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『ディアーディアー』菊地健雄監督インタビュー

10月24日(土)よりテアトル新宿にてレイトショー!全国順次公開!!

瀬々敬久(『ヘヴンズ ストーリー』)、黒沢清(『岸辺の旅』)、石井裕也(『舟を編む』)、他にも数多くの監督達のもと助監督として作品に携わってきた、今作で長編監督デビューを飾る菊地健雄。地元の足利市を舞台に、町全体を巻き込んだ三兄妹の物語。幻のリョウモウシカを幼少期に見た三兄妹が大人になって、兄妹同士でもつれてしまった関係性や、一癖も二癖もある町の住民たちと三兄妹それぞれとの確執など、たくさんの見所ある展開を見せる今作。作品に詰まった語り切れない程の映画の魅力を監督インタビューにて紐解いてみた!菊地監督の映画との向き合い方や、キャスト・スタッフとのコミュニケーション、細部へのこだわりなど、聞けば聞くほど今作の魅力が増す!

-地元の足利の風景が思い浮かぶ-

今作は、足利市が舞台となった作品ですが、足利市出身である菊地監督にとっては、以前から地元で撮りたいという願望があったのでしょうか?
菊地:そうですね、ありましたね。ただ今回は、企画が立ち上がっていく過程の中で、たまたま地方都市という設定になったんですね。離れた場所での撮影となると、スタッフ・キャストの宿泊費などが掛かるため、バジェット的に厳しくなるんです。だったら、自分の地元で撮影する方がロケ地や宿泊場所に関しては、融通が利くだろうという計算はありました。そういった、経済的な理由が半分と、もう半分は、脚本の段階で地方都市のイメージが浮かんできた時に、18歳までいた地元の足利の風景が思い浮かんだからですね。
昔から地元で撮りたいという気持ちも確かにありました。18歳で上京してきて初めて観た日本映画は青山真治監督の『Helpless』(96)で、それこそ『ディアーディアー』を上映して頂けるテアトル新宿で観ました。青山さんは、その後には『EUREKA』(01)も撮られていますが、どちらも青山さんの地元の九州で撮影されていますよね。『Helpless』を初めて観た時は、映像の切り取り方というのが、他の映画とはちょっと違う感じがして面白いと思ったのです。
それと、岩井俊二監督の『リリイ・シュシュのすべて』(01)は、自分の田舎の足利市周辺が舞台だったんです。自分が小さい頃から見ていた風景というのが、映画の中に映し出されていて、篠田昇さんのカメラも素晴らしく、やられたなと正直悔しい気持ちがありました。
実は、僕が高校生の頃に初めて目の当たりにした映画監督が、岩井俊二さんでした。『Love Letter』(監督:岩井俊二/95)という映画が、足利の古い映画館で上映されたんです。その時に、なぜか岩井さんが舞台挨拶に来るという事件があって。時を経て、地元が映し出された『リリイ・シュシュのすべて』を観て、いつか自分も足利を舞台にちゃんと映画を作りたいという考えは、ずっと頭の片隅にありました。デビュー作は絶対に地元でという強い気持ちがあった訳ではなく、幾つかの要素が重なり合って実現に至った次第です。
企画自体は、どういったきっかけで動き始めたのですか?
菊地:今作の主演の一人でもある桐生コウジさんにお声掛け頂いたのがきっかけですね。桐生さんは『市民ポリス69』(監督:本田隆一/11)で、ご自分が出演される映画をプロデュースされています。その時のチーフ助監督を僕がやっていて、それがご縁で、第二弾プロデュース作品として今作が始動しました。桐生さんから「演技性人格障害の人物が出てくる話」を作れないかと頼まれたのが一番最初で、都会が舞台の話を考えていました。でも、なかなか脚本がうまくいかなくて、最終的に本を書いてくれた映画美学校時代の後輩の杉原憲明くんが合流してくれてから、田舎を舞台にした三兄妹の話に変わっていったんですね。

-人生の岐路にいる人たち-

菊地監督は、今まで多くの名監督のもとで助監督をされていますが、長編デビュー作品として群像劇を選ばれた理由の一つとして、現場で培ったスキルを存分に活用出来るという所もあったのでしょうか?
菊地:いや、どうですかね。この前、脚本の杉原くんと話す機会があって、杉原くんの中ではあまり群像劇としては考えていなかったみたいです。三兄妹の話を中心としてこの脚本を書かれていて。僕は、ある郊外を舞台にした色んな人が入り乱れるような話というのは昔から好きでした。中学生の頃に観たデヴィッド・リンチの『ツイン・ピークス』(90-91)というテレビドラマや、ロバート・アルトマンの『ショート・カッツ』(94)、ポール・トーマス・アンダーソンの『ブギー・ナイツ』(97)だったりですね。杉原くんとはシナリオを作っていく中で、そこはあまり一致しないままでいたというか(笑)。それぞれの思惑が入り混じって今の形になっているんです。だから、この作品をある種、群像劇として捉えて頂ける人もいる一方で、兄妹それぞれに共感して観ていく人も多いんですね。どっちでも観れる映画になっているとは思うんです。本当はもっとまとめた方が良かったのかもしれないですけど、ある種良いところで落とし込めたのかなとは感じています。
群像劇として捉えれるというのは、やはり三兄妹以外の役者さん達にもすごく力を入れているように見えるからですね。町の人間達それぞれに裏表がある事が、スリリングで、時にコメディ要素として観れて、すごく面白かったんです。表と裏という意味で、表情を使い分ける演出は、事前に考えられていたのでしょうか?
菊地:三兄妹それぞれの話を作っていく過程で、三兄妹と町の人たちをどのように絡ませていくのかというのを考えていくと、結構登場人物が増えていったという流れがありました。助監督をやっていた時の経験で、それぞれのキャラクターの立ち方というのはずっと考えていましたね。
一番最初にこの映画のテーマとして、人生の岐路にいる人たちの話をやりたいというのが、僕と杉原くんお互いにあったんですね。なぜかというと、僕らも今そういう状況にいて、僕は監督をやり出すという意味では分かれ道に立っているし、杉原くんも脚本家として徐々に登っていこうとしている人ですから。
じゃあ、それを物語に落とし込めないかという所から始まってはいましたが、僕らが考えていくキャラクターって人間的には欠陥というか、問題を抱えている人たちになってしまう傾向があり、周りの人たちも色んな思惑を持ちつつ基本的にはロクでもない人たちが出てくる話、という風に段々と脚本も書き加えられていったんです。そこを現場では発展させるような演出を考えていた所はありました。もちろん表情もそうですし、動き方の部分でその人が持っているものをどう表現出来るというのは、脚本作りから準備、現場に至る中で一番考えていった事ですね。
大勢が出ているシーンだと、演出部分も場合によっては助監督が担われる事ってありますよね?今回は、助監督にお任せするような箇所も菊地さんがやられていたのですか?
菊地:そういう事はなかったですね。今回、助監督時代から一緒にやっている後輩の玉澤恭平くんがチーフ助監督をやってくれたんですけど、やっぱり彼の力も大きかったですね。僕の基本的な映画作りのスタンスでいうと、自分の頭の中だけで考えていくのはあまり面白くないというか、キャストやスタッフ含めた幾つかの頭が同時に動いていた方が、より広がっていく可能性があるんじゃないかと思っているんです。
今作の登場人物が一堂に会するお通夜のシーンに関しては、もちろんメインどころの動きは僕の方で演出しましたけれども、周りのエキストラさんたちのお芝居などは玉澤くんの力です。背景がしっかりと生きていないと、嘘臭くなってしまいますからね。玉澤くんとは、昔から何本も一緒に仕事をしてきているので、メインのお芝居に関しても、彼の意見を聞いて僕が採用するという事もありました。

-現場前に決めた幾つかのルール-

お通夜のシーンは、ワンシーンワンカットでくるかと途中まで思うような長回しもあり、内容的にもとても密度の濃いシーンでした。主要の登場人物のドラマはもちろんの事、泣きながらやってくるお婆さんや、冨士夫を慰める市民のおじさん達であったり、また冨士夫が以前販売していたお茶の売れ残りの段ボールが置いてあるのも、ここで処分しているんだなと面白く観させて頂きました。
菊地:そこに気付いてもらえるのは、すごくありがたいですね。お茶は、狙ってやっています。詐欺で抱えてしまった在庫を香典返しとしてあそこで配っているんですね。そういうディテールの一つも映画を豊かにする要素だと思ってやっていました。
芝居を見ていくとカットを割りたくなくなってしまう事ってすごくあって、僕もいろんな映画を観てきたり、助監督についている中で、やはりワンシーンワンカットへの欲望ってありはするんですけど、今回はそうではない方向で突き詰めていったんですね。カメラマンの佐々木靖之くんと現場に入る前に、ルールを幾つか決めていて、なるべく三兄妹に寄り添う形でカメラを向けようというのはありました。
それと、カットバックって映画の中でよく使われる手法の一つなんですけど、長回しほど議論される事がなくて、説明的に撮るとカットバックになってしまう事もよくある訳ですが、そうではないカットバックのあり方についても話していて。お通夜のシーンでは、最初に通しのお芝居をやってもらった時に、僕としてはワンカットでいけるかもと思いましたが、佐々木くんから三兄妹それぞれ絡んでくる相手の部分は行けるけども、最後のほうで三兄妹の問題に集約される部分では基本に戻ってカットバックにしようと提案もあり、観ていただいた形になった訳です。
今回、もう一つ事前に決めていたルールがあって、カメラを恣意的に動かさない、という事もあったんですね。僕やカメラマンが見たいがためにカメラを動かさないという意味です。お芝居の方できっかけがあった時だけカメラを動かすようにしていました。そういったルールに立ち戻った中で、あのシーンはさらにいくつかカットを分けています。
無意識のうちに、助監督として関わった監督の特徴やクセがカットにあらわれてしまう事はありましたか?
菊地:いろんな監督に付いてきて、良い面と悪い面を散々見てきた所はあって、憧れてしまうような監督や影響されちゃったなと思える監督はもちろん何人かいらっしゃいます。でも、そういう監督がやっている事を僕も同じように出来るかというと、難しくて。単に方法論の問題だけじゃなくて、その人のキャラクター込みで出来る事だと思うんですよ。何度かご一緒している万田邦敏監督、自分が助監督になるきっかけを与えてくれた瀬々敬久監督、数多くの作品に参加した熊切和嘉監督あたりからも影響を受けているし、さらには今作の直前についた『岸辺の旅』の黒沢清監督はそもそも自分が映画を志すきっかけになった監督の一人でもあるので、そういう方達の現場につくとそれは影響を受けないほうが難しい。
ただ、そういった監督のいいとこ取りをすると、それはそれで中途半端な結果になるんじゃないかという恐れもあって、なるべく自分としては全部忘れてやりたかったんです(笑)。もちろん、悩んだり迷ったり、立ち止まったりした時に参照するような事はどこかにあったとは思うんですけど。まあ長編一本目でしたので、今は冷静に語れても、現場では正直内心いっぱいいっぱいでしたよ。

-いかにお客さんを退屈させずに伝えていくのか-

遊び心であったり、分かりやすさという面での見せ方というのは、菊地監督らしさが強く表れているのかなと感じました。冒頭の菊地凛子さんが登場するシーンからのモニターに映し出されるアニメーションであったり、ポスターや看板などの小物が非常にユニークで分かりやすく配置されていたり、染谷将太さんのキャラクターや髪型であったりと。
菊地:分かりやすいという面では、意識的にやった事ではありました。まずは、お客さんを選ぶような映画にしたくなかったんですよね。娯楽性も含めて、自分なりの映画ってなんだろうという事に対しての一つの答えにしたかったというのがあるんです。いかにお客さんを退屈させずに伝えていくのかは、助監督時代から考えてやってきた事ではありました。
染谷くんのキャラクターに関しては、昔から一緒に仕事をしてきていますし、プライベートでも親交があるので、割と彼の色んな側面を見ている中で、今まで誰も見た事ないような染谷将太にしたかった。何か二人で遊べないかという事は染谷くんとは話していて。視覚的に一番簡単に表現出来ることは何だろうと考えた時にああいう髪型を思い付いたんです。現場で染谷くんが、ストレートの髪型にあまりした事がなかったらしく、前髪がどうも気になったみたいで、かき分ける仕草をずっとやっていたんですよね。それが面白くて、「それ、芝居の中に入れよう」と言って、どんどんエスカレートしていきました(笑)。そういう遊び心も含めて、娯楽性ある作品にしていきたかったというのはありましたね。
桐生さん演じる冨士夫が、タカシ(染谷将太)との乱闘の後にボロボロの姿で暗闇の中を走っているカットはシュールで面白かったです。瀬田なつきさんが作られた予告編でも、そのカットがとてもユニークに使われていました。
菊地:瀬田さんは、映画美学校時代の同級生で昔から知っていて。瀬田さんの「嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん」(11)では、自分が助監督をしています。瀬田さんにとって、自分の作品以外で予告編を作ったのは初めてだったようです。すごく上手く映画の内容をまとめてくれた上に瀬田さんにしか出来ない面白い予告編になったなと。あれが評判良すぎるんで、ちょっと心配な部分はありますね(笑)。
映画の中の三兄妹の魅力が詰まった良い予告編ですよね。
菊地:とにかく今回、三兄妹を演じるそれぞれの役者が全然タイプの違う役者さんたちでしたので、そこが中心にはなっていて、だからこそ映画として広がりが出来ましたね。
長男を演じた桐生コウジさんは、プロデューサーでもあるのですが、現場に入ってみたら本当に真面目な方で、一生懸命に役に突き進んでくれました。でも、感情を入れ過ぎない側面もあって、そのギャップが面白かったです。次男の斉藤陽一郎さんは、『Helpless』や『EUREKA』にも出ているので、自分のデビュー作に出てもらえて光栄でしたね。助監督時代も何本かご一緒させて頂いているんですが、斉藤さんは芝居の出力の仕方がどこか不思議で、予想もしなかった方向に飛び出してくる時があって、その意外性は今回の現場でも何度も感じた事ですね。
兄妹の中で一番下の中村ゆりさんに関しては、普段は清楚なイメージの役が多くて、今回あまりやった事のない役柄だったようです。ダメな女の人の役なんですけど、そこに透明感を保ててしまう感じは、こちらが指示して出来る事ではなく、中村さんの持ち味ですよね。中村さんが演じると、すごく色気が漂って魅力的な人物になるんです。実は駆け出しの助監督時代に、瀬々敬久監督の『ユダ』(04)に中村さんが出演されていて、ワンシーンだけでしたが強く印象に残っていたんです。個性の違う三人なんですが、今回の撮影の初日が終わる頃には僕が考えていた以上の三兄妹が出来上がっていましたね。

-演技合戦-

初日には、どういったシーンを撮影されたのでしょうか?
菊地:最初は三兄妹揃って病院にお父さんのお見舞いに行くシーンでして、その日の夜が、実家で久しぶりに三兄妹揃って食卓を囲むシーンでした。兄妹それぞれの掛け違いが始まっていく重要なシーンなのですが、三人の個性が違う中にも、実際の兄妹ってこういった言い合い方だよなと思えたんですよね。
中村ゆりさん演じる顕子が、「だから、病気しちゃうんだよ」と斉藤陽一郎さん演じる義夫に言う時の憎たらしさは兄妹っぽさ全開でしたね(笑)。
菊地:ああいうのも、身内だからこそ、ズバッと残酷なことを簡単に言えてしまうんですよね。僕も、中村さんのあの芝居を見た時に凄い良いなと思いました。それを受ける斉藤さんの、傷つくけども、反発心の方に向かってしまう芝居も素晴らしくて。突き放している訳ではなく争う感じというのが実際の兄妹に見えて、僕自身が三兄妹に対して掴めて少し安心したところはありましたね。
三兄妹それぞれと密接に関わる政岡泰志さん、山本剛史さん、松本若菜さん、佐藤誓さんも表と裏の表情が素晴らしかったです。政岡泰志さん演じる畠中の、温厚な雰囲気からスッと怒りをあらわにする感じは鳥肌立ちました。
菊地:畠中に関しては、かつてはいじめられっ子で非常に温厚な性格なのですが、そういう人が本気で怒った時って物凄く怖いんじゃないかなっていうのはありました。怒らせちゃいけない人を怒らせてしまった時のヤバさを出してくれましたね。政岡さんは、冷静に周りの方がどういうお芝居をしてくるのかを見ている方だったので、そこは役者同士の駆け引きというか、演技合戦があったと思います。特にお通夜のシーンでは、斉藤さんと政岡さんを始め、あちこちでそれが繰り広げられていて、僕は現場で普通に楽しんで見ていました(笑)。
河原の土手で久しぶりに再会する顕子(中村ゆり)と、清美(松本若菜)の上辺だけの会話も、また別の怖さがありました。
菊地:昔からの親友という表面上での付き合いの一方で、それとは裏腹な感情が見え隠れする感じというのを、実際に身近で見てきた経験って誰にでもありますよね(笑)。やりたかった事は、分かりやすくベタな所と、そうではない裏に持っている人の本音を、現実にはありそうでない微妙なバランスで描くということでした。ある意味、すごく映画的で、分かりやすい話とも言えるけど、観終わった時には複雑な感情が混ざり合っていく感じというか。だから、凄い微妙な線を狙ってしまっているので大丈夫かどうか心配ではあるんです(笑)。でも、そういう映画を自分は観てみたいと思っていました。

-ようやく、スタート地点-

映画的なという点でお聞きしたいのですが、映画の中の女性で引き寄せられる仕草はありますか?
菊地:なんだろうなあ(笑)。泣いてぐちゃぐちゃな表情になりながら走っている女性にはゾクゾクきますね。レオス・カラックスの『汚れた血』(96)のラストで、ドニ・ラヴァンを亡くした後にジュリエット・ビノシュが彼の血をつけながら、泣いているというか、ある境界線を超えてしまって走っている感じとか。同じくカラックスの『ポーラX』(99)で、カトリーヌ・ドヌーブが、化粧が崩れるくらいの涙を流しながらバイクで疾走しているシーンとかですね。
なるほど、ありがとうございます。今作の中村ゆりさんが、とにかく色っぽくて魅了されてしまいましたので、是非監督にお聞きしたいと思っていたんです(笑)。
菊地:本当に女の人を綺麗だとか可愛いと思える瞬間って、例えば、普段自分の奥さんとか見ていて、案外怒っているところが可愛いく…のろけになっちゃうな(笑)。いや、実際そう感じたりする時があるので、映画を撮る時も駄目な部分も含めて人間的なその人の魅力を探そうとしていますね。
個性の強い35人の監督たちからコメントが寄せられているチラシを拝見しましたが、今作で錚々たる監督たちの一員になられたという風に感じました。菊地監督の周りにたくさんの監督がいる中、今後ご自分の色をどのように打ち出していこうとお考えですか?
菊地:まだ同列に並べたとは思ってはいないですよ。ようやく、スタート地点に立てたという事でしかないので。自分の色というのは、考える事で出てくるものではないという気持ちがあって、とにかくまずは撮り続ける事だと思うんです。いま、映画を取り巻く環境は厳しいところがあるので、量産するのは難しいのかもしれないですけど、一つ一つやっていった結果、ああいうのが菊地の色なんじゃないかという風に思われる事が良いのかなとは思っていますね。欲望としてやりたいことっていくつもありますけど、それに自分が向いているのかは正直まだ分からないので、それぞれ映画としての表現の中で、最大限自分ができる事を追求していこうと考えています。
楽しみにしております。本日は、ありがとうございました!
(『ディアーディアー』大ヒット祈願をする菊地健雄監督)

菊地健雄監督作品『ディアーディアー』

10月24日(土)よりテアトル新宿にてレイトショー!全国順次公開

【Story】
山あいの長閑な町。この地にかつて「リョウモウシカ」と呼ばれる幻のシカが居たという。シカを発見した三兄妹は一躍時の人となるが、やがて目撃は虚偽とされ、三人には「うそつき」というレッテルが貼られる。それから二十数年後、三人は別々の人生を歩んでいた。シカ事件で精神を病んでしまった次男の義夫は病院暮らし。末娘の顕子は駆け落ちの果てに酒浸りの生活。長男の冨士夫は家業の老朽化した工場と莫大な借金を背負っていた。父危篤がきっかけで久々に再会する三人だが、顕子の元カレや義夫の同級生らが絡み、葬儀中に騒動が巻き起こる。再び岐路に立たされた三兄妹の行く先は……。
《イベント情報》
10/24(土)21:00の回/上映前

<初日舞台挨拶 シカるべき時が来た!>

ゲスト(予定):  中村ゆり・斉藤陽一郎・桐生コウジ・山本剛史・松本若菜・柳憂怜・菊地健雄監督
10/25(日)21:00の回/上映後

<『岸辺の旅』×『ディア―ディア―』>

ゲスト(予定): 黒沢清(監督)×菊地健雄監督
10/27(火)21:00の回/上映後

<美学校的美学! 映画美学校同窓会>

ゲスト(予定): 横浜聡子(監督)×三宅唱(監督)×菊地健雄監督
10/28(水)21:00の回/上映後

<三兄妹、今だから言える「××」>

ゲスト(予定): 中村ゆり×斉藤陽一郎×桐生コウジ
10/30(金)21:00の回/上映前

<シカはシカでも足利だ!>

ゲスト(予定): 和泉聡(足利市長)×たかうじ君(足利イメージキャラ)×川連廣明×菊地健雄監督
10/31(土)21:00の回/上映後

<幻のシカに挑む過激なウシ>

ゲスト(予定): ギュウゾウ(電撃ネットワーク)
■公式サイト
http://www.deardeer-movie.com/index.html
■公式Facebook
https://www.facebook.com/deardeer.movie
■公式Twitter
https://twitter.com/deardeer2015
取材・構成・写真: 川邊崇広
写真: 岡本英之
『ディアーディアー』
監督:菊地健雄、脚本:杉原憲明

出演:中村ゆり、斉藤陽一郎、桐生コウジ、染谷将太、菊地凛子、山本剛史、松本若菜、柳憂怜、政岡泰志、佐藤誓、信川清順、川瀬陽太

協力:足利市/配給宣伝:オフィス桐生

DCP/4:3/5.1ch/107分

©2015オフィス桐生
  • 『菊地健雄(きくち・たけお)』
    1978年生まれ、栃木県足利市出身。映画監督。映画美学校在籍中に瀬々敬久監督に誘われ助監督となる。助監督としての参加作品は『ヘブンズ・ストーリー』(10/瀬々敬久監督)、『かぞくのくに』(12/ヤン ヨンヒ監督)、『恋に至る病』(12/木村承子監督)、『シミラー バット ディファレント』(13/染谷将太監督)、『ドライブイン蒲生』(14/たむらまさき監督)『岸辺の旅』(15/黒沢清監督)など多数。チーフ助監督を務めた『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん』(11/瀬田なつき監督) のスピンオフ企画『episode.0 回遊と誘拐』では監督も務めた。2015年10月24日よりテアトル新宿にて、満を持しての長編映画初監督作『ディアー ディアー』が公開。