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♯29「映画と私」宮部誠二郎(chameleon フリーペーパーKAMAKURA編集部 代表)

「人の活動を通して鎌倉の魅力を伝えていこう」

地元の鎌倉の情報誌を作ったり、イベントを運営して街を盛り上げる活動をしています。chameleon(カメレオン)は自分が大学生の時に立ち上げた団体でして、団体としては今年で6年目になります。フリーペーパーKAMAKURAは創刊して5周年となります。
フリーペーパーKAMAKURAは観光情報誌というよりも、鎌倉の人をフューチャーして、人の活動を通して鎌倉の魅力を伝えていこうという冊子ですね。置かせてもらっている場所は鎌倉がメインにはなるんですが、都内の本屋さんやショップにもいくつか置かせてもらっています。

「ディズニー映画やジブリ映画を何度も見返していましたね」

小さい頃に観た映画の記憶ですと、『ジュラシック・パーク』を映画館で観たのが実写の映画では最初だったと思います。あとは、おばあちゃんと『タイタニック』を観に映画館に行ったのを覚えています。藤沢におばあちゃんの家があるんですけど、土日におばあちゃんの家に泊まりに行って、日曜日に藤沢の駅前の映画館によく二人で行ってた記憶があります。
ただ、小学生位の頃は映画館に行くよりも、家でビデオをよく観ていて、ディズニー映画やジブリ映画を何度も見返していましたね。『ダンボ』や『ピーターパン』とか『魔女の宅急便』はテープが擦り切れる程観てたんですよね。それから当時、友達のお父さんがビデオレンタル屋を経営してて、『ジュラシック・パーク』のビデオをタダで頂いたりもしていました。なので、家で同じ映画を観る事が多かったんですよね。

「とにかく観ていて素直に楽しいと思える映画が好きなんです」

中学校では、友達と『マトリックス』を観に行った覚えがあります。その頃は、遊びの一貫で友達と流行りの映画を観ていた位の感じでしたね。どちらかというとミュージックビデオにハマっていて、自分たちで作ってみたりしてたんですね。勝手に音楽に合わせた映像を作るんですけど、当時はレッチリ(レッド・ホット・チリペッパー)の「By the Way」が流行っていて、PVを作ったりしましたね。ビデオカメラを回して、自分も出演していました(笑)。
高校では、映像を撮る事は続けてたんですが、団体スポーツに憧れてバレーボール部に入ったんです。廃部寸前のバレーボール部だったんで、メンバーをかき集めて、でも運動神経がいい人はサッカー部とか野球部とかに行っちゃってたので、生物部とか帰宅部で取りあえず身長高いのを集めたって感じの部活でした。チームでやる面白さみたいのはそこで体験しましたね。それが影響してか、大学で映像サークルに入って、映像を作るのも大人数でやるのが好きでした。
大学は成城大学の社会イノベーション学部で、高校のとき受験勉強していく内に社会学とか経営学に興味を持って、社会イノベーション学部ってそれらの総合学部みたいな学部なので選びました。映像に関しては、趣味でやっていこうってその辺から決めてはいたんですね。僕はミュージカル映画が好きでして、映像サークルで映像を作る際は、せっかく観てくれるんだったら楽しい時間にしたいって気持ちは常にありました。結局、ミュージカル映画は作れませんでしたが。とにかく観ていて素直に楽しいと思える映画が好きなんですね。
最初に作った映画で、『かっぱ』っていうタイトルのものがあって、主人公が突然河童になってしまうというコメディ映画でした(笑)。三谷幸喜監督の映画が好きで、社会的メッセージを入れつつの、コメディ映画っていうのをやりたいなと思っていましたね。その『かっぱ』も自分なりに社会的メッセージを入れてみた映画でした。それと、大学の時に観た映画で面白かったのは、黒沢清監督の『ドッペルゲンガー』と『LOFT』ですね。その二つの映画も僕はある種のコメディ映画だと思って観てました。面白さとはまた別に、撮り方に衝撃を受けたのも覚えています。

「街のためにこんなに頑張っている人達がいるんだ」

映像サークルでの活動として、明治大学との合同上映会をやったりしていました。たまたまバイト先で知り合った友達が、明治大学の映画サークルに所属していて、一本一緒に撮ってみようというのが始まりで、せっかくだから合同上映会をやろうってなったんですね。自分の作品を出すというよりも、映画監督を本気で目指している人とかこれから作りたいと思っている人達の作品の発表や、交流が出来るきっかけになったら面白いなというのがありました。そういった形で、成城と明治でSMFという映画上映会を作って、現在も一応続いているみたいです。呼ばれないですけど(笑)。
フリーペーパーKAMAKURAというのは、そういった活動とも繋がっていて、明治大学との合同上映会などを行って思ったのは、もっと若手の映画監督を世の中に発信したいっていうのがあったんです。合同上映会を一緒に立ち上げた明治大学の石原君と、映画祭を作ろうっていう話になって、鎌倉でその映画祭をやろうというのが発端でした。結局映画祭自体は実現していませんが、その時に鎌倉の街で行われているワークショップに参加したんですね。鎌倉の街について考えようみたいな。鎌倉は当時、世界遺産を目指してたんですね。今後どうしていくべきかみたいな会合で、行ってみたら100人くらいのおじいちゃん、おばあちゃんが体育館に集まって、ディスカッションしているのを見て、街のためにこんなに頑張っている人達がいるんだと思って、凄いかっこよく見えたんです。それで、こういう人達がいるっていう事を伝えたいなって思い、フリーペーパーという形で届ける事にしたんです。最初、そのために15人くらいの仲間を集めて、皆フリーペーパーを作った事はなかったので、本当手探りでやり始めてましたね。

「鎌倉で木下恵介監督作品の上映会などを行いました」

その後、鎌倉で木下恵介監督作品の上映会などを行いました。鎌倉には昔、松竹の撮影所があった関係で、鎌倉ゆかりの映画は多くて、小津安二郎監督作品もそうですよね。で、木下恵介監督の生誕100年のタイミングで、鎌倉のお寺とか色んな施設を借りて上映会をやりました。上映会以外にも落語イベントや芝居のワークショップなどもやってきました。フリーペーパーやイベントを通して、街の中でいかに人と出会えるかとか、街の面白さに出会ってもらえるきっかけを作るのが楽しいですね。地元の人達が地元の事を考えて出てきたアウトプットって、その街にしか出せない色だと思うんですね。そういうのが、どんどん増えてくれば面白いなって思ってるんです。
鎌倉の魅力は、人が本当に面白いんです。色んなジャンルの人達がいて、みんな鎌倉っていう街が好きな人たちで、それぞれの角度から街に貢献しようとしていて、そういった人同士がコラボレーションして新しい事が生まれたりするのがこの街の面白いところです。この前知り合った食堂の女の子がいるんですけど、その子は京都からわざわざ鎌倉に引っ越してきたんですね。たまたま観光で鎌倉に来た時に僕らのフリーペーパーを見てくれて、食堂で働いてみたいっていうのがきっかけで引っ越して働き始めたらしいんです。そういう話を聞けるとすごく嬉しいですね。

「もっと街に出て来て、楽しめるようなきっかけを作っていきたい」

今後は、地元の若い世代がまだ街とそんなに繋がっていないと感じているので、僕も学生時代にこういう活動を通して見えてきたものや良い体験をいっぱい出来たので、もっと街に出て来て、楽しめるようなきっかけを作っていきたいですね。
それから、chameleon(カメレオン)では年に1回旅をしているんですが、ただ観光地を巡るんじゃなくて現地で僕らみたいにフリーペーパーを作っているような団体に街を案内してもらったり、交流会を向こうでやってくれたり、もちろんその逆も然りで、あっちからこっちに来る時には僕らが案内していて、そういった人との繫がりが日本中色んなところまで広がっていけたら、もっと日本が楽しくなるって感じています。映画祭についても、ゆうばり映画祭のように大きなイベントとして、いつか実現出来たらいいなと思っています。

あのときの一本

『雨に唄えば』(1952年/監督:ジーン・ケリー、スタンリー・ドーネン)
大学の授業で、木村建哉先生という方が映画学を教えてくれていて、その時にこの映画を紹介して下さったのが最初の出会いで、その後DVDを買って観てみたら、何十年も前の映画なのにいま観てもめちゃくちゃ面白いんですよ。あと、僕は劇中劇みたいなトリップ出来る要素のある映画が好きなんですね。そういった所でも楽しめた映画です。
■chameleon(カメレオン)サイト
http://chameleon-kamakura.com
聞き手、構成、写真: 川邊崇広
  • 『宮部誠二郎(みやべ・せいじろう)』
    1987年生まれ、神奈川県鎌倉市出身。成城大学社会イノベーション学部卒業。大学では映像シナリオ研究会(JENNY FILMS)の部長を務めた。大学在学中にchameleon(カメレオン)を立ち上げ、鎌倉の魅力を伝えるために多くのイベントを主催したり、鎌倉の情報誌「フリーペーパーKAMAKURA」を発行している。「フリーペーパーKAMAKURA」は、広告に頼るのではなく、KAMATERという発行を応援するサポーターからの出資で発行されているのが特徴。現在、フリーペーパKAMAKURA vol.09「鎌倉のものづくり」を配布中。2014年11月末には、フリーペーパーKAMAKURA vol.10を発行予定。