょうか。
K:ええっと、話したいことはたくさんあるんですが、そうですね、母親役の中川安奈さんとの食卓での…やっぱりネタバレになってしまいますね(笑)
続きは劇場で!!以下コッビさんの素敵なオフショットをお送りします!

※2013.6.5 コッビさん撮影写真を以下に追加掲載!

『はじまりへの旅』
監督・脚本:マット・ロス

出演:ヴィゴ・モーテンセン、ジョージ・マッケイ、フランク・ランジェラ

原題:Captain Fantastic 119 分/シネスコ/英語/日本語字幕:中沢志乃 配給:松竹

© 2016 CAPTAIN FANTASTIC PRODUCTIONS, LLC ALL RIGHTS RESERVED.
ストーリー:ベン・キャッシュ(ヴィゴ・モーテンセン)と6 人の子供たちは、現代社会に触れることなくアメリカ北西部の森深くに暮らしていた。父仕込みの訓練と教育で子供たちの体力はアスリート並み。みな6 ヶ国語を操り、18 歳の長男は名立たる大学すべてに合格。しかしある日入院していた母・レスリーが亡くなり、一家は葬儀のため、そして母の最後のある“願い”を叶えるため旅に出る。葬儀の行われるニューメキシコまでは2400 キロ。チョムスキー※は知っていても、コーラもホットドッグも知らない世間知らずの彼らは果たして、母の願いを叶えることが出来るのか…?(※ノーム・チョムスキー=アメリカの哲学者、言語哲学者、言語学者、社会哲学者、論理学者。)
『蒼白者 A Pale Woman』
2012年/日本/90分
監督 : 常本琢招
出演 : キム・コッビ、忍成修吾、中川安奈
ストーリー:ヒロイン・キムが日本に戻ってきた。最愛の男・シュウを汚れた世界から救い出すために。そのための危険な計画を、ためらうことなく進めていくキム。しかし、その行く手には、大きな試練が待っていた...。
サークやアルドリッチ、あるいは日活アクションや香港ノワールについて、議論はいくらでもできる。しかし、アクション・メロドラマを現在の夢として生き抜く、ワクワクするような映画を作るには、欲望と技術と執念が必要だ。われらがツネちゃん、常本琢招監督の『蒼白者』における果敢な挑戦に大きな拍手を送りたい。(福間健二〈詩人・映画監督〉)
  • 『キム・コッビ』
    1985年11月24日ソウル生まれ。小学校から演劇活動を開始。1997年には世界演劇祭に参加、フランスのImage Aigue劇団で公演した。2003年、パク・チャノク監督『嫉妬は私の力』で映画デビュー。2008年、ヤン・イクチュン監督『息もできない』 の女子高校生ヨニ役で大きな注目を浴びる。韓国でインディペンデント規模の映画では前例のない10万人越えの観客を集め、スペイン・ラスパルマス国際映画祭主演女優賞、ロシア・太平洋映画祭主演女優賞、青龍映画祭と大鐘賞で新人女優賞を受賞。同作は第65回毎日映画コンクール外国映画ベストワン、第84回キネマ旬報外国映画ベストテン第1位も獲得。その他の出演作に、『三叉路劇場』(06・未)『いま、殺しにいきます』(10/映画祭上映)『マジック&ロス』(10/リム・カーワイ)『恥ずかしくて』(11・未)『クソすばらしいこの世界』(13/朝倉加葉子)など。