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日台合作映画『南風(なんぷう)』出演者 テレサ・チーさん、コウ・ガさんインタビュー

現在公開中の『南風(なんぷう)』に出演されているテレサ・チーさん、コウ・ガさんに日台合作特有の撮影現場の雰囲気などについてお聞き出来た。役者としても普段の姿も魅力的なお二人は台湾、日本に留まらず今後ますます注目されていくはずだ。
『南風(なんぷう)』は台湾と日本との合作ですけども、今まで出演された現場とはどのような違いがありましたか?
コウ・ガ:やはり合作の現場ではスタッフがどういう風に仕事を進めるかっていう所がですね、日本人と台湾人の性格の違いからでしょうか、いくつか違う所がありました。例えば日本人のスタッフの皆さんって本当に真面目でですね、計画をきちんと立てて進めていくんです。
台湾はですね、今日これを撮ろうと思ったらとにかく計画に無くてもスピーディーに撮るところがあります。色々と制作のスタイルは違うんですが、僕はそういったそれぞれの国の良い所を学んでいきたいなと思いました。日本人の皆さんの真面目な所はとても素敵だと思っています。
共演した黒川芽以さんとは現場でどのようなコミュニケーションを交わされていましたか?
テレサ・チー:最初の頃は撮影の都合で色んな所にどんどん移動して行くんです。その間に、コウ・ガさんとは結構お喋りをしてました。黒川さんは映画の中の役柄の藍子と同じ様な感じで、そこにちょっと入って来れない様な所があったと思います。でも段々と一緒にいると慣れてきて、最初は簡単な英語で会話を交わしたりして、その内冗談を言い合うようにもなりました。
だから私たちと黒川さんとの関係は、ちょうど映画の中のトントンとユウと藍子みたいな関係で、段々と三人とも友達になっていく感じがありました。撮影中の雰囲気がそのまま映画の中にうまく反映されていったんだと思います。
コウ・ガ:初めて共演したのでやはり最初は本当に慣れないような雰囲気だったんですけど、時間が経つと日本語や英語や筆談も入れて段々と話すようになっていきました。映画の中の藍子と同じように黒川さんは明るくて凄く素敵な方ですし、映画に対してとても情熱があって演技にもすごく熱心な方なんです。
それと台湾での撮影というのは彼女にとってアウェイで大変だったと思うんです。プレッシャーも色々あったと思うんですけど、撮影が終わるまでとても頑張ってくれました。
テレサ・チー:今回私たちは逆に黒川さんの故郷の日本に来てる訳ですよね。でも私たち日本語があまり出来ないので、黒川さんが一生懸命私たちに教えてくれるんです。「これは日本語でこういう風に言うのよ」とか、すごく親切に教えてくれるんです。だから私は映画の中と同じように黒川さんの妹みたいな役柄の雰囲気で、色んな事を重ねるうちに新しい友達になれたかなっていう気がして嬉しいです。
萩生田宏治監督は『帰郷』や『神童』、『コドモのコドモ』など繊細で瑞々しい人物描写や風景描写に定評がありますが、現場での監督の演出はどのようでしたか?
テレサ・チー:監督はとても優しいし、すごく面白い人だなって思いました。どうしても最初は通訳を通じてコミュニケーションを取らなければいけないので、監督は一生懸命中国語を勉強してくれて、段々と私たちと仲間のようになっていって、楽しくさせてくれました。私はすごく緊張した時もあったんですけど、監督はそれがすぐ分かるみたいで、緊張しなくていいからねって言ってくれたんです。
台湾と日本の合作というと慣れないところがいっぱいあったんですけど、監督がそういう風に気を遣ってくれて、うまく演じれるようにリラックスさせてくれたので監督にはとても感謝しています。面白かった事があって、酔っぱらって踊るシーンがあるんですけど、どんな踊りにしたらいいか監督に相談したんです。そしたら監督が色々踊ってみせてくれたりして、とても楽しかった記憶があります。
コウ・ガ:監督とは撮影前にキャラクターについて色々相談させて頂いたんですけど、監督はあまり役を作り過ぎないで、リアルな感じで演じてほしいっていう風に言ってくれたんです。監督は僕ら役者をかなり自由にさせてくれてました。一つ印象的な事として、トントンがユウに告白するシーンがあるんですが、そこで「ごめんね」って言うんですが、ごめんねって言葉をそういうシチュエーションで言うかどうかは日本と台湾では違うんですよ。
台湾だったらそういう事言わないんです。ごめんねっていう言葉で相手の愛を拒絶する事は台湾ではしないんです。それについて監督と意見がぶつかったんですけど、監督はすごく一生懸命説明してくれたので監督の言う意味がよく分かったんです。それに僕の理解も監督はきちんと捉えてくれて、お互いの気持ちを大事にしてくれました。
今作の題材であるサイクリングは実際にやってみてどうでしたか?
コウ・ガ:僕はもともとサイクリングが好きなんです。サイクリングの所に関しては、割とリラックスして自然に演じる事が出来ました。今回の映画で大変だったのは、愛媛県のしまなみ海道でサイクリングフェスタのシーンがあって、大きな橋を渡って海峡横断する時にプロのライダーの方達と一緒に走るんですけど、台湾ではあんなに長い橋を渡る事は無いので結構大変でした。でも、この映画に出たから経験出来た事なので良かったと思います。
テレサ・チー:サイクリングで台湾を周る経験っていうのは今回初めてだったんですけど、台北から日月潭(にちげつたん)までサイクリングしていく訳ですけど、この映画に出れたからそういった台湾のサイクリングロードを走る事が出来て、とても良かったなと思います。はじめて自分の住んでいる国がこんなに綺麗な所なんだっていう事を感じる事が出来て、とても幸せでした。
トントンがユウを湖に落とすシーンで驚きつつも笑ってしまいました。お二人は以前にも別のドラマで共演されていて気心は知れているかと思うんですが、『南風』の現場ではお互い演技について事前に話合ったりはされたんでしょうか?
テレサ・チー:彼の事はよく知っていましたので、あのシーンを演じる前にどういう風にするかしっかりと相談したりはしませんでした。突き落としても彼は絶対怒らないって私は分かっていたので、「じゃあ、いくよー」って感じで楽しく臨みました(笑)。
コウ・ガ:あそこのシーンっていうのは、落とされるユウの方は落とされる事を知らないので、そういう風に演じないといけないんですよ。でも、テレサの方はあのシーンを演じるのをすごく楽しみにしていたんです。
テレサ・チー:(日本語で)友達、大丈夫(笑)。
今後どのような作品に出演されてみたいですか?
テレサ・チー:この二年間、私はとてもラッキーだったんです。テレビ、映画で3つの国の作品に出演する事で出来ました。今後もどこの国の観客向けっていうよりかは世界の色んな方に観て頂けるような役者になりたいです。そういう作品に出たいなと思っています。
そのために色んな国の言葉を学んでいきたいです。やはりその国の言葉を喋れないと誤解が生じる事もありますので、そういう事がないように色んな言葉を磨いていきたいです。今回『南風』に出演出来て、もともと日本が大好きだったので、こうやって日本にも直接来れるようになった事がとても嬉しいです。また日本の撮影に参加出来たらと思います。
コウ・ガ:僕は以前、スウェーデンの監督の映画に出た事がありまして、そして今回は日本の監督さんとご一緒させて頂いた訳ですけれども、そういう色んな国のチームで映画を作っていく事は自分の視野を広げてくれるし、自分の仕事の幅も広げていける素晴らしい事だと思うんです。
そういう風に毎回それぞれの撮影で自分の演技の幅を広げていきたいです。将来また日本の映画に出る事が出来たら、武士の役もやってみたいなと思ってるんです。
今後のご活躍楽しみにしています。ありがとうございました。
テレサ・チーさん、コウ・ガさん出演映画『南風(なんぷう)』
シネマート新宿ほかにて大ヒット上映中!
■公式サイト
http://www.nanpu-taiwan.com
■関連記事
映画情報: http://culture.loadshow.jp/topics/nanpuu/
映画レビュー: http://culture.loadshow.jp/review/nanpu-review/
コウ・ガさん出演作品『キャシー5号』配信: http://loadshow.jp/film/54
聞き手: 川邊崇広
写真・構成: 川邊崇広
『南風』
出演:黒川芽以、テレサ・チー、郭智博、コウ・ガ

監督:萩生田宏治 エグゼクティブプロデューサー:大和田廣樹、ワン・シーション ゼネラルプロデューサー:狩野善則/プロデューサー:朱永菁/共同プロデューサー:ハン・ジェンユー

脚本:荻田美加 /攝影師:長田勇市JSC/音楽:赤い靴/主題歌:「SUMMER BOOK」赤い靴

共同企画:©森永あい/白泉社(メロディ)/企画:ドリームキッド、ブレス/製作:ドリームキッド、好好看國際影藝

配給:ビターズ・エンド   ©2014 Dreamkid/好好看國際影藝

後援:台北駐日経済文化代表処、愛媛県、台湾観光局、公益財団法人日本サイクリング協会、JTBピクチャーズ

2014年/日本・台湾/93分/デジタル/1:1.85
  • 『テレサ・チー』
    1989年生まれ。台湾とアメリカのハーフ。文化大学でロシア語を専攻する。テレビドラマ「危険心霊」で第42回金鐘賞最優秀助演女優賞受賞、台湾の大学生のアイドル的存在となる。映画デビュー作『九月に降る風』(09/トム・リン監督)の撮影終了後に突然、『九月に降る風』のノヴェライズを執筆、大きな賞賛を浴びた。そのほかの出演作に『台北に舞う雪』(10/フォ・ジェンチィ監督)がある。本年8月に日本で公開する『トランスフォーマー/ロストエイジ』(マイケル・ベイ監督)でハリウッドにもデビューも果たした期待の大型新人。
  • 『コウ・ガ』
    1989年シンガポール生まれ。『藍色夏恋』のイー・ツーイェン監督に見出され、初めてマネージメント契約した俳優。2007年、テレサ・チーとも共演している「危険心霊」で第42回金鐘賞最優秀主演男優賞受賞。台湾・スイス合作映画「MISS NICKI」(09/ハーコン・リウ監督)では英語での演技も披露している。

    最近では映画「MY MANDALA」(13/エルザ・ヤン監督)、テレビドラマ「菸蒂」に主演している。