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押井守監督作品『東京無国籍少女』公開記念 清野菜名(本作主演)インタビュー

2015年7月25日(土)より新宿バルト9ほか全国ロードショー

清野菜名の初主演となる映画『東京無国籍少女』(15/監督:押井守)が、7月25日(土)より全国公開となる。若手実力派として特にアクションに定評のある清野は園子温監督作品『TOKYO TRIBE』(14)でヒロインに抜擢され注目を集め、本作では主演を飾るなど、今後益々の活躍が期待されている。そこで、今回LOAD SHOWでは、押井守監督最新作品『東京無国籍少女』の公開を記念して、主演の清野菜名にインタビューを企画。心に傷を負った天才アーティストという難役に挑む彼女から、本作の見所であるアクションシーンや演技にかける熱い想いを伺った。

「納得するまで、押井監督から徹底的に話を聞きました」(清野)

本作『東京無国籍少女』は映画初主演ということですが、普段と違う心構えはありましたか?
清野菜名(以下、清野):特にありませんでした(笑)。ただ、アクションシーンのクオリティーは妥協したくないと思い、撮影に臨みました。
アクションのシーンではあまりの完成度に目が釘付けでした。どのくらい稽古されたんでしょうか?
清野:3日間のリハーサルの内、殺陣をつけられたのは最終日の1日だけだったんですよ。だから何度も頭の中でシュミレーションして体が勝手に動くようになるまで、休憩なしでひたすら練習しました。ちなみに監督からは「殺す勢いでやってほしい」と注文を受けていたんですよ(笑)。
最初に渡された台本がとても薄く、シンプルな内容だったという話を耳にしました。清野さんはどのようにして役に対するイメージを広げたんですか?
清野:事前に渡されていた物語に関する資料がとても少なかったので、全体の構成を把握するのも大変で事前の役作りはほとんどできませんでした。そのため現場では、押井監督から徹底的にシーンの説明をして頂いていました。
台本からでは清野さんが演じる「藍」という人物の背景やキャラクターを読み取るのが難しかったということですか?
清野:求められている役の雰囲気はわかるのですが、台詞もあまりない役なので具体的にはイメージができませんでしたね。また、藍という役の微妙な心の変化が重要となってくるので、監督からは「しつこい」と言われるほど説明を聞いていました(笑)。
藍という役は現実にアイデンティティーを見出せない、漠然とした喪失感を匂わせる役でしたが、それは清野さん自身にもあてはまる部分もありますか?
清野:「強いんだけどちょっと切ない役」と監督から言われたとき、そこは自分と繋がる部分があると思いました。

「不安になるぐらいまで追い込むと自分の可能性を知ることができる」(清野)

『東京無国籍少女』は物語の前半と後半でガラっとテイストが変わりますよね。気持ちの切り替えはできましたか?
清野:やはり、血がつくとそれだけで気持ちが変わるので、切り替えはそんなに難しくなかったです。
他の出演作に関してはどのようにモチベーションを作っているのでしょうか?
清野:形から入ることが多いですね。役に合わせた髪型にしたりネイルを映画に合わせて変えたり。それと、自分に対してのプレッシャーを強めてモチベーションを上げていますね。台本もずっと読んでないと気が済まないんですよ。だから寝ようと思っても台詞がずっと頭の中を巡っていて(笑)。

でも、不安になるぐらいまで追い込むと自分の可能性を知ることもできるし、いろいろなことに気を使えるようになれるので…追い込まれるのは嫌いではないですね。メンタル的にはキツイですけど、それくらいしないとちゃんと仕事をしている気がしないんですよ。
それでは作品ごとに役を抜くのも難しいんじゃないですか?
清野:撮影が終わるまではひたすら自分を追い込むんですが、クランクアップするとパーって忘れちゃうんですよ(笑)。

妥協を許さないアクションシーン。衝撃のラスト15分とは?

清野さんは様々な映画に出演されていますが、ご自身ではどんな役所が多いと思っていますか?
清野:二面性のある役が多いのかと思います。だから、いつも感情の切り替えが難しいのですが、一緒に仕事をしてきた監督にいつも引き出していただいています。
押井監督にはどのような印象を持たれましたか?
清野:いつもニコニコしている印象がありますね。だから監督の顔を見ると気持ちが楽しくなるんですよ。毎日泊まりがけの撮影でスタッフの方も体力的にきつかったと思いますが、監督の存在感が大きかったからピリピリした空気にはならなかったですね。特に印象的だったのは、押井監督は銃の種類や銃撃のリアリティーについてとても詳しいようで、すごく楽しそうに教えてくれたことですね(笑)。
押井監督は清野さんに対して「時折放つ冴えた殺気が印象的でした」と語っていますが、その点に関してご自身ではどのように思われますか?
清野:そんなことを言ってるんですか?初めて聞きました(笑)。私は監督の言われたようにしただけです!ただ、途中ナイフアクションのシーンがあるのですが、そのシーンは演じていて殺気が出ているように感じました。

そのシーンは失敗が続き、最終的に一度、監督からはOKが出たのですが、私はこの映画のアクションシーンにかけていたものがあったのでもう一度チャレンジさせてもらったんです。その時は役が憑依した感じがして、自分でも初めての不思議な体験でした。劇場で見る際は、是非注目していただければと思います。
清野さんが全力で取り組んだアクションシーンも含め、公開楽しみにしております。本日はありがとうございました。

清野菜名主演『東京無国籍少女』 2015年7月25日(土)より新宿バルト9ほか全国ロードショー

■映画公式サイト
http://mukokuseki-movie.com/
■映画公式Twitter
https://twitter.com/mukokusekimovie
取材・文:島村和秀
『東京無国籍少女』

【Story】

とある女子美術高等専門学校。日々、創作活動に取り組む生徒たち。その中に、かつて天才と持て囃された藍が居た。彼女は事故で怪我を負った影響で心に傷を抱えてしまい、今では眠ることも出来ず、授業もドロップアウトしてただ一人、謎のオブジェを作り続けていた。そんな藍を広告塔として利用するため全てを黙認し、決して学園の外に出そうとしない教頭。特別扱いされる藍を苦々しく思う担任教師と、嫉妬を募らせる同級生たち。降りかかる執拗なイジメと嫌がらせの中、唯一、彼女の身を案じる保険医にも心を開かない藍。やがて、心休まらない憂鬱な日々は、藍の中で目覚めた「なにか」によって崩れ始める…。群発する地震。響く大量の鳥の羽音。学園内に流れ続けるクラシック音楽。そして繰り返される謎の声…。「お前はなぜ、ここにいる?」

監督:押井守

出演:清野菜名、金子ノブアキ、田中日奈子、吉永アユリ、花影香音、りりィ、本田博太郎

配給:東映ビデオ

上映時間:85分

クレジット:(C)2015東映ビデオ

  • 『清野菜名(せいの・なな)』
    2007年、雑誌「ピチレモン」の専属モデルとしてデビュー。園子温監督作品『TOKYO TRIBE』(14)でヒロインに抜擢され注目を集める。主な出演作に、ドラマ『素敵な選TAXI』(14)、ドラマ『ウロボロス〜この愛こそ、正義。』(15)など。Back number☓行定勲監督 短編映画『世田谷ラブストーリー』では、新たな魅力的な一面を披露。益々の期待が集まっている。