LOAD SHOW

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上野毛バンドワゴン主催 映画祭「東京映画事変」開催記念座談会

多摩美術大学映像演劇学科の卒業生からなる「上野毛バンドワゴン」という映画制作集団をご存知でしょうか?平均年齢25才と若い映画監督と俳優によって結成されたこの集団は、それぞれ国内外の映画祭での受賞歴を持つなど、いま期待の若手といって間違いない。また、青山真治監督からの教えを受けたメンバーは多摩美術大学という学校のカラーと合わせて、それぞれ独特の作家性であるという。果たして彼等は何者なのか?11月22日(土)からユーロスペースで行われる上野毛バンドワゴン初の映画祭「東京映画事変」を記念して、LOADSHOWではメンバー全員参加の座談会を企画。若い映画作家たちのこれからをお楽しみください。

映画制作集団 上野毛バンドワゴンとは?

「上野毛バンドワゴン」結成の経緯を教えてください。
楠雄貴(以下、楠):そもそもは、それぞれ多摩美術大学の卒業制作を終えた時に、青山真治さんから「外でも発表してみたら」とアドバイスしていただいて。そのことで多摩美術大学の教授の大久保賢一さんに相談に乗ってもらったところ、ユーロスペースはどう?という話になりまして。そしたらあれよあれよと「東京映画事変」という映画祭が決まって。それに際して「上野毛バンドワゴン」という集団を名乗るようになったのがいきさつです。
大久保賢一さんは映画評論家でもあると思いますが、学校ではみなさんとどのような関わり方だったのですか?
甫木元空(以下、甫木元):大久保賢一さんは学校の講師で、学生として映画のことを様々教わったのですが、上野毛バンドワゴンという団体にはアドバイザーのような形で関わっていただいています。
“上野毛バンドワゴン”というのは覚えやすいグループ名ですよね。由来はなんですか?
山本圭祐(以下、山本):青山真治さんの50才の誕生日に、秘密で、というよりゲリラ的に、僕たちで青山さんの事務所にサプライズでお祝いに行ったんです。そしたらその日の夜、青山さんがTwitterで「今夜は50歳のお祝いに上野毛バンドワゴンの突撃の襲撃で祝われた。」と呟いていて(笑)。その呼び名を勝手にいただいてしまいました。だから、意味は特にないんです。
なるほど。それでは集団性についてお聞きしたいのですが、上野毛バンドワゴンは自分たちのことをどのように紹介しているんですか?
甫木元:“上野毛バンドワゴン”は不特定多数の映像制作集団というふうに言っています。
ここにいる5人が上野毛バンドワゴンなのではなく、不特定多数のメンバーがいる?
山本:今回、上野毛バンドワゴンが主催する「東京映画事変」はこの5人で発表するのですが、来年の上野毛バンドワゴンの映画祭には誰がいるかわからないという意味です。ちなみに「東京映画事変」という上映会のタイトルも、第1回映画祭のタイトルなので、来年はどんな映画祭名になるかはわかんないっす。
加藤秀則(以下、加藤):やっぱり学校を卒業すると、映画制作をしても上映する機会がないという学生も多いと思うので、今後も多摩美卒の学生を中心に、様々な刺激的な作家をゲストで交えながら、上野毛バンドワゴンの活動をしていきたいですね。
楠:ナイン・インチ・ネイルズというアメリカのバンドがあるんですけど、このバンドはコンポンザーのトレント・レズナーを除いてアルバム毎に演奏者が変わるんです。上野毛バンドワゴンという集団のイメージもそれに近いです。映画祭毎に参加者が違う、みたいな。
上野毛バンドワゴンというのは多摩美術大学の卒業生を中心とした若い映画監督が集まる場のようなものだということですね。あえて集団の特徴を挙げるとしたらどのようなものがあるのでしょうか?
甫木元:そのことはよく考えるんですけど、僕たちの作品性はびっくりするくらいバラバラんですよ(笑)。まだ、上野毛バンドワゴンの歴史が浅いからということもあるかもしれませんが、あえて言えばそのバラバラさが特徴かもしれません。
山本:そうなんだよね。上野毛バンドワゴンの作品をまとめて見て頂けるとわかるんですけど、本当にみんなバラバラ(笑)。
広田智大(以下、広田):ただ、だからといって上野毛バンドワゴンの監督同士反目しあっているということは勿論無くて。みんながお互いの作家性や作品性は認め合っています。
青山真治監督も所属していたといわれる立教大学の自主映画サークル「パロディアス・ユニティー」では師として蓮實重彦さんがいらっしゃいましたが、上野毛バンドワゴンにとって青山真治監督はどのような関係なのでしょうか?
楠:青山さんは「たまふぃるむ」という映画制作の授業と「ゼミ」の2コマ多摩美で教えているのですが、それは上野毛バンドワゴンの活動とは別個です。ただ、やっぱり背中を押してくれたという意味では、青山さんの存在は大きいです。また、僕たち自身青山さんから多くのことを学びましたので。
青山さんは学校ではどのような存在感だったのですか?
甫木元:青山さんって「教えてくれる先生」ではないんです。それは、青山さんの信念に映画は教わるものじゃないというのが大前提にあるのだと思います。だから「教える」先生ではなく、「お前は何を作るんだ?」と親身になってくれる先生で。学生を泳がしながらみんなどんな作品を作るんだろうって楽しみでいてくれる。だから、僕たちの作品性はバラバラなのかもしれないですね(笑)。
加藤:そうですね(笑)。青山さんの知識量が幅広くって、それだからこんなに作品性が違うのにそれぞれに対応してくれる。
甫木元:青山さん自身も授業で映画を撮っているのですが、生徒よりも映画で遊んでいる。でも、そういうところが一番勉強になった。背中を見せてくれる先生ですね。
           (甫木元空監督)

「見た事のないものを作りたい(甫木元)」

それでは上野毛バンドワゴンのお話はまた後で聞くこととして、ひとりずつお話を聞かせてください。甫木元監督の映画は物語や映像美、身体的な表現と様々な要素があるように感じました。
甫木元:僕は“活字でも面白い映画”よりは“映像にならないと面白くない映画”を撮りたいと考えています。今回「東京映画事変」で上映する僕の作品は学生時代に作った『11.』と卒業制作作品『終わりのない歌』、新作『太陽にてらされて』があるのですが、『終わりのない歌』に関しては撮りためていたホームビデオを繋げたものにイメージ的な要素が入る映画で、脚本という作業からは少し遠いところにあったりします。
学校を卒業してから自身の作品作りは変化しましたか?
甫木元:学校にいる間は、締め切りがないと映画を作らなかったんです。でも、卒業してからは期限がなくなって、軽いフットワークで作れるようになったかなって。瞬間的に閃いたことをすぐに映画につなげることができるようになりました。卒業して考え方も今までより自由になったのだと思います。学生時代は「なんで作品をつくるのか」ということを考えていたんですけど、今はどんどん新しいものを作っていきたいなと思うようになりました。
大根仁監督や橋口亮輔監督など大きな現場にも助監督として参加されていますが、甫木元監督は今後映画作りにおいてどのような足場を選んでいくのですか?
甫木元:今は全然こだわりがなくて、チャンスがあればなんでも挑戦していきたいと考えています。今は発表する場ってWebとかいくらでもあると思うんです。だからこそ作る手を止めてはいけない、そんな気持ちでいます。
今後はどんな作品を作っていきたいですか?
甫木元:これまではとにかく誰に頼まれた訳でもなく映画を作っていました。自分が見た事の無いものを作りたくて、極論を言えば自分のために映画を作っていたんだと思います。だから次は外に向けた映画を作れたらと考えています。
           (山本圭祐さん)

「ちゃんと話を聞いて、感じたことを応えるだけ(山本)」

山本さんは、普段は監督としてではなく俳優として活動されていますよね?
山本:そうです。「たまふぃるむ」という授業でも俳優やりますと言って入ったのですが、何を思ったか自分でも出演する合間に映画を作ってみたいと思い、気が付いたら『疾走ラブレター』を監督していました。
『疾走ラブレター』はシンプルで、味わい深い作品ですよね。
山本:ありがとうございます。『疾走ラブレター』は僕が通っている高校で撮ったんです。共学なんですけど私服の学校だったので、制服に憧れがあって。あと、女の子が好きだという思いも強くありました(笑)。そういう「女性・制服」という憧れワードを並べて、この映画を企画したんです。だから当初は、制服の女の子を追っかけながらラブレターを読むという内容だったんです。でも内容を練っていくうちに変わっていって…。僕と同じような気持ちの男子はいっぱいいるはずだと考えて、たくさんの男がそれぞれの好きな娘を思い浮かべながら走るという映画にしたんです。

あの映画は16mmフィルムで撮影したのですが、本当は乱闘シーンもいっぱい撮ったんです。でも現像上げたら、真っ黒で(笑)。しょうがないからって再撮をしたらそれも全部映ってなくて…。だから「もう全部いらないいや」って吹っ切れてしまい、最初から完全に撮り直して。

でもって、再々撮影の乱闘シーンでは雲行きが怪しくなってきて。あぁどうしようって。あとフィルムは1分30秒くらい余っていまして。しかたなく、出演者を2つに分けて「乱闘してくれっ!」て(笑)。結果、すごい即興的な撮影になってしまっていました。
「東京映画事変」の作品をまとめて見させていただいたのですが、山本さんは上野毛バンドワゴンの作品にたくさん出演していますよね。なんだかそれが「チーム感」を高めているように感じました。
山本:そうですね。「東京映画事変」で上映される映画では広田監督の映画『残光』、楠監督『スプラッシュ☆イニシエーション』、青山監督『FUGAKU1/犬小屋のゾンビ』、そして甫木元くんの映画『終わりのない歌』と出演させていただいています。今回この上野毛バンドワゴンに参加したのも、自分の出演している映画を見てもらいたかったからなんです。
広田監督の映画『残光』では主演を務めていますが、広田監督は山本さんをどんな役者だと考えていますか?
広田:僕の映画には毎回主演で出演していただいていて、脚本の段階でいつも当て書きをしているんですけど、無意識的にアクションを起こさない役にしてしまうんですよ。映画のなかの諸々を受け止める役。観客の代理として起きたくなってしまう俳優なんです。
山本:それは僕も、少しだけ感じているんですよ(笑)。ちゃんと話を聞いて、感じたことを応えるだけというか、決して簡単な作業ではないんですけど。でも、それが自分の性分にあっている気がします。ほんとはヤクザみたいな役もやってみたいですけどね。
           (加藤秀則監督)

「(震災に対して)ドキュメンタリーでもなく、実験映画的でもない、自分が“できること”を映画にしたかった(加藤)」

加藤監督の映画は、ブラックユーモア全開で他の上野毛バンドワゴンの作品とは系統が違う印象を受けました。
加藤:もともと僕の映画は多摩美のカラーと違ったんですよ(笑)。僕は喜劇的な映画を撮りたくて多摩美に入学したんです。
『あの日から村々する』はデリケートな題材を堂々と笑いに変えていて、その勇気と痛快さがとても面白かったです。
加藤:『あの日から村々する』という映画は制作したのが2011年で、震災の話ではあるんですけど、震災(主に原発事故)さえも喜劇に落とし込みたいと思い制作しました。自分が宮城、福島出身というのもあって、当事者である自分が不謹慎とかじゃないところで取り組もうと思っていて。もちろん、多くの批判はあると思います。ただ、親戚が原発で避難したり、実際色々と思うところがあって、そのことに対して、ドキュメンタリーでもなく、実験映画的でもない、自分の「できること」を映画にしたかったんです。
ちなみに、多摩美術大学では加藤監督の作家性は異質だった仰っていましたが、当時の多摩美ではどんな作風が主流だったんですか?
加藤:実験的であったり、あくの強い映画が多かったとおもいます。なんというか当時は多摩美の映画は頭の良さそうだなーという印象がありました。自分が馬鹿なので読み取れるものが少ないだけなんですけどね…。ただ、それに対して対抗意識があるわけでもなく、純粋に「すごいな」と思っていました。
甫木元:補足すると、多分青山さんが学校に来て多摩美の映画は少し変わったんです。実際的なことを言うと、現場の感じというか制作体制が変わった。それまでの現場は出たとこ勝負というか、スタッフや俳優と共有することをしていなくて。でも青山さんが入ってきて変わって、みんなで協力するということを少しずつ覚えました。それで多摩美の作品性も多少変化していったと思います。
加藤:でも僕はなかなかみんなで協力するという体制がつくれてないんです…。
甫木元:そうかな?(笑)
そういう、ある意味監督の不器用な性格が今回上映する『ベリーベリー I Want 友!』という作品にも反映されているのかもしれませんね。
加藤:そうですね(笑)。基本僕は、被害妄想の過大妄想、自意識や劣等感に苛まれて生きてきたので、そういうところを文字にしてきました。僕は甫木元くんとは逆で、言葉にすることが大好きなので、ツラツラ書いて、それがぴったり決まらないと気持ち悪いというタイプです。だから、なかなか脚本があがらないんですけどね。
           (広田智大監督)

「そこを撮れば映画になるという環境を作ってからでないと撮影できない(広田)」

広田監督の映画は、上野毛バンドワゴンの他の作品郡とは違って、映画の世界に作家性が溢れていますよね。
広田:映画の中に「物語」と「イメージ」という境界があるとしたら、ぼくはそこの境を一切なしに考えていて、全部物語だと考えているんです。だから、ここは夢のシーンとか幻想のシーンという考え方は無くて。ぼくの映画は「(現実とは違う)もう一つの世界」というように解釈されがちなんですけど、自分としては全部が現実だと思って制作しています。
絵作りに広田監督の独特な雰囲気を感じました。
広田:それはカメラマンの力が大きいとおもいます。初めて映画を撮った時、自分の頭の中にある絵というものをそのまま撮ったんです。カメラマンに細かく指示を出して。そしたらそれが最悪だったんです(笑)。それで自分のイメージする絵を強要するのは面白くないなと考えるようになって。だから次からはなるべくカメラマンが撮る絵に対してはなるべく干渉しないようにして。自分のなかに描いているイメージはあるんですけど、カメラマンが脚本を読んで解釈したイメージを大切にしようって。
それでは監督として力を入れているところはどこになるのでしょうか?
広田:それはいつも現場で考えています。演出にあるのか、キャスティング、スタッフィングにあるのかって。ただ、どれも違う気がしていて。
甫木元監督は広田組のカメラマンとして入っていますが、絵作りにおいて監督の大事にしているものをどのやって解釈しているんですか?
甫木元:僕たちは映画を作るときはいつも何らかの形で協力しているんです。だからなんとなくお互いの持ち味がわかっていて、広田監督の場合も同じで好みなどがわかるので、広田監督の持ち味と脚本を解釈して決めています。カメラマンとして見ていて感じるのは、広田監督は現場の空気をとても大切にするということです。
広田:たしかに、僕が作る作品はだいたい泊まり込んで作るので、なるべく楽しい場になるように工夫はしていますね。それに、僕はある場所を徹底的に作りこんで、そこを撮れば映画になるという環境を作ってからでないと撮影できないタイプなんです。だからそういう現場の空気感で俳優やスタッフと共有しているものは多いかもしれません。ただ青山さんには、主演もスタッフも全部変えて一回撮ってみな、とアドバイスしていただいているんですけど、まだそれが出来ていなくて。それが次回の課題です。
ちなみに広田監督の尊敬する作家は誰ですか?
広田:ミヒャエル・ハネケの映画を見たときは作家として絶望しましたね。だから、まあ、それくらい好きです(笑)。
           (楠雄貴監督)

「茶の間でもボーっと見られるようなものを作りたい(楠)」

楠監督の映画はとても良い意味で、一番劇映画への意識が強く現れているように感じました。
楠:僕は具体的な映画が好きで、特に脚本を書いてる時はとことん具体性を求めていて。それはみんなとは違うところだと思います。
映画を作るうえで物語というか、脚本に力を入れている?
楠:やっぱり脚本ですね。今後もオリジナル脚本で映画を撮っていきたいという想いが強くあって。映画の内容はあまり難しくないというか、映画はテレビではないんですけど、茶の間でもボーっと見られるようなものを作りたいと考えています。
たしかに、とても良い意味であれこれ考えずに見ることができました。でも気がついたら集中して見てしまう、そんな魅力がありますよね。俳優の持ち味も光っていて、それも魅力のひとつだと感じたのですが、俳優への演出はどのようにしていたのですか?
楠:役のイメージはちゃんと伝えました。あと、役者が自然に起こしたアクションはほとんどOKにしていました。ただ、自分はカメラマンも兼任していたので立ち位置には気を使いましたね。『スプラッシュ☆イニシエーション』は内容を決める前から俳優が決まっていたので、みんなでどうしようかなんて話をして、それじゃあ女の子1人だから彼女を中心にしたドラマにしようかなんて言って話を作ったんです。
いちから映画作りを共有していたのも良かったのかもしれませんね。青山真治監督も出演されていましたが緊張されませんでした?
楠:青山さんが出演するシーンで突然雨が降ってしまい軽くパニックを起こしたりしたんですけど…。後から聞いた話だと「なんにも考えず現場行くのって楽しいな」なんておっしゃっていただけたみたいで、ホッとしました。
次回作はどのようなものをイメージしていますか?
楠:『スプラッシュ☆イニシエーション』は”地方”をイメージして撮影していましたが、それはあくまで舞台としての要素でしたので、劇中では場所の匿名性を保っていました。なので今度は上京してから山梨という場所を具体的に描きたいと思っています。内容は山梨にUターンしてきた若者の話をイメージしています。
          (「東京映画事変」試写会)

映画というのはそもそも楽しむもの。映画全てが娯楽、という姿

話を聞いて、みなさんそれぞれの作品性を持っているということがわかりました。加藤監督にも先ほど聞いたのですが、あらためてみなさんが通っていた多摩美術大学という学校はどんなところだったのか教えてください。
甫木元:もともと多摩美は実験映画が主流というか、ひとりで内面的な題材を描くのが歴代のカラーだったと思うんです。でも、僕たちはそういう多摩美の良いところを汲みつつ、青山さんから学んだ映画制作の影響を受けつつ、という合わさった学年なんです。変な学年ですよ(笑)。
たしかに、どの作品も何かの括りでは語れない、しいていえば「上野毛バンドワゴン」というジャンルの映画だと感じました。ちなみに、青山監督が授業内で制作した映画『FUGAKU1/犬小屋のゾンビ』も今回上映されますが、皆さんはどのような映画だと考えていますか?
楠:青山さんは自分のことを娯楽映画の監督っていうんですけど、「FUGAKU1 犬小屋のゾンビ」を見て、「なるほど」と思いました。
甫木元:青山さんは「映画というものすべてが娯楽だ」と言っていて。アート系だからとか関係なくて、それも絶対誰かにとっては娯楽なはずなんですよ。映画というのはそもそも楽しむもで、何作ってもいいんだということを授業内で一番自由に映画を作っている青山さんを見て吸収しました。
山本:青山さんが一番自由に楽しんでいたという風に感じたね。
上野毛バンドワゴン初の映画祭ということで大変なことも多かったのではないですか?
甫木元:そうですね。森岡龍監督(『ニュータウンの青春』監督)や嶺豪一監督(『故郷の詩』監督)、それに「前夜映画祭」(多摩美術大学 卒業生が多数参加する映画祭)だったりと多摩美の先輩が起こしてきた流れを見てはいたのですが、見ているだけで何もわかっていなかった。なので実際、全部手探りで進行しています。でも、だからこそこの経験を踏まえて何度も回数を重ねて維持していくことが大事なのだと思っています。
「東京映画事変」は1日毎に上映作品が違いますよね。楽しみ方などあれば教えて下さい。
楠:それぞれの作風が全く違うので、自分の好きなジャンルやテイストの作品をバイキングみたいに好きに見に来てくれたら嬉しいですね。
加藤:インディーズ映画って一般の人からしたら行きづらいと思うんですけど、本当にいろいろな作品が揃っているので、会社帰りに好きな感じの映画をフラッと来てくれたら嬉しいですね。そして、もし観たらロビーにいる監督に一言声をかけてくれたらなお嬉しいです。
公開楽しみにしています。本日はありがとうございました。
上野毛バンドワゴン主催映画祭「東京映画事変」
渋谷ユーロスペースにて11月22日(土)から28日(金)までレイトショー!
■上映日程
11月22日(土)から28日(金)
全プログラム21:00〜
■上映場所
渋谷ユーロスペース(住所:東京都渋谷区円山町1‐5 KINOHAUS 3F)
http://www.eurospace.co.jp/
■チケット代金

前売:1日券¥1,000/全プログラム通し券¥3,000

当日:1日券¥1,200

※「東京映画事変」の前売りチケットはメールにてご予約頂けます。下記のアドレスにメールをご送信下さい。

前売りチケット予約窓口:info@nogeban.com

(本文に、お名前/ご希望の前売りチケット(一日券もしくは通し券)/枚数を明記の上メールしてください。メールでの前売りチケットのご予約は、11月21日(金)の23時59分を持ちまして締め切りとさせて頂きます。)

■上映作品/上映イベント
□11/22(土) Aプログラム

甫木元空監督作品『11.』(カラー/HD/16:9/11min/2012)

招待作品:

川添彩監督作品『きりはじめて、はなをむすぶ』(カラー/HD/16:9/10min/2011)

青山真治監督作品『FUGAKU1/犬小屋のゾンビ』(デジタル/カラー/31分)

トークゲスト:大久保賢一(映画評論家)

□11/23(日)Bプログラム

楠雄貴監督作品『スプラッシュ☆イニシエーション』(カラー/HD/16:9/80min/2014)

トークゲスト:相澤虎之助 (映画監督・脚本家)
□11/24(月)Cプログラム

山本圭祐監督作品『疾走ラブレター』(カラー/4:3/16ミリ/2013)

広田智大監督作品『残光』(カラー/HD/16:9/2014)

トークゲスト:渡辺大知(ミュージシャン・映画監督)

□11/25(火) Dプログラム

加藤秀則監督作品『あの日から村々する』(カラー/HD/16:9/20min/2012)

招待作品:

川原康臣監督作品『ゆれもせで』(2011年/カラー/HD/20分/脚本:岡太地)

岡太地監督作品『きをつけてね』(2012年/カラー/HD/35分/脚本:川原康臣)

トークゲスト:川原康臣 (映画監督、脚本家、映像ディレクター)×岡太地 (映画監督、脚本家、映像ディレクター)

□11/26(水)Eプログラム
加藤秀則監督作品『ベリーベリー I Want 友!』 (カラー/HD/16:9/2014)
□11/27(木)Fプログラム

甫木元空監督作品『終わりのない歌』(カラー/HD/4:3/65min/2013)

甫木元空監督作品『太陽にてらされて』(カラー/HD/4:3/15min/2014)
□11/28(金)Gプログラム

広田智大監督作品『ひこうせんより』(カラー/HD/16:9/50min)

トークゲスト:青山真治(映画監督)
■上野毛バンドワゴン「東京映画事変」公式サイト
http://nogeban.com/
■公式Twitter
https://twitter.com/kmng_bandwagon
■公式Facebookページ
https://www.facebook.com/kaminogebandwagon
取材・文:島村和秀
  • 『甫木元空(ほきもと・そら)』
    1992年埼玉県生まれ。多摩美術大学卒業。 「11.」Nippon connection film festival招待上映 、「終わりのない歌」東京学生映画祭準グランプリ。また「恋の渦」大根仁監督「ゼンタイ」橋口亮輔監督「水の声を聞く」山本政志監督などの作品で助監督を務める。
  • 『山本圭祐(やまもと・けいすけ)』
    1991年埼玉県生まれ。 多摩美術大学に進学後役者として活動を始める。 2014 年3月に同大学を卒業。 卒業後現在も役者活動継続爆進中。 在学中役者活動と平行し二本の映画を製作。
  • 『加藤秀則(かとう・ひでのり)』
    1991年生まれ。宮城県仙台市出身。大学入学を機に上京。主にコメディよりのひねく れた作品を制作している。右投げ左打ち。外野手。 2012年に制作した映画「あの日から村々する」は第34回PFFアワード入選の他、 ドイツで行われた「ニッポンコネクション2013」や「あいちトリエンナーレ2013」などで上映された。
  • 『広田智大(ひろた・ともひろ)』
    1992年3月30日生まれ。 埼玉県桶川市出身。 多摩美術大学映像演劇学科在学中。 映像作家。 多摩美入学後、役者として演劇公演に多数参加。 のちに活動の場を映画に移し、監督、役者として活動中。 2014に制作した「残光」がたまふぃるむ2014にて柳下殻一郎賞、 イメージフォーラムフェスティバルジャパントゥモロウにノミネート。
  • 『楠雄貴(くすのき・ゆうき)』
    1987年10月生まれ 山梨で育つ。 上京後、空族制作映画「サウダーヂ」に衝撃を受ける。 以後、山梨や日本の地方都市に興味を持つようになる。 山梨で映画制作したい。監督作品に『センリツ』(チャンスイン配給「世にも奇怪な物語」収録)などがある。