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染谷将太×長岡亮介(ペトロールズ)『寄生獣』公開記念対談「俺たちのミギー!」

11月29日(土)全国東宝系ロードショー

染谷将太が主演する映画『寄生獣』 (2014/監督:山崎貴)が、11月29日より全国公開となる。若手実力派としてこれまで数々の映画に出演し、『ヒミズ』(2012/監督:園子温)では、第68回ヴェネチア国際映画祭 / マルチェロ・マストロヤンニ賞を受賞。『寄生獣』公開以降も話題の出演作が続々と待機中だ。今回LOAD SHOWでは『寄生獣』の公開を記念して、「俺たちのミギー」と題した染谷将太×長岡亮介(ペトロールズ)のサプライズ対談を企画!普段から仲の良い二人の、少し照れながらもざっくばらんなトークをお楽しみください!

「もう帰れよ!(笑)(染谷)」

染谷:今日は誰が来るのか知らなかったから、ソワソワしちゃいましたよ。
長岡:ガッカリしちゃったでしょ?
染谷:いや、ガッカリじゃなくて、予想外ですよ!
長岡:町場の人間が来たって!?
染谷:いやいや(笑)。今日は空いてたんですか? 
長岡:うん、大丈夫。
本日の対談テーマは「俺たちのミギー」ということで、よろしくお願いします。
一同:(笑)。
染谷:ちょっと何言ってるのかわからないんですけど(笑)。
ギタリスト長岡さんの右手はまるで意思を持った、それこそミギーのような存在じゃないかと。そういった意味で今日はお互いの身体性に迫っていくような話を聞きたいわけです。
長岡:はいはいはいはい。
染谷:「寄生獣」読んでました?
長岡:読んでない。
染谷:(笑)。もう帰れよ!(笑)。
長岡:「もう帰れよ」って良いね!太字にして見出しに入れちゃおう。
染谷:(笑)。
長岡:それは古いマンガなの?
染谷:ドンピシャなのは、30代後半から40代頭の世代じゃないかな。
長岡:俺よりちょっと上ってことか。アニメはあるんですか?
染谷:最近アニメにもなったんです。
長岡:やっぱ、自分がやったものの方が良い?
染谷:ははは。全然、別物ですから(笑)。
長岡さんに染谷さんの出演映画そのものを見たことがないんじゃないか説がありますね。
長岡:見てないかも……。でもあえて、見ないで来たよ。染めやんとお話をするってことは聞いてたけど、そのために漁って見るってことはしてこなかった。そういう気持ちわかる?そのままの関係性で会いたかった。この先に見るかもしれないし。
染谷:『寄生獣』見てくださいよ。
長岡:見る!それは見るよ。

現場ではミギーが右手にいない

長岡:いないって何?
染谷:ミギーはCGだから。
長岡:あーなるほど!その時は右手どうなってんの? 手と喋ったりしてるんでしょ?
染谷:喋ったりしてます。
長岡:へー、それすごいね。それは染めやんの演技に対して、あとから動きを全部つけてるの?
染谷:阿部サダヲさんが事前にモーションキャプチャでミギーの動きを全部作ってるんです。そこには立ち会って、声も一緒に収録しました。現場ではミギーの声を聞きながら演技しますし、自分の演技にあわせてミギーの行動を少し変えたりとか。一緒に予告編見ます?(笑)。
長岡:うん。本人に予告見せてもらうってすごいね!
(予告を見ている。)
染谷:見たくなったでしょ?
長岡:是非、見たいね。
染谷:これ、「長岡亮介」に『寄生獣』を見せる企画なんですか?(笑)。
長岡:いや、すごいね。でも、他の俳優さんも想像で演技してるんでしょ?パカって口開くとことか。
染谷:そうです、そうです。だから普通に演技するのとは、ちょっと違いますね。
ミュージシャンとして、「想像しながら」というキーワードはどうですか?
長岡:録音の時とかにあとで何かが加わるというのを想像しながら演奏することはありますけどね。でも、それとはちょっと違う感じがするね。音楽の場合、あとで足すとしてもリアルなものだから。管楽器が入る、シンセか入る、ノイズが入るって。
染谷:映画も完成すればリアルなものになりますけどね。リアルなものにするためにって感じですかね。
長岡:こういうCGを使った作品って出演したことある?
染谷:いやぁ、ここまでCGを駆使した作品はないですね。最近はCGを使った作品が増えてきて、出演したこともあるんですけど、どうやればいいのかというのも探り探りだったり。
長岡:新しい体験だったんだね。
染谷:そうですね。音楽をやってて最近新しい体験ありました?
長岡:あんまりないかな?(笑)。でも、染めやんもあると思うけど、一緒にやる人のすごさを感じて、そこに新しい世界を感じることはあるね。でも、音楽の場合全然ないものが勝手に動くってことはないからな。ごめんね、あんまり話が膨らまなかったね……。
一同:(笑)。
長岡:こうやって改まって話すの、恥ずかしかったりしない?
染谷:恥ずかしいというか、ソワソワしますね。いけないことをしている感じがするんですよ(笑)。
長岡:あ、そうだ、鳴ってない音をイメージしてギターを弾くことはあるかも。鳴ってないけど、鳴ってると信じてるみたいな。
染谷:それは“理想”みたいな?
長岡:(ペトロールズは)3人だから鳴らしきれないことがあるの。でも、こうやったらみんな聞こえるはずだって。実際には弾いてないのにイメージだけはある。主要なところだけ弾いてそれ以外の部分はきっとお客さんには聞こえているだろうと思い込む。だけどね、お客さんから「鳴ってますよ」って言われたことがあるよ。染めやんもそういうことあるんじゃないの?
染谷:やってることは具体的なことで規制も多いですし、規制というのはつまり……
長岡:縛りっていうこと?
染谷:そうです、そうです。カメラもあるし、段取りも決まっているし。
長岡:気持ち的にはみ出さないようにするってことあったりしない? パワーコードしか弾かないみたいな。
染谷:それは、守る為にすることなんです。一番怖いのはたがが外れることなので。
長岡:怖いんだ。
染谷:たがが外れると成立しなくなっちゃう。
長岡:作品が?
染谷:作品もだし、チームワークも。
長岡:良いことはないんだ?
染谷:もちろん良いこともあるんだと思いますけど、僕は嫌なんですよね。倫理的に。そこを守ったうえでやっていきたいですね。
長岡:そっち系の、たががはずれるのがキャラクターになっている人っていないの?
染谷:それはもう、伝説的なレベルの方になるんじゃないですかね。
長岡:なるほどね。俺ね、あんまり顔でギター弾く人好きじゃないの。だからそういう人もいるのかなって思って。きっと染めやんは顔で弾くタイプじゃないよね。
染谷:じゃないと思います。
長岡:それは良いね。「顔で弾かないタイプの2人が本日一堂に会す」みたいなね。
染谷:(笑)。
染谷:亮さん、これまでで一番大きなキャパの会場ってどこでした?
長岡:それはやっぱ、何とかアリーナとか何とかメッセとかじゃないかな。
染谷:そういう時って、良い意味で立ち方を変えたり、変えられたりすることってあるんですか?
長岡:自分ではそんなことしなくて良いのにって思うんだけど、フェスなんかはお客さんが聞きにくるというより、遊びにくるという感じもあるから、そういうふうに振る舞ったりすることはあったね。
染谷:エンターテインするってことですよね。
長岡:そうそう。俺の狭いのりしろのなかでね。客席に近づいてあおったり、「おい!おい!おい!」って言ってみたり。
染谷:それは嘘だ!(笑)。
長岡:調子に乗ってたのかな?(笑)。でも、それで皆が喜んでくれるならそれでいいかなって。
染谷:『寄生獣』という大きな映画に出演させていただいて、そこはもう箱が違うわけじゃないですか。エンターテインの仕方も変わるし、メディアへの露出も変わるし。…...だから今この場所がおかしい!(笑)。
長岡 エアーポケットみたいになってる(笑)。
染谷:(笑)。
長岡:でもそうだよね、エンターテインするってことだよね。そこで自分をかたくなに守ってもくだらないというかね、辛気くさいっていうね。
染谷:そうですね。結局自分ってものは出ちゃうわけだし、大丈夫。
長岡:そんなに魅力は変わらないというかね。

『寄生獣』でのアプローチ

染谷:『寄生獣』でアプローチが変わったかというと、当然求められるものは作品毎に違うし、そこはある程度自分を守りながら、応じていくわけです。
長岡:軸は変えずに。
染谷:そうそうそう。軸は変えずにやっていくという感じです。
長岡:わかる、わかる。俺も大きな現場で弾く時と自分の時は違うもん。
染谷:そうですよね。カントリーを弾く時と「ペトロールズ」で弾く時も違うわけですもんね。
長岡:そうそう。…...あれ、今なんて言おうか忘れちゃったな。
一同:(笑)。
長岡:染めやんがカントリーとか言うから忘れちゃったよ。あ、そうそう、これを言ったら皆に嫌われちゃうかもしれないけど、音楽って定型パターンがあるじゃない?こうしたら盛り上がるみたいな。
染谷:パフォーマンスとか?
長岡:そう。曲の作り方もそうだしさ。エモーショナルだと盛り上がるみたいな。動きが激しいとか。そういうのって役者の世界でもあるの?
染谷:難しいなそれ。
長岡:ちょっと嫌な質問だったね。映画の作り方にはありそうだね。
染谷:映画の作り方には絶対あると思います。良く言われるのは、ハリウッドの脚本作りであったり。でもそれはすごく難しいんですよ、その通りにしたって必ずしも良い作品になるわけではなくて。
長岡:なるほど。それはそうだよね。
染谷:そこに対して求められたら、はめていかないといけない。だから、そういう仕事だと、盛り上げるためのパターンみたいなものはあるかもしれませんね。
長岡:そういった意味では、どんな作品でも染めやんはあんまり変わらなさそうだね。
染谷:変わるには変わるのかもしれませんけど、まあ人間そんなに変われるものではないと思うので。
長岡:染めやんには売れそうな曲を狙って書いて売れたみたいな、そういう感じは全くないよね。映画見てないからわからないけど。
染谷:(笑)。
長岡:すごい失礼だなこれ(笑)。でも変わらないんだろうと思いますね、僕は。とにかく僕はそういう人が好きです。
染谷:でも、そういうのって色々な方の応援があってこそ成立するわけですよね。
長岡:そうだね。
長岡:ねえ、インタビュアーってすごい失礼な人いない? びっくりするくらい失礼な人。
染谷:相性はありますけどね。
長岡:相性あるよねぇ。
染谷:モチベーションが自然にあがったり、そうでなかったり。
長岡:映画でも相性ってあるよね?
染谷:それはやっぱりありますね、人間ですからね。
長岡さんはペトロールズがメインですが、他にも様々なところで演奏されてますよね?
長岡:弾いてますよ。うるさいのからしずかなものまで。
多様な現場に行ってる感があります。
長岡:そうだね、そうありたいね。「神出鬼没だねあの人」みたいな。
染谷:僕もそうですね。
長岡:うんうん。それって純粋だよなって思う。
そこは2人の共通点のような気がしますね。メジャーからインディペンデントまで。
長岡:良いよね。
染谷:はい。メジャーを知らないと、インディペンデントできないですものね。
長岡:それにさ、おこがましいかもしれないけど、両方やるってことはお客さんにとっても良いことじゃないかなって思うんだよね。
染谷:それはあると思います。
長岡:例えば「東京事変」にいながらにして、カントリーの箱バンで酔っぱらって、ライブ中に演奏をやめてひとりでトイレ行くみたいな。
染谷:東京事変のギタリストが箱バンもやっているという。
長岡:東京事変のお客さんの中で、何人いるかわからないけど、10人でもカントリー好きになってくれたら、その人が幸せじゃない。俺も幸せだけど。広がるってことだからさ。すごい意味があることだと思うんだよね、好きなことをやるってことは。
染谷:『寄生獣』を見てくれたお客さんが、ミニシアターを満員にするみたいな。
長岡:そういうことだよね。
染谷:皆幸せですよね。
長岡:そういうことが底辺を広げるってことじゃん。「インフラ」って良く言うんだけど、まあインフラ役っていうかな。
染谷:それにメインストリームでメジャーなことやってる人はアンダーグラウンドを気にするんですよ。アンダーグランドだけやってる人はメジャーを気にしないというか。
長岡:うんうん
染谷:反発しちゃうから。だからアングラが存在するんだと思うんですけど。
長岡:オーバーグラウンドの人も求めてはいるんだよね。
染谷:その中間というのも面白いんですよね。
長岡:そうそう。とにかくもう何にもなりたくないという気持ちがある。どこにもカテゴライズされたくない、みたいな。だから友達もいないんですけど(笑)。あ、いやここにいた!
染谷:そうですよ。友達はいるじゃないですか。
長岡:…...あ、また何言おうとしたか忘れちゃった。
染谷:じゃあ『寄生獣』の宣伝しましょう(笑)。
『寄生獣』は11月29日(土)全国東宝系ロードショー公開です。
染谷:記事はいつできるんですか?
それはもうできるだけ早く仕上げます!
染谷:というか完結編も見てくださいね!
長岡:そうだね。
長岡さんが見たあとで、また対談組みましょうかね。
染谷:それ良い!
長岡:どんな映画館で見るのが良い? 映画館によって違いもあるだろうからね。
染谷:やっぱり、まずは大きなスクリーンで見てほしいな。この映画は大きなスクリーンで見るのがいいですよ。ちゃんとチケット渡しますから。
長岡:いや、ちゃんと自分で買って見ますよ(笑)。
この機会に是非ということで。
長岡:はい、見ます! 見ますって締めすごいね(笑)。
染谷:主演がお客さんに「見ます」と言わせる(笑)。なんかすごいですね!
長岡:すごいボリュームで人が関わって、出来上がった映画だもんね。
染谷:そうですね。そして亮さんが突然来てくれた(笑)。
長岡:こんなフラフラしてる奴がね(笑)。他のメディアとは違う話した?
染谷:違う話しかしてないわ!(笑)。
(終)

映画『寄生獣』11月29日(土)全国東宝系ロードショー

企画・構成・写真 :岡本英之
採録・構成・写真 :島村和秀
『寄生獣』
原作:岩明 均「寄生獣」(講談社刊)/監督・VFX:山崎 貴/脚本:古沢良太、山崎 貴/音楽:佐藤直紀
キャスト:染谷将太、深津絵里、阿部サダヲ、橋本 愛、東出昌大、岩井秀人、山中 崇、オクイシュージ、池内万作、豊原功補、大森南朋、北村一輝、余 貴美子、國村 隼、浅野忠信
製作:映画「寄生獣」製作委員会/制作プロダクション:ROBOT/制作協力:東宝映画、阿部秀司事務所/配給:東宝
Story
普通な高校生・泉新一は、未知の生物に右手を食われた。地球の生態系に突然現れたこの生物は通称・パラサイト、なんと人間を食料とする新種の寄生生物~人間の脳を食い、その人間の身体に寄生する知的生物~だった。新一を襲ったパラサイトは、脳を奪うのに失敗し、右手に寄生してしまった。動揺する新一をよそに、右手は人間の言語や文化を学び、自らをミギーと名乗り、新一に共同生活を持ちかけてきた。お互いが生き続けるためには、他に選択肢はない。勘の鋭い同級生・村野里美に怪しまれながらも、なんとかいつも通りの日常を過ごそうとする新一。しかし、教師として赴任してきたパラサイト・田宮良子にその正体を見破られてしまう。街中に潜み人間を喰らうパラサイト達との戦いを余儀なくされた新一とミギー。パラサイト達が一大ネットワークを形成しつつある中、 人間達もパラサイトへの反撃を始めようとしていた。地球に生存を許される種は、人間か?パラサイトか?
http://www.kiseiju.com/
  • 『染谷将太(そめたに・しょうた)』
    1992年9月3日生まれ、東京都出身。9歳の時に『STACY』(01/友松直之監督)で映画デビュー。『パンドラの匣』(09/冨永昌敬監督)で長編映画初主演。以降、日本映画の新世代を代表する俳優として活躍し、2011年『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん』(瀬田なつき監督)で第66回毎日映画コンクールスポニチグランプリ新人賞、2012年『ヒミズ』(園子温監督)で第68回ヴェネチア国際映画祭マルチェロ・マストロヤンニ賞、『ヒミズ』と『悪の教典』(三池崇史監督)で第36回日本アカデミー賞新人俳優賞、2013年にエランドール賞新人賞を受賞。近年の主な出演作に『リアル〜完全なる首長竜の日〜』(13/黒沢清監督)、『永遠の0』(13/山崎貴監督)、『不気味なものの肌に触れる』(13/濱口竜介監督)、『WOOD JOB! 神去なあなあ日常』(14/矢口史靖監督)『ぶどうのなみだ』(14/三島有紀子監督)などがある。
    http://www.shotasometani.jp/
  • 『長岡亮介(ながおか・りょうすけ)』
    神出鬼没の音楽家。ギタリストとしての活動の他に楽曲提供、プロデュースなど活動は多岐にわたる。 「ペトロールズ」の歌とギター担当。
    http://nagaokaryosuke.com