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《再掲》#08『映画と私』 高田聡さん(株式会社NEOPA 取締役、映画『BRIDES(仮)』(監督:濱口竜介)プロデューサー)

「ダブルデートで『シンドラーのリスト』は失敗でした(笑)」

システム開発の仕事をしています。会社の仕事としては、Webのデザインからソーシャル系のサービス、ゲームなどのフロントからバックエンドまで、様々な業務をおこなっていますね。もともとは弊社代表の原田(将)が役員の徳山(勝己)と会社を立ち上げていて、僕はフリーランスのプログラマーをやっていたので、その頃は取引先としての関係でした。1年くらい付き合いが続いた後、一緒に働かないかと誘ってもらって、そこから役員3名の体制となり今年で10年目になります。
最初の映画体験はですね、物心つくかつかないかの頃で、どっちが先か思い出せないのですが、いとこのお姉さんに連れていってもらった『南極物語』(1983/監督:蔵原惟繕)、もしくは『ゴジラ』と『ピーターパン』の二本立てですね。『ゴジラ』はどの作品かは覚えていませんが、黒白画面だったような気もします。小学生になってからのスクリーン体験は、それこそ体育館に集まって見るような教育映画ですとか、ジブリやドラえもんなどのアニメーション映画でした。中学生の頃は(スティーヴン)スピルバーグや(ジョージ)ルーカスが好きで見ていましたね。その頃ちょうど近所にレンタルビデオ屋さんができて(ロードサイドにある、薬局と一緒になってるようなお店でした)、そこで色々と借りては見るということを繰り返していました。スピルバーグ監督映画は面白いけど、製作総指揮の映画はなんか違うなとか思ったりしてましたね(笑)。ひとり同じような友達がいたので、感想を言い合ったりもして。
監督のことを特別に意識していたわけではないですが、スピルバーグやルーカスの他には、(アルフレッド)ヒッチコック、(チャールズ)チャップリンですとか、知っている名前で見ていました。「ロードショー」や「スクリーン」を立ち読みするくらいのことはしていましたが、他に情報がなかったですから。高校時代で覚えているのは、ある時ダブルデートで映画館に行くことになったんですが、僕はスピルバーグが大好きだったので、何を血迷ったのか『シンドラーのリスト』(1993)を見に行こうって(笑)。帰りの電車が苦痛でしょうがなかったですね、お通夜みたいで(笑)。もしかしたらひとりひとりの心の中では盛り上がっていたのかも知れませんが、それを言葉で共有することはなかったですよね。まあデートとしては失敗でした(笑)。

「本気でやろうとしている相手に本気で向き合うこと」

大学に進学して映画研究会に入るわけですが、勧誘のときから先輩のプレッシャーがあってですね、「どういう映画が好きですか?」と聞かれるわけですが、スピルバーグと答えたら怒られるんじゃないかとか(笑)。それで先輩からあれを見ろこれを見ろ、見てないのか?といった具合に色々言われて見るわけですが、それが本当に全部面白いわけです。そこから本格的に映画を見始めるようになりました。当時見て印象に残っているのは『イルマ・ヴェップ』(1996/監督:オリヴィエ・アサイヤス)という作品ですかね。田舎から出てきて、東京ではこんな映画を普通にやっているのかという驚きがありました。当時の映研はビデオと8mmの境目くらいの時期でしたが、僕も8mmで2本ほど撮影をしました。
映研のなかで、あるときはスタッフをやったりキャストをやったりしながら順番に撮っていくわけですが、濱口竜介監督にも出て貰ったりしましたよ。主演でね(笑)。濱口くんは映画研究会でひとつ下の代の部長をやっていたんです。ただ、僕が1年留年したものですから、同じ学年で同じ学科にいくことになって、それで仲良くなったのもあります。僕が濱口くんの作品を手伝ったりもしたわけですが、その頃からやっぱり面白かったですね。卒業して就職をしてからはとにかく忙しくて、映画館にも一年に数回という時期が長く続きました。少し落ち着いたのはここ2~3年というところですかね。
濱口くんとは卒業して以降、時々連絡を取り合って食事するといった具合に付き合いが続いていたんですが、今年のお正月くらいですかね、「fictive」という映画製作のための組織を立ち上げるということで、今後の映画製作に関する相談を受けたんです。最初は個人的に相談を受けていたんですが、率直に言って個人的なレベルでの支援では勿体ないなと思ったんです。もっと多くの人に知ってもらって、もっと多くの人に見て欲しいなと。それにどうせやるなら、僕が一緒に働いている仲間たちと一緒にやれたらいいなと。会社としてサポートができれば、Webサイトの制作も含め色々とできることが増えるし、本気でやろうとしている相手に本気で向き合うことができますから。結果として現在、NEOPAとしてのサポートをおこなっているわけですが、凄いのはこの話を役員の二人が理解してくれたことです。それから社員みんなで濱口作品を見る機会があって、これは次が見たいという声を聞いたときは本当に嬉しかったです。

「100年先にどんな意味を持つか、長い視野を持って物事を捉えることも必要」

映画製作の支援とは違いますが、一連の流れとして今年(※2013年)の夏に関西で開催された『濱口竜介プロスペクティヴ』では、チラシ、公式HPの制作をNEOPAとして行いました。ちょうどWeb以外のデザイン経験があるデザイナーが入社したこともあって、タイミングは良かったですね。これまでチラシの制作に関しては積極的にやってきませんでしたから、修正、入稿までのやり取りを含め、会社としてのノウハウにもなりました。プロスペクティヴは動員的にも成功をおさめましたし、そのことはやはり嬉しかったです。映画は博打と言われたりもしますけど、これは完全に主観ですが、僕にとって濱口竜介を支援することは、当たりくじしか入っていない宝くじを買うようなものなんです(笑)。自分はそのように確信しているわけですが、繰り返しになりますけど、そうした話を理解してくれた会社のみんなが凄いなと思っています。NEOPAは利益を追求する純然たる株式会社なわけですが、濱口くんの作品には経済的にも上手く回っていくような力があると思っています。人は良いものに対してはそれなりの対価を支払うものだと考えていますから。一方で、極端に言えば、100年先、200年先にどういう意味を持つかという長い視野を持って物事を捉える部分も必要ですし、様々な思いをもって活動をしていますね。

あのときの一本

『激突』(1971/監督:スティーブン・スピルバーグ)
父親がトラックの運転手をしていたんですが、僕は追いかけられるという視点で見ていたと思うんですけど、父親は「これは面白い!」と恐らくは逆の視点で見ていたんだろうなと(笑)。
※本記事は2013/12/14に掲載されたインタビューを再掲載したものです。
NEOPA | Design and Software
Let us entertain you.
NEOPAは、価値を伝えます。
目の前の課題を解決するような、役に立つモノやサービスを提供することで、その対価をいただいています。

でも世の中には、役に立つのか分からないけど良いモノ、ひとたび体験すればその大きな価値に気付くモノ

というのも同じくらいたくさん存在していて、あなたを待っています。
NEOPAはその分野にも挑戦していきます。

まったく新しい「何か」を探し続ける人達と共に、さまざまな形で協力しながら

市場経済に身を置く企業の立場で、持続可能な仕事として良いモノを広めていきます。
NEOPA knows. You will see.
■NEOPA公式サイト
http://www.neopa.jp/
■濱口竜介監督最新作『BRIDES(仮)』公式サイト
http://brides.fictive.jp/
■濱口竜介 3年ぶりの長編劇映画『BRIDES(仮)』への制作支援をお願いします!
https://motion-gallery.net/projects/BRIDES
■『濱口竜介プロスペクティヴin関西』Webサイト
http://prospective.fictive.jp/
■Pull Pull Planet(スマートフォンアプリ)
Now Into The Galaxy
さあ宇宙へ旅立とう!
ポップルは銀河にある星のお世話をする星飼い彗星です。 ある日、星たちがその光を失い、ポップルは失われた星座を修復するための旅に出るのです。 さまざまな惑星をかいくぐり、ポップルは星座を修復することができるのでしょうか。
http://ppp.neopa.jp/
聞き手・構成・写真 :岡本英之
  • 『高田聡(たかた・さとし)』
    1977年、島根県生まれ。東京大学文学部を2002年に卒業後、コンピュータプログラマとしてソフトハウス、ベンチャー企業で勤務。1年間のフリーランスを経た後、創業2年目のシステム開発会社である「株式会社NEOPA」(本作に出資)に技術責任者兼役員として参加。濱口監督作の上映企画ではWebサイト、ポスター等の宣伝素材制作ディレクションを行う。『BRIDES(仮)』より本格的な映画製作に乗り出す。