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『濱口竜介レトロスペクティヴ』回顧録 vol.2

7/28(土)『THE DEPTHS』トークゲスト:アミール・ナデリ。韓国のスターアイドル、キム・ミンジュン主演で上映を待ち望まれた『THE DEPTHS』。多数の観客が来場し、会場は熱気を帯びていました

初日、7/28(土)の模様を振り返ります。

上映作品は、東京芸術大学大学院映像研究科と韓国国立映画アカデミーの共同製作による『THE DEPTHS』。

これまで日本国内での上映は、2010年開催の第11回東京フィルメックス及び、東京藝術大学大学院映像研究科内のイベント上映のみであり、まさに待ち望まれた作品と言えます。

『濱口竜介レトロスペクティヴ』は『THE DEPTHS』の上映とともに幕を開けました。

物語はキム・ミンジュンさん演じるペファンが、友人であるギルス(パク・ソヒ)の結婚式に出席するため来日するところからはじまります。

式で起こった思わぬアクシデントにより、少しの間ギルスのスタジオを手伝うことになったペファン。撮影に訪れた、男娼を生業とする若者リュウ(石田法嗣)の魅力に惹かれ、モデルを依頼することとなるのだが….

他出演者にも、主演作『Playback』の公開が待たれる村上淳さん、ポツドール所属の米村亮太朗さんなど、豪華俳優陣が脇を固めている『THE DEPTHS』。

今回のレトロスペクティヴでは初日を含め全4回の上映が実現しましたが、今後まだまだ上映されなければならない作品だと感じています。

これまでの上映履歴を考えるに、たった4回の上映でも「まとまった上映機会」などと呟いてしまいそうになりますが、やはりご覧いただけなかった方、大勢いらっしゃると思いますので、日本全国、更には世界を考えると、本当に様々な場所での上映を期待したいですし、我々も自身の立場からそうした動きに加担していければと思っています。

もし本ブログを覗いていただいた方で、作品を全くご存じでない方がいらっしゃいましたら、是非リンク先の予告編をご覧になっていただければと思います。

※写真左:アミール・ナデリ監督、中央:石井清猛 さん(通訳:JVTA)、右:濱口竜介監督

さて、幕を開けた『濱口竜介レトロスペクティヴ』、初日のトークゲストにはアミール・ナデリ監督(近作に『CUT』/2011/出演:西島秀俊 /など)をお迎えしました。

ナデリ監督は日本国内で映画『CUT』の撮影をおこない、現在は次回作の準備をされつつ、日本国内で俳優を対象としたワークショップを開催されています。

ナデリ監督をお迎えした理由について、トーク中濱口監督は以下のように語っています。

濱口竜介(以下H):本日はゲストにアミール・ナデリ監督をお迎えしています。上映前に大変熱いご紹介をいただきましたが、僕がナデリ監督をお呼びした理由もここでお話できたらなと思います。大きく言って3つありますが、まず2008年のTOKYO FILMEXでナデリ監督は『ベガス』という作品を、僕は『PASSION』という作品を出品していました。その際ナデリ監督がわざわざ話しかけてくださいまして、握手をしたのですが、その握手が痛いくらい強かったんです。
場内:(笑)

トークは冒頭から熱を帯び、ナデリ監督をお迎えして30分ではとても足りないと、濱口監督も口にしていましたが、あっという間に時間は過ぎ去りました。

ナデリ監督の口から語られたのは、カサヴェテス監督の撮影現場での経験から、カサヴェテス監督の人物像、ナデリ監督の母国であるイランと日本共通点、今後の濱口監督に期待することなど様々で、いずれトーク内容の全文掲載をできたらと考えています。

一部を抜粋しますと、濱口監督から『THE DEPTHS』の感想について求められたナデリ監督は以下のように答えていました。

アミール・ナデリ(以下N):私が共感したのは石田法嗣さんの役どころです。私が濱口監督の作品に思うところとして、主人公の台詞ですとか、キャラクター作り、それも勿論素晴らしいのですが、それ以上に感銘を受けるのは助演陣のキャラクター作りが大変緻密であるという点です。『THE DEPTHS』 には女性が描かれていませんが、今後また『PASSION』やその他の作品のように女性を描いていただきたいですね。

最後に、ナデリ監督がカサヴェテス監督から学んだこととしてお話された内容をご紹介したいと思います。

N:私が彼から学んだ一番大きなことは役者といかに向き合うかということであったように思います。具体的に言いますと、セットのなかでどのようにして表現をするのかということですが、それは必ずしも即興的な表現が生み出されることを期待するのではなく、そこに向けてどのように準備をしていけば良いのか、そのことをこそ学んだのです。

次回は『親密さ』オールナイト上映初日を振り返ります!