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Movies-High14 神保慶政監督、飯塚俊光監督、籔下雷太監督インタビュー

左から飯塚俊光監督、神保慶政監督、籔下雷太監督。
ニューシネマワークショップ(NCW)から放たれる色彩豊かな監督たちの作品が一挙に上映されるMovies-High14!今回、期間中の一週間ロードショーされる『僕はもうすぐ十一歳になる。』の神保慶政監督、ついに都内でプレミア上映される『独裁者、古賀。』の飯塚俊光監督、NCWから見出された新たな才能『わたしはアーティスト』の籔下雷太監督、三名の監督にそれぞれの映画作りについて聞いてみた。

『僕はもうすぐ十一歳になる。』神保慶政監督インタビュー

「放射性物質も昆虫も一歩足を止めないと忘れがちな存在」

『僕はもうすぐ十一歳になる。』を作られた経緯について教えて下さい。
神保:この作品は大阪のCO2(シネアスト・オーガニゼーション大阪)という枠組みの中で作られました。企画が通ったら60万円大阪市から出て、それを元に大阪アジアン映画祭という場が与えられて公開されるんです。それに通ったのが、まず大きな経緯の一つです。
話を思い付いたのは、内容とはあまり関係ないようなんですが、3・11の震災の後で原発問題が色々あって、そういうのについて調べてたんです。主に放射能漏れとか海洋汚染などについて自然と興味が出て調べてました。で、放射性物質って凄いミクロな世界じゃないですか。そういう専門の本を読んでたら、今度は分子生物学って言って、細胞とかそういう本を読み始めて、それでたまたまその著者の人が昆虫好きで、こういう世界もあるんだって事で昆虫の世界を知って、これはなかなか面白いなと思ったんです。
放射性物質も昆虫も一歩足を止めないと忘れがちな存在じゃないですか。放射能は目に見えない。で、昆虫はいっぱいいるけど地面見たり意識しないとなかなか見れない。大元は全然関係無いようですけど、3・11による影響がありました。
それで脚本を書かれてCO2に通ったんですね。
神保:そうですね。もともと伊参で脚本のコンペがあって書いてて、夏の話だったんですよ。そっちは駄目だったんですけど。で、CO2の撮影は冬なんですよ。冬で何か違う話を書こうと思ったけど、思い付かなくて。でも昆虫って冬もいるよなと思って、変えたら通ったんです。まったくの偶然だったんですけど、でも冬に昆虫採集してるっていう事で、よりマニアックさが出て、そこは良い具合に働きましたね。
主人公の翔吾が昆虫好きという設定ですが、監督自身は昔から昆虫については興味お持ちだったんでしょうか?
神保:全然詳しくなくて、嫌いじゃないんですけど、取り立てて図鑑を開くとかはしてなかったです。いざ蝉の死骸とか触れとか言われたら恐る恐るって感じだったんです。この話書いてからは抵抗は無くなったんですけども。
作品内で輪廻転生の世界観が強く提示されていますが、こちらについてのきっかけを教えて下さい。
神保:一つは、僕が旅行会社で添乗員をやっていて、インド、ブータン、チベットとか、輪廻転生を信じている人達の所に行ってたんです。でも僕は輪廻転生を信じては無いんですよ。意識が生まれ変わって、また戻るって事はないと思ってるんです。でも、作品の中で遺灰を撒いて川に流れていくと他の一部になるって事をお父さんが言ってるんですが、そういう意味では信じてはいるんですよ。なので、一般的な輪廻転生っていうのは無いなっていうドライな目線でブータンとかの人を眺めてました。
ただ、信じていないから信じている人たちを見下すという意味ではなく、その人達はこういう拠り所を持って生きているんだなっていうのを感じたんです。そういう僕が経験した事から昆虫に辿り着いて、結果的に輪廻転生の死生観が強く提示されてたって事だと思うんです。

「狭い所から普遍性を持たせていく」

全ての役者が映画の独特な世界観を絶妙なバランスで演じられてますが、演出で気を付けていた事など教えて下さい。
神保:脚本は標準語で書いてるんです。前の作品でも内容が同じだったら言葉の順番とかチョイスとか変えてみても良いよって、役者の人に自分の考えてもらったように試してもらって、いい感じだったらそのままで違う感じだったら僕がちゃんと言うからって事でやってたんですけど。
今回は標準語で書いて、それをまず関西弁で話してもらうっていうのをやりました。子役二人に関しては、多少ムラが出るのは覚悟の上で、あまり指示しないで出て来た芝居を少し軌道修正したりしました。こう思ってるからこうやってくれみたいな事はあまり言わずにやってもらってました。
家族の雰囲気がとてもリアルだったんですが、事前に何かされたんですか?
神保:それはオーディションで悩みましたね。写真並べてみて、家族に見えるかどうかとか。あと、あんまり時間が無いプロジェクトだったんですけど、冬眠してる虫をみんなで観に行ったり、なるべく会う機会を増やしました。
美術が非常に細かく行き届いていて感心したのですが、部屋の美術とかはどういった方針だったんですか?
神保:美術はリム・カーワイ監督の『恋するミナミ』の現場で知り合った塩川節子さんにやって頂きました。駄目もとで頼んだらオッケーしてくれたんです。僕は今回一方的に教えを受けた感じなんですけども(笑)。リム監督作品の時も、まず美術の設計のデッサンがあるんですよね。本当にそれ通りになっていくんで凄いなと思ったんですよ。
そのスケッチを書くにあたって、脚本に無い質問を色々されるんですよ。例えば、朝はご飯派、パン派とか、ベジタリアンになったからこのメニューは出ないねとか。席はどういう順番かとかも。そういう質問が来るんだと思ったんです。そのお陰で脚本が深まっていきました。昆虫標本に関しては、昆虫館の館長さんとか昆虫ショップの方にご協力頂いたりして、昆虫道具をどう配置するとかは塩川さんが本を読んで調べてくれてました。
昆虫標本ってすごい物は本当にすごいので博物館内に飾っておくのかと思いきや、日が照っていると状態が悪化しちゃったりするんであんまり出さないらしいんですね。特別な物だけ出して、他は全部引き出しに入ってるみたいなんです。実際撮影では映ってない所まで全部入っています。そういうものが、昆虫部屋で自由に演技出来る空間を生んだのかなって思いますね。

もう一人、やはりリム監督の現場で出会った大枝紗弓さんにもとても助けられました。塩川さんと何度か仕事をされていて、やはり大枝さんの色々な質問からも学ぶ点がありました。女性なのに昆虫に対して全く抵抗がなく、撮影で使った昆虫の捕獲・管理・撮影後の飼育までやって頂いて、出演したクワガタが最近亡くなって嘆いていました。お二人との出会いは本当に作品にとって大きいです。

他のスタッフはどういった方がやられてたんですか?
神保:撮照と助監督はニューシネマワークショップの同期と先輩で、リム監督の現場で知り合った人が二人位と、他はプロデューサーの城内政芳さんが上手い具合に呼んでくださった感じですね。
今回の作品で達成出来た事と今後挑戦してみたい事を教えて下さい。
神保:達成出来た事は、このタイトルになる前は「うずまき」っていうタイトルだったんですよね。最終的に変えたんですけど。小さい話だけど、普遍性があるみたいな。沈んでいく渦巻きじゃなくて、中心があってそこから広がっていくみたいなイメージで付けてたんです。海外の人にも観てもらいたいと思ったんで。
そういう狭い所から普遍性を持たせていくっていう事は出来たんじゃないかと思います。今後は、色んな演出方法を試してみたいなと思っているんです。今度も家族について、結婚について、主人公が自分の親に結婚報告をする話を描こうと思っています。
例えばそのカップルの親も含めて全員で劇中の役柄のままで熱海かどこか一泊旅行に行って来てくれませんかとか。そこで僕はついていかないで誰かにビデオカメラや写真を要所要所で撮ってきてもらって、どういう雰囲気なのかみたいな、ちょっとそういう実験をしてみたいなと思ってます。まあ、やった場合とやらなかった場合の差がわからないのが欠点ですが。演技とは何かについてもっと追求してみたいですね。
これから作品を観られる方にメッセージをお願いします。
神保:死生観っていう事で、ちょっと難しいと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、実際にはそんなに難しくなくシンプルな親しみのある内容になってるかと思いますので、気軽に観に来てほしいですね。
■公式サイト

http://www.y-jimbo.com

■上映日時

7/19(土)〜7/25(金) 連日13時〜

■料金

当日 1500円

『独裁者、古賀。』飯塚俊光監督インタビュー

「いじめっ子のイメージが主人公よりも先にあった」

『独裁者、古賀。』を作られた経緯について教えて下さい。
飯塚:前作は『行けよ、千葉。』っていう作品を作ったんですけど、それも学園もののストーリーだったんですね。それが今まで撮った中では一番良いと言ってくれる方もいたんで、自分にこの形は合ってるのかなって思ったんです。で、前作をインプットにして、より色んな部分を拡張していく作品にしたいなっていうのが始まりです。
主人公が成長する所を一番分かりやすく描きたいなって思っていて、いじめっていうテーマからそこに向かっていくっていう方が一番分かりやすいだろうという所でいじめっていうものをテーマにして話を書いていったっていう感じです。
『行けよ、千葉。』と『独裁者、古賀。』はストーリー的に繋がっている部分はあるんですか?
飯塚:構造は似てるんです。『行けよ、千葉。』に関しては、モテない男が好きな人に告白するために修行する話なんですね。そのモテない感をいまいち表現し切れなかった部分が反省点だったんで、今作はスタートアップの部分をもっと分かりやすくしようと思ったんです。
ただ、扱うテーマが今回はいじめなんで不容易に扱ってしまうと、それで本当に苦しんでいる人もいらっしゃると思うので、僕はいじめの事を語れるだけの人間性は無いですよっていう部分がどこかあるので、あくまでもいじめっていうのを障害のメタファーにして、そこに恋愛の要素だったり、黒柳っていうちょっと変わった人間が出て来て、なるべくいじめっていう重いテーマから引き離そうとして、どんどん構造をビルドアップしていきました。
『独裁者、古賀。』を作られる際に影響受けた出来事はありましたか?
飯塚:一回体の調子を悪くして、人と会えない時期があったんですね。その時に人と会えない事がこんなにも辛い事かっていうのを痛感したので、作品の中の副島っていう引きこもる登場人物がいるんですけど、あそこは自分の辛かった事から影響されているんじゃないかと思います。
インパクトの強いタイトルですが、これについては何かきっかけはあったんですか?
飯塚:いじめっ子のイメージが主人公よりも先にあったんですね。色んな理屈を持っていて、いじめをやっているんだけど正論を言う様な登場人物っていうのはもの凄く自分の中でイメージがあって、その時には独裁者っていう屁理屈をこねるっていうシーンはあったんです。
ちょうどその時期、橋本徹市長がやたら独裁者ってニュースで取り上げられていて、こういう言葉ってみんなの興味を引かせるんだなっていうのがあったんです。じゃあ『独裁者』でいこうかなと思ったんですよ。ただ『独裁者』にするとチャップリンの『独裁者』と同じになるんで、それはちょっとどうかと思ったんで、『独裁者、古賀。』にしました。

「王道の中に隠されている伏線」

いじめっ子二人(男女)の関係は不思議ですよね?この二人も別でいじめられてないかなってちょっと思ったんです。
飯塚:そうそう。本当にそういう感じにしたくて。そこまで大きな予算かけて長くは描けないんで、作品の中でいじめっ子の背景まではなかなか描く事が出来ないんですが、でも本当は僕としてはそこまで描きたかったんですよ。役者さんとも話したんですけど、何でこの二人組がこうなったかっていう裏設定を現場に入る前にみんなで話したんですよ。
みんなでディスカッションを進める中で、この二人も暴力で締め付けられてしまったっていう出来事が過去にあったとして、それを経て現在があるっていう形にしたんですよ。だから、どこかトラウマとして彼らもまさにいじめられていたんじゃないかと。
それは別に学校の中に限らず、道を歩いててめちゃくちゃ怖いやつにからまれて、もう一人の本田っていう男が何も出来なかったっていうようなトラウマを抱えていたりすると、そこに対してもの凄い防衛本能を発するんじゃないかっていう所を話して作っていった結果、ああいう感じになったんです。
黒柳役で出られている俳優の芹澤興人さんがとても色っぽかったんです。どういう演出をされたんですか?
飯塚:男を色っぽく撮る事に関しては、凄く自信があるんですよ(笑)。芹澤さんは今泉力哉監督の作品などに出られてて、非常に顔も印象的な方なので知っている役者さんでした。黒柳役のオーディションをやったんですが、その中で一番芹澤さんが黒柳のイメージに近かったのでお願いしました。
ある日芹澤さんの腕を見た時に、結構いい筋肉をしてたんで、タンクトップにしたらいいなと思って衣装はタンクトップにしました。それから、あんまり主張し過ぎない程度にイアリングしてるとか、入れ墨が入ってたりとか、色々作っていったんです。
「踊れてたんじゃないの?」とかっていう台詞も芹澤さんが話すと違和感ないですね。
飯塚:本人は言いにくいとは言ってましたけどね(笑)。芝居に関しては、多分黒柳役ってこういう台詞を言ってっていうような作られた感じにしてしまうと駄目だと思ったんです。決め台詞は絶対に言って下さいとは言いましたけど、一語一句正しく言う事は求めなかったので、もう自由にやって下さいって感じでした。結構、台本と違う事言ってますからね(笑)。
登校拒否をしてしまう女子高生の副島役もとても良かったです。この役はオーディションで選ばれたんですか?
飯塚:はい。役者さんって色んなタイプがいると思うんですけど、自分の意見で攻めていくような人とかもいるんですけど、村上さんの芝居を見た時にひたすら相手の芝居を受ける感じが伝わったので、何かにぐっと堪える感じに共通するなと思って選んだんですよね。現場での演出に関しては、相手役を演出すればこの人は良くなると思ったんです。極力相手役を演出してるのを聞こえるようにして、直接本人にはあまり言わないやり方でしたね。
今作で達成出来た事と今後挑戦してみたい事があれば教えて下さい。
飯塚:自分の色が出せたなと思ってるんですよね。僕っぽさっていうのは今までやってきた中で一番出す事が出来たんじゃないかと思うんです。独特の言い回しとか。弱者が何かに向かっていく感じとか。エンタメの部分も。今までエンタメ要素は少なかったので、今回は出せたんじゃないかと思います。
今後挑戦していきたい部分では、まだガンガン商業映画を撮れる監督ではないので、そこを目指してやっているんで、いかに飯塚色をもっと拡げて濃く出来るかなんで、そういう作品をやってみたいです。
これから作品を観られる方にメッセージをお願いします。
飯塚:一見、王道の話ではあると思うんですよ。僕の中ではある程度王道の話をバーっと書いていった後にちょっとずつ色んな所をずらしていったんですよ。一回観たら王道の話って所で終わってしまうかもしれませんが、割と繰り返し観れる作品だと僕は思っているんです。その時に王道の中に隠されている伏線みたいなのが随所に詰まっているので、一回観て楽しんで頂けるのも大変嬉しいんですが、これからもっと上映の機会を増やしていきますので何回か観て頂けたら嬉しいです。
■上映日時

7/25(金) 19時〜

■料金

当日 1300 円

『わたしはアーティスト』(ニューシネマワークショップ実習作品)、

『告白までたどりつけない』籔下雷太監督インタビュー

「孤独って言ってるけど何か楽しそう」

『わたしはアーティスト』(ニューシネマワークショップ実習作品)が作られた経緯について教えて下さい。
籔下:ニューシネマワークショップ(NCW)には映画クリエイターコースというのがありまして、ベーシックで基本を学んで、その後アドバンスがあるんです。ベーシックでは10分の映画を皆がそれぞれ撮って、アドバンスではシナリオ選考で、今年は大谷健太郎監督が脚本のアドバイスに入って頂いて、あと学校の講師の皆さんに指導を受けて、その中でシナリオ選考で選ばれた三作品が予算を貰って撮れるんです。その一本として『わたしはアーティスト』を作りました。
脚本については、NCWの方針として自分に近い事をまず書いてみるって事がありまして、特にベーシックはそういう形で、アドバンスもその延長線でという形が割と多いんです。僕も何書こうかなって思った時に自分に近いというかアーティストを目指してる人をテーマに書ければなと思って脚本を書きました。
書き始めるきっかけになる様な事って何かあったんですか?
籔下:何書いていいか分からなくなって、僕は写真を仕事としてやっているんで、ヒントあるかなと思って若手の人のコンペティションの写真展に行ったんです。女子高生が写真を撮っていて、孤独とか抑圧といったテーマだったんです。放課後の学校で自分一人かセルフタイマーか友達に撮ってもらってるのかは分からないんですけど、写真は自作自演のような形で学校の物を使って撮られてたんです。
で、写真のプロフィール見たら写真部部長って書いてあってコンペも通ってて、孤独って言ってるけど何か楽しそうだなって(笑)。どこか矛盾があるようにも感じて。その子が恋をしたらどうなるんだろうと思って、キャラクターを膨らまして書いていった感じですかね。
今回、二作品とも主人公が女子高生ですね。
籔下:学生の間は学園ものをやりたいなというのがあって、夏に『告白までたどりつけない』を作って、次はどうしようかなと迷ったんですけど、同じテーマは何回かやると深まるかなと思ったっていうのがあります。
女子高生を描く上でリサーチした事などありますか?
籔下:リサーチは特にしてないんですけど、チーム編成で女性のスタッフが結構入ってくれたので、脚本を読む段階でこの部分は大丈夫かとかは聞きましたね。あとは、高校生って限定しないで、あの人が言ったあの言葉が面白かったな、みたいな自分が聞いた事ある言葉を入れ込んでいきました。

「イタいのがかわいい」

二作品とも言葉にならない時に女子が男子に暴力を振るってしまう瞬間がユニークですが、現場ではどのように演出されていましたか?
籔下:共通してるっていうのは言われて気付いたんですけど、あまり意識はしてないです。『わたしはアーティスト』のアイアンクローはリハでそういう流れになったんですかね。教室でカメラ構えて自作自演してるのを男子に見つかって、アイアンクローして教室から逃げた後、カメラを取りに戻ってくるんですが、脚本では教室を逃げ出して終わりだったんです。そこも何か欲しいなと思って変えました。あのシーンはリハーサルで作った感じはありますね。
『わたしはアーティスト』で特にこだわったシーンはありますか?
籔下:男女の関係がうまい事いく過程って退屈になると何となく思っていたので、そこは時間帯とかロケ地とかにこだわって撮りましたね。最初の方の土手で二人が歩いて帰る所は夕焼け待ちで撮って、でもこだわってたら日が暮れてきちゃって、でも結果的にはマジックアワーで撮れて良い雰囲気になってくれたとは思っています。あとは、部屋の美術はキャラクターに合わせたサブカル感が出て良かったんじゃないかと思います。
告白のシーンではリハもいっぱいやって、撮り方もきっちり決めたんですけど、自分が決めたカット割りじゃないものの方が結果的には良かったりしました。頭の中でイマジナリーライン超えてとか技巧的に映像演出頑張ろうと思ってやってたんですけど、編集見たらそういう風にこだわって無いけど表情が良いものを選んでいった方が魅力的に伝わるんだなっていうのは勉強になりました。
影響受けた映画は何かありますか?
籔下:今回作るにあたって『ゴーストワールド』を観返しましたね。かわいいけどイタいっていうキャラクターはよくある様な気がしてて。でも『ゴーストワールド』はイタいのがかわいいみたいな、あの感じは自分の作品にも出したいなと思って参考にした所はありますね。
今回達成出来た事と今後挑戦してみたい事を教えて下さい。
籔下:日常を描いたものをずっとやりたくて、ホン・サンスの映画なんかも好きなので、今までは日常の普通の会話を中心にやっていたんですけど、それだけじゃ面白くないと思って、今回ファンタジーっぽいものに挑戦して、それがちょっと出来た事は収穫かなとは思いますね。今後はフィクション性やマンガ演出みたいなものも、日常の中に徐々に入れつつやっていきたいなと思います。
それと今までは割と客観的で引いた目線でやってたんですが、次はボケ続けるじゃないですけど、突っ込みたくなるような引いた目線はやめようかと思っています。間違ってずっと暴走していく人でもいいんですけど、とにかく突っ込まない映画を作ってみたいです。
これから作品を観られる方にメッセージをお願いします。
籔下:二作品とも主人公はじめ登場人物は全力で空回りするんですけど、そういう姿を愛おしいと思って頂けたらなと思って作りました。この作品を観て、自分も空回ってもいいかなって感じになってくれたら嬉しいです。僕もこれからもっと空回っていきたいなと思っています(笑)。
■上映日時

『わたしはアーティスト』7/20(日)17時〜、7/25(金)17時〜

※【アドバンス】②内での上映

『告白までたどりつけない』7/20(日)15時〜、7/22(火)17時〜

※【ベーシック】②内での上映
■料金

当日 1300円

■Movies-High14 公式サイト

http://www.ncws.co.jp/support/mh14.html

取材協力: ニューシネマワークショップ(NCW)
聞き手: 川邊崇広
写真・構成: 川邊崇広
『僕はもうすぐ十一歳になる。』
スタッフ

監督・脚本・編集:神保慶政

プロデューサー:城内政芳

撮影:仁宮裕/照明:奥山竜輝/録音・整音:宮井昇

美術:塩川節子、大枝紗弓/助監督:向悠一、寺本拓史

音楽:moshimoss、飯田泰幸/制作:岡田真樹、坂井拓人

キャスト

濱田響己(中村翔吾役)/紫英 (川上花音役)

河村宏正(中村徹役)/市川愛里(中村香織役)/鳥居敏明(中村正役)/平本たかゆき(川上裕二役)/真弓(川上陽子役)

助成:シネアスト・オーガニゼーション・大阪(CO2)

配給:ニューシネマワークショップ

2014 年 / 75 分

(C)y-Jimbo. All Rights Reserved
『独裁者、古賀。』
監督・脚本 飯塚俊光

キャスト

清水尚弥、村上穂乃佳、芹澤興人、臼井千晶、輿祐樹、松木大輔、大出勉、杉崎佳穗、、坂場元、竹本実加、細川岳、菅井知美、町田佳代、福井成明、関根航、ほりかわひろき、山口遥、須田浩章、長岡明美

製作 伊参スタジオ映画祭実行委員会

制作協力 ニューシネマワークショップ

作品時間 79 分

『わたしはアーティスト』
監督・脚本:籔下雷太

【スタッフ】八重樫亮介/岡田直哉/赤坂将史/古坂圭佑/村澤綾香/菊竹洋平/今野雅夫/中川奈月/小原誠/安川恵理/赤穂良晃

【キャスト】尾崎紅/高根沢光/尾崎藍/長岡明美/安川恵理/小徳彩香/宮本彩佳

[29分/2014]

『告白までたどりつけない』
監督・脚本:籔下雷太

【スタッフ】古坂圭佑/安川恵理/本多聡之/蓬莱絵葉/水野峻/佐野芳知

【キャスト】松竹史桜/圓谷健太/伊藤了太/新山志保/前田多美

[15分/2014]

  • 『神保慶政(じんぼ・よしまさ)』
    1986年生まれ。東京都出身。大学入学後、世界の映画・音楽に興味を持ち、特にヌーヴェル・ヴァーグ期の映画やイラン映画、ジプシー音楽等の民族音楽に衝撃を受ける。 在学中にイギリスに留学。卒業後、旅行会社に就職し海外と日本を往復する生活を送り、2011年に映画監督を目指し退職。ニューシネマワークショップ(NCW)で映画製作を学ぶ。 在学中に監督した短編『名人でした』は新宿K’s cinemaで上映された。本作が初の長編作品となる。
  • 『飯塚俊光(いいづか・としみつ)』
    1981年生まれ。神奈川県出身。2007 年よりニューシネマワークショップ(NCW)に通い映画制作を学ぶ。2008 年、NCW 在学中に制作した作品「SEMICONDUCTOR」が西東京市民映画祭で入選。次いで制作した作品「行けよ、千葉。」はTAMA NEW WAVE、成城大学映画祭など様々な映画祭で入選また上映される。今作で伊参スタジオ映画祭シナリオ大賞2012中編の部大賞受賞、高崎映画祭2013 招待、福岡インディペンデント映画祭2014 準グランプリ、PFF(ぴあフィルムフェスティバル)入選を既に果たしている。現在も精力的に映像制作活動している。
  • 『籔下雷太(やぶした・らいた)』
    1984年生まれ。京都府出身。フリーカメラマン(写真)として雑誌等で活動する傍ら、友人の自主映画の手伝いをきっかけに映像制作をはじめる。2014年ニューシネマワークショップ実習作品として「わたしはアーティスト」を制作。