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映画『故郷の詩』公開記念対談 嶺豪一(本作監督)×峯田和伸(銀杏BOYZ)

熊本出身の学生のための男子寮『有斐学舎』を舞台に、世界一のスタントマンを目指す主人公の“大吉”や映画監督を目指す“天志”など、まだ何者でもない若者たちの愛しき日々を描いた嶺豪一 監督/主演作品『故郷の詩』が様々な新人賞を総なめにしてついに劇場公開となる。そこで今回、LOADSHOWでは『故郷の詩』に絶大な賛辞を送ったロックバンド“銀杏BOYZ”の峯田和伸氏をお迎えした公開記念対談を企画。映画の魅力から、青春や創作、女性についてなど、熱気が充満する中華料理屋でのボーイズトークを是非お楽しみください!

「“GOING STEADY”の「佳代」という曲から登場人物をイメージしていました。(嶺)」

嶺豪一(以下 嶺):今日はありがとうございます。よろしくお願いします。
峯田和伸(以下 峯田):いや、こちらこそ。
そもそも峯田さんは『故郷の詩』どうやって知ったんですか?
峯田:昼に家でテレビつけてて、BSかなにかをザッピングしてたら『故郷の詩』が放送されていて、その時がはじめてです。最初はぼやっと観てたんですけど、気がついたら集中して観ていて。今ってテレビから情報がみれるじゃないですか?PFFで賞を取ったって書いてあったから、有名な映画監督の映画じゃなくて、学生が撮った映画なんだってことを知って。PFFで受賞した作品はレンタルされているので昔から良く観たりしたんですけど、『故郷の詩』は抜群に面白くって。それで銀杏BOYZのホームページで毎年更新しているプロフィールに『故郷の詩』が面白かったってことを書いたんですよ。
その掲載を見て、嶺監督が知ったということでしょうか?
嶺:そうですね。黒猫チェルシーの渡辺大知くんが一緒に飲んでる時にそのことを教えてくれて。「えー!?」って。でも自分で探してみたらその記載が見つからかった…。なんでも峯田さんは『故郷の詩』を《ふるさとのうた》って読んでいたらしくて。
たしかプロフィールは、あいうえお作文のようになってましたよね?
峯田:そうなんですよ。それだから「ふ」の箇所で映画を紹介してたんですよ。「こ」のところには違うことを書いてたから、嘘なんじゃねーかって思ったんじゃないですか?
嶺:それで今度は《ふ》の箇所見たら「フェイタス」って書いてあって(笑)。あれって?
峯田:そう「ふ」のところには2つ書いててね。
嶺監督は「GOING STEADY」や「銀杏BOYZ」は聞いてましたか?
嶺:いやあ、聞いてたし、歌ってましたね。映画に “佳代”という登場人物が出てくるんですけど、実はそれは“GOING STEADY”の「佳代」という曲からイメージしていまして…。あの曲がすごい好きなんですよ。映画の中の“佳代”にも白いブラウスを着てもらったりして。まさかその時は峯田さんに観て頂けるなんて思っていなかったので、こうやって会えるとは…。なんだか縁を感じます。
峯田さんもそういった縁は感じていますか?
峯田:いや、全然。
嶺:(笑)
峯田:ただ劇中に“佳代”が現れたときはドキっとしましたね。自分にとって人生最初の恋人の名前で、曲まで作ってしまった人ですから。
2人の直接の出会いはいつ頃だったんですか?
峯田:初めて会ったのは渋谷PARCO劇場で行われた『母に欲す』(作/演出 三浦大輔|2014年)を観に来てくれた時かな。豪一くんが「良かったら観てください」ってDVDを渡してくれて。舞台がはじまって3日目とかの一番キツイときに来てくれてね。
嶺:そうですね(笑)。

台詞ともアドリブとも言えない“生々しさ”

あらためて映画を観てどんな場面が印象に残りましたか?
峯田:最初のカットで、ちょっと上の方から豪一くんがパンツ一丁で煙草吸って立ち上がってジュース飲んで投げるというカットがあるんですけど、そのはじまりだけですごいと思った。緊張感というのかな?どの場面が良かったとか、ストーリ上の好きなところは一杯あるんだけど、始まりから「ん?凄いな」って感じたんですよ。音楽も良かった。
嶺監督は意識したカットだったんですか?
嶺:やっぱりオープニングカットは力を入れました。俯瞰でエロ本とかで散らかった部屋を映したんですけど、伏線としても意識していたので。ただそのシーンで僕は煙草を吸ってるんですけど、煙草の灰が太ももに落ちちゃって「アチッ」って言っちゃって…。
峯田:「アチッ」って2回言ってるよね!?あの台詞なのかアドリブなのかわかんない生々しさが面白かった。
“生々しさ”は『故郷の詩』の面白いとことですよね。
峯田:そうなんですよ、不思議だよね。ボールがぶつかっちゃうカットで「ごまん、すめん」って言うんだけど、それも本なのか、偶然の間違いないのかわかんない。あれも偶然なんでしょ?間違えちゃったんでしょ?良かったんだよなぁ。
嶺:そうですね…。
台詞の端々は現場で作っていったんですか?
嶺:僕は普段の生活でもすごい言葉が下手で…。台本も自分の中ではヘタクソだなって思ってて…。それだから現場では一応、脚本通りに進めていくんですけどそこで起きる偶然の方が楽しみがあったりするんですよね。
途中での宴会でのシーンは生々しすぎてフィクションを超えている感じもありますよね。
嶺:あれは実際にあった寮の宴会で、押さえたかったポイントのひとつです。そういう寮での現実を映画に混ぜるというのは考えていました。
『故郷の詩』は大学の卒業制作作品として作られたそうですが、そのことは内容に関係してきましたか?
嶺:これは撮影が終わって結果的に気がついたことなんですけど、学生時代の4年間は一貫して寮を撮っていたんですよ。卒業制作は学生時代の集大成と考えていたので寮全体を撮りたいって気持ちがありました。それだから同じ寮の人に言われたのは「これ寮生以外の人にわかるんですか?」って。空気感だったり、“寮あるある”みたいなものもあるので。
峯田:そうだよね。寮で一緒に生活していた人にしか楽しめないんじゃないかって不安はあっただろうね。だって70分くらいの映画で60分くらいは寮で起きてる話なわけじゃないですか?あんな狭い空間で起こる話を外の人は楽しめんのかなって。でも、なんであんな面白いんだろうね?
       (『故郷の詩』大吉が寮の風呂場でトレーニングをするシーン)
峯田さんは映画で描かれているような共同生活はありましたか?
峯田:いやあ、あっても身内だけでしたね。5人くらいで。大学卒業の年はファーストアルバム(GOING STEADY「BOYS&GIRLS」/99年)を出して全国ツアーに行ったりしていました。
それでも寮の雰囲気や“熊本感”というのは伝わりました?
峯田:伝わりましたよ。僕は東北出身だから熊本からは遠いんだけど、そのむさ苦しさというか男だらけの感じはすごく良いですよね。
劇中では将来の不安につけこむいかがわしいセミナーにハマってしまう登場人物もいますが、そういうことは峯田さんの学生時代にもあったんですかね?
峯田:僕らの時は新興宗教だったけどね。ああいうネズミ講みたいのが出始めた頃でもあった。大学生にとってはそういうセミナーって結構あるよね。森岡龍くんが監督した『ニュータウンの青春』(監督:森岡龍/12年)でもあったけど、マルチって若い人にとっては身近にあるよね。

閉ざされた狭いコミュニティーを描く危険

峯田:そういえば、カメラが廊下を横移動して色々な人の部屋が映るカットありますよね。あそこはレールを敷いてるのかな?数々の映画でああいった手法はやられていると思うけど、不思議とオリジナルになってるんだよね。やっぱり天才なんだとおもう(笑)。
嶺:『ブギーナイツ』(監督: ポール・トーマス・アンダーソン/97年)という映画があって、その冒頭の長回しのイメージはあったんですけど結局同じようにはならなかったですね。
峯田:『リンダリンダリンダ』(監督:山下敦弘/05年)とかでも教室を長回しで映していくカットがあるけど、それともなんか違うしね。
嶺:ああいうカットになったのは寮の皆の力っていう気がします。寮には65人の人がいて、個性のバリエーションが豊富だからネタが尽きないんですよね。65の部屋のバリエーションがあって、全員趣味嗜好が違う。
峯田:すごく狭いコミュニティーってさ、狭ければ狭いほど生まれる濃度の濃さってあるじゃないですか?そういうコミュニティーをわかりやすく伝えるのってセンスやテクニックが必要なんですよね。でも『故郷の詩』に関してはみんな好きなんじゃないかな?世代も違うのになんでこんな面白いって感じるのかわからない。だからあの映画の魅力は未だに噛み砕けてないんだよね。

2人っきりだから言えるクサイことば

主人公の大吉は夢をもって東京に来ましたが、それは2人も共通しますか?
嶺:僕は映画監督になるという気持ちで東京に来て、実際に熊本にいるおじちゃんと「俺、有名な映画監督になるけん」みたいな約束もしました。でも実際大学に入ったら大吉のようにだらけたりもして。そもそも天志(主人公大吉の相棒で映画監督を夢みる寮生/飯田芳)と大吉という役は対照的なキャラクターにしたかったんです。めちゃくちゃ言う大吉も、少し冷静な天志もそれは自分にある。それだからそんな2人の言い合いは自分の葛藤そのものなんです。
なるほど。
峯田:僕は故郷に錦を飾ってやるぞっていう気持ちで東京に来たわけでは全くなくて、夢もなくやりたいこともなかった。それに僕の実家は電気屋なので「長男なんだから大学には行かせてやるけど、卒業したらちゃんと店を継げよ」と言われていて。だから大学4年間過ごしたら地元帰るんだろうなって思ってました。それで、まあせっかく時間あるんだしって軽い気持ちで楽器を持って。ギターとかもジミ・ヘンドリックスのライブビデオを一時停止して押さえてるところを確認してって見よう見まねで。それが楽しかったんだよね。でもまさかこんなに続くとは思ってなかった。
そういう意味では峯田さんは嶺監督と真逆だったんですね。
峯田:そうですね。やりたいことをやるなんて初めてだったから興奮しちゃって。自分でも何かを作ることはできるんだ、って。一緒にバンドを組んでいた浅井くん(GOING STEADY/Gt)とは同じ大学で、当時2人でギター弾きながら「これで俺ら天下とれるんじゃね?」とかって言ってたの、冗談で。「みんなこんな曲作れないよね、凄いんじゃね、峯田」って浅井くんから言われたりして。結構臭いことって言っちゃうんだよね。「俺は日本一のスタントマンになるけん、お前は日本一の映画監督になれよ」みたいな。
嶺:いやあ、恥ずかしい(笑)
峯田:そういうのって臭いんだけど2人だけの関係性のときってみんな、きっと言ってるよね。でも映画とかドラマにしちゃうとダッセー、とかクセーってなっちゃうんだけど。実はみんなが言ってることで身に覚えがあるはずなんだよね。『故郷の詩』はその身に覚えのある感じが良かったんだと思う。臭い台詞を言う映画でも、いまいち頭に入ってこないことも一杯あると思うんだけど、『故郷の詩』はすごく身に覚えがあった。嘘がない台詞の吐き方も含めて。それが良かったのかもしれない。
でも女性に対してはなかなか言いませんよね。
峯田:あ〜言わないかもね。男同士だとテレがあんまりないもんね。彼女とかには照れて言っちゃうことはあるけど…「愛してるよ」とか(笑)。でもそういうのも照れから始まってるじゃん。『故郷の詩』は照れがない、男同士だから。そういうことってみんな経験してると思う。『故郷の詩』なら「俺が日本一のスタントマンになるけん!」だし、俺だったら浅井くんと「こんな曲かけないよね、みんな」なんて言ったことって照れから始まってない。そういうのは皆経験してるはず。ただ表現にしてしまうとダサイから皆、手を出さないだけでね。

「主観と客観」しょっぱすぎない理由

峯田:学生の作品で自分の身の回りにあるものを描く危険性っていっぱいあると思うんですよ。狭いコミュニティーのなかの身内だけで観るようの映画みたいな。でも『故郷の詩』は、まったく熊本とも関係なく世代も違う自分がなんでこんなに面白がれるのかなって考えた時に、しょっぱすぎず、湿っぽすぎず、どこかドライな感じがあるからかなって思うんだよね。

それこそ一番最初の俯瞰で始まる汚い部屋が実はその先に繋がっている。そういう論理的な細工がブレーキになっているんじゃないかな。

青春映画っていうジャンルはあると思うんですけど、「しょっぱいだけ」というものは多いと思うんですよ。でも『故郷の詩』は論理的なものや、数字的な計算が隠されている。それがしょっぱさを上手く中和してて、だから少し甘かったりもする。
嶺監督は、監督と主演二役こなしていますけど撮影は客観的に視られたんですか?
嶺:現場のことはとにかく一生懸命だったからあんまり覚えてなくて。ただ映画の中には自分の経験したことと経験していないことがあって。例えば脚本を書いてる段階では学校を卒業していなかったから、“卒業”という感覚がわからなくて、そこは客観視せざるを得なかった。それだからドライになれたんだと思う。卒業したら泣くのかな、泣かないのかな?って考えてもわからないから、どうしたらかっこよく見えるかって考えて。
峯田:ああぁ、そういうのはあるかもね。劇中で麻雀をやるシーンは主人公が泣いてもいいはずなんだけど、「あー、そうかぁー」みたいな感じで。だからゲラゲラ笑っちゃって。そういうところがしょっぱさを上手く中和してるんだろうね。最後の演出なんて本当ギリギリだよね。あれ、ギリギリよ!(笑)
嶺:そこは1つ決めてるところで“ギリギリだけどやる”というのは作り方として意識している。ダメだったらダメでもいい、って。
峯田さんは音楽を作る上で意識されてることはありますか?
峯田:上手い例えにならないかもしれないんですけど、僕は、自分に何の洋服が似合うのかわからないんですよ。でもひとつだけわかってるのは、僕はこの洋服は似合わないとか僕はこの服を着たくない、ということ。それだけが頼りなんですよね。バンドもそれと近い。やりたい音楽なんてわからない。ただ、これだけはやりたくないということはわかってる。それがあてになって、自分の感性になってる。周りはどうしてるとかっていうことじゃなくて、自分に似合うか似合わないか。そういう考え方の方が俺はストレスたまんないかな。
嶺:なるほど。

監督が出演するから出来ること

嶺監督は『故郷の詩』で、峯田さんは銀杏BOYZのMVで監督と主演をしていますが、自分が監督する作品に出演するというのはどうなんでしょうか?
峯田:自分は絶対出演したくない。でも銀杏BOYZはインディーズだからMVにかける予算も限られている。出演していただきたい役者はたくさんいるんですけど、払えるギャラはあんまりないので。でも本当はモニターをずっと観ていたいですね。
そういう事情は嶺監督にもあったんですか?
嶺:大吉という役は殴られるとかってことが事前に決まってたから、頼んでもみんな嫌だろうしって考えていました。そもそもそんな危険な役をやらせるわけにはいかない。
峯田:殴られるシーンは本当にやってるの?
嶺:そうですね。殴られた時は歯が折れて、「あれ血が止まらないぞ」ってなりました(笑)。
峯田:僕もこの間撮影した『東京終曲』(監督・主演:峯田和伸)っていうMVで相手役の役者さんにボコボコに殴られるシーンがあるんだけど、あれ実は全部本当に殴られているんですよ。あれで僕も歯折れちゃって。そこは共通点だね(笑)。一応血のりも用意してたんですけど、全く必要なくなっちゃって。
自分が監督だから出来ることなのかもしれませんね。
嶺:そう!そうなんです!
峯田:本当そうだよね。監督としては、それでいい絵が撮れればいいんだもんね。
嶺:そうなんです(笑)。歯が折れるなんて、他の役者に頼んでたらただごとじゃないですからね。「スイマセン、スイマセン、スイマセン」って。
峯田:その点、自分だったらね。
嶺:「キズパワーパットで頑張ろう!」 みたいな(笑)。
峯田:本当そう。「バファリン」と「フェイタス」で十分助かってますよ僕は。

青春の風景

峯田:俳優として演出を受けるのはどう?
嶺:なるべく、出演者として気持ちを切り替えるようにしてます。
峯田:出演してみたい監督とかはいる?
嶺:北野武さんから演出を受けたらどうなるのかなっとは思いますね。
北野映画は好きですか?
嶺:好きですね。
峯田:それじゃあ北野映画で一番好きなものをせーので言おうか。
嶺:こわいなー!どれにしようかなぁ。
せーの・・・
峯田:サンタイヨンエックスジュウガツ
嶺:キッズリタ—ン・・・ジュウガツ
皆:(笑)
峯田:俺ね『キッズ・リターン』(監督:北野武/96年)でも熱くなっちゃうんだけど。あの映画は96年に公開されたから撮影は95年じゃん。その時俺は高校3年生で。つまりあの映画に映っている景色は俺が実際に見た街の景色だったり学校の景色なの。だからいくつになってもあの映画を観ると当時の気分だとかクラスメイトの髪型とか思い出せるの。そういう意味でも『キッズ・リターン』は俺にとってすごい特別な映画。安藤政信くんとか金子賢くんの学ラン姿は俺と一緒なの。

「何かもやもやしたものが残る。笑えるところも含めて切ない。余韻がある(峯田)」

峯田さんは『故郷の詩』に「永遠に語り継がれるべき、最高の青春映画」とコメントを送っていますが、どういったところに普遍性を感じたのでしょうか?
峯田:『故郷の詩』は決して主人公がハッピーで終わるわけではないと思うんですよ。『俺たちに明日はない』(監督:アーサー・ペン/67年)とかアメリカンニューシネマのように「むくわれたのかな?」と考えさせられる。ハッピー一色単ではなくて、何かもやもやしたものが残る。笑えるところも含めて切ない。余韻があるっていうことかな。
嶺:ああ、自分もそういう映画好きです。
峯田:『キッズ・リターン』もそうだけど、決してハッピーで終わるわけではない。もやもやして終わる。そういうのって青春映画のひとつの魅力なんだと思う。
ちなみに『故郷の詩』では「遠くにいる好きな娘」と「近くにいる好きといってくれる娘」の2人の女性が現れますよね。そういう状況も経験したことがある人は多いと思うんですよね。
峯田:いやー本当、身に覚えがあるんですよ。
嶺:(笑)
峯田:「私たち付き合ってるんだよね?」と枕元でボソって言われるみたいな。何か自分に嘘をついている感じ。そういうのは自分にとって悲痛なんだけど、なんだか笑えてもくる。
そういう時はどちらの女性をとるんですか?
峯田:目の前にいる抱いてる人をとっちゃうんだよね〜。きっと。
嶺:難しい話ですけどね。それだから『故郷の詩』では2人の女性に挟まれてどうしようもいかない気持ちを大吉は夢に注ぎ込んでいました。

これからの活動の足場

嶺監督がこれから映画を撮っていくうえで“青春”は重要なキーワードになっていくのでしょうか?
嶺:「青春」というカテゴリーは意外と何にでも当てはまりえて、例えばおじいちゃん同士の友情も「青春」と言えるかもしれない。だから“青春映画”を撮ろうという気持ちではいないけど、そうなっていくかもしれませんね。自分の好みでもありますしね。
嶺監督は今後の映画制作において“商業”や“自主”など、どのような足場を選択していこうと考えていますか?
嶺:それは、すごい難しいなー。けど、これからも今やっているメンバーと一緒にやっていきたい気持ちがあります。いつもみんなで考えて作っているので面白い映画になる自信があるんですよね。ただ、生活をしていくという意味ではお金は重要なことだと思っていて、どうやって映画を撮っていこうかといつも考えています。
峯田:早くタランティーノ監督みたいになってほしいよね。どんどんお金をつぎ込んだ映画も撮ってほしい。
嶺:いやあ、ありがとうございます。
音楽活動する上で銀杏BOYZはメジャーという選択はしないんですか?
峯田:僕らは…メジャーは選ばなかったですね。メジャーが悪いという訳ではなくてね。正解が何かわからないですけどね。メジャーという大きな形があるから、僕は立ち向かっていけるんだと思います。
今後はどのように活動を展開していく予定ですか?
峯田:9年もかけてアルバム作るということをしてしまったから、これからは一年に1度アルバムを出すとういう方向で考えています。とことんまで作りきるという方向はもうやったので。
なるほど。ちなみに嶺監督の映画にもし峯田さんが出演してくださることになったらどんな役にしますか?
嶺:いや〜!
峯田:是非出させてくださいよ。
嶺:…先生かな。『僕の好きな先生』っていう映画を作りたいと思っていたので。
峯田:それめっちゃ、大役じゃないですか(笑)。めちゃめちゃな殺人鬼とかやってみたいですけどね。
嶺:あっそれもいい!
峯田:ぜひ、お願いしますよ。
嶺:いやいや、こちらこそ。
嶺豪一監督作品『故郷の詩』
10月18日(土)より、ポレポレ東中野にて公開決定!
◆上映場所
ポレポレ東中野(住所:東京都 中野区 東中野4-4-1/ポレポレ坐ビル地下)
http://www.mmjp.or.jp/pole2/
◆公式Facebookページ
https://www.facebook.com/kokyonouta
◆公式Twitter
https://mobile.twitter.com/kokyo_no_uta
◆上映イベント

□10月18日(土)21:00の回上映後

ゲスト:峯田和伸さん

□10/23(木)21:00の回 上映後

ゲスト:新井浩文さん
取材・文:島村和秀
撮影:川邊崇広
『故郷の詩』
(2012/16:9/カラー/HD/71分)

監督/脚本/主演:嶺豪一

出演:飯田芳、林陽里、岡部桃佳、後藤ひかり、山本圭介、佐藤悠玄、中村裕太郎、広木健太、森岡龍、伊能賢一郎、斎藤芳廣、菱田明裕、酒川雄樹、前田祐樹

撮影:楠雄貴/録音:根本飛鳥、磯龍介、佐藤考太郎/照明:北原督乙/制作:甫木元空、廣田智大、西世哲平/美術:須藤彰/編集:小野寺拓也/CG:田村元幸/音楽:今村左悶/大道具:中村猛、上村昂平/車両:坂口天志/楽曲:SPANGLE/協力:映画蛮族/宣伝協力:ポレポレ東中野

(C)「故郷の詩」上映委員会

【Story】

故郷の熊本に可愛い彼女を残して上京した大吉は、熊本出身の学生のための男子寮『有斐学舎』で映画を撮りながら、心と体を鍛え、スタントマンへの道を歩み始める!はずだった…。だが、東京での学生生活は、酒やナンパに明け暮れ、同じ寮生で映画監督志望の天志にも見放され、気がつけば卒業目前。何ひとつ上手くいかない日々から大きな一歩を踏み出すために、ある日、大吉は一世一代のスタントに打って出る――。まだ何者でもない若者たちの、ほろ苦くて切ない、だけど爆笑してしまう、愛しき日々!
  • 『嶺豪一(みね・ごういち)』
    1989年7月17日生まれ。熊本県出身。多摩美術大学造形表現学部映像演劇学科卒業。卒業制作 作品『故郷の詩』が第30回そつせい祭でグランプリを受賞、第24回東京学生映画祭でグランプリ、観客賞をダブル受賞、その後、第34回ぴあフィルムフェスティバル審査員特別賞と福岡賞を受賞、第31回バンクーバー国際映画祭招待作品部門に前作『よもすがら』と共に上映される。現在は有限会社ブレス、チャベス事業部に所属しており、俳優としても幅広く活動している。趣味は食べ歩き。
  • 『峯田和伸(みねた・かずのぶ)』

    1977年、山形県生まれ。ロックバンド銀杏BOYZの歌手。2003年に突然GOING STEADYを解散させた後、銀杏BOYZを結成。2005年1月にアルバム「君と僕の第三次世界大戦的恋愛革命」と「DOOR」を2枚同時発売。2014年1月に9年ぶりとなるニューアルバム「光のなかに立っていてね」とライブリミックスアルバム「BEACH」を2枚同時リリースした。また役者として『アイデン&ティティ』(03年/田口トモロヲ監督)、『少年メリケンサック』(09年/宮藤官九郎監督)、『USB』(09年/奥秀太郎監督)、『色即ぜねれいしょん』(09年/田口トモロヲ監督)、『ボーイズ・オン・ザ・ラン』(10年/三浦大輔監督)に出演。2014年7月から渋谷PARCO劇場で行われた『母に欲す』(作/演出 三浦大輔)に出演、舞台デビューを果たす。


    ■銀杏BOYZ 公式サイト http://www.hatsukoi.biz/
  • 『定者如文(じょうしゃ・ゆきぶみ)』
    兵庫県神戸市出身。映画少年だった幼少期、バイクに溺れた10代、旅行に彷徨った20代前半を経て26歳で大阪芸術大学映像学科に入学、30歳で卒業・上京し東京藝術大学映像研究科第一期生として過ごし31歳で映像業界へと進む。その後映像業界で数々の現場をこなし東京で過ごした10年のキャリアの集大成として本年度の文化庁新進芸術家海外研修制度を利用してアメリカへと渡る予定。