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映画『チョコレートドーナツ』サントラCD発売記念! 友部正人さん(フォークシンガー)×赤坂泰彦さん(DJ)トークイベントレポート

実はオリジナル曲と違っていた!?

アラン・カミングが歌う「I Shall Be Released」その歌詞に込められた想いとは・・・

4月19日にシネスイッチ銀座1館で公開をスタートするやいなや、連日満席立ち見の大ヒット!口コミが広がり、急遽拡大公開が決定し、驚異の動員は公開から3ヶ月経った今も止まらない、現在ロングラン大ヒット中の映画『チョコレートドーナツ』。 本作は、1970年代のアメリカを舞台に、ゲイのカップルがダウン症の男の子をひきとって育てようと奮闘するストーリー。血のつながりを超えた家族愛や俳優たちの名演技と同様に、音楽が本作の大きな魅力のひとつ。デジタル音源しかなかったものの、観客からのあまりの反響の大きさに、急遽本作のサウンドトラックCDが8月1日に発売が決定!

その異例のサントラCD発売を記念して、フォークシンガーの友部正人さんとラジオDJ赤坂泰彦さんをお招きしてのトークイベントが行われた。

ご自身も劇中で主演のアラン・カミングが熱唱するボブ・ディランの名曲「I Shall Be Released」をカバーしている友部さん、そしてDJとして音楽シーンを見つけ続けている赤坂さん。鑑賞を終えたばかりの観客へ向けて、本作への想いをそれぞれの視点で熱く語った。さらに、劇中の「I Shall Be Released」は、実はオリジナル曲の歌詞とは違うことが話題にあがり、その歌詞に込められた想いについてもそれぞれの見解を語った。
日程:7月26日(土)19:27-19:50

場所:渋谷シネパレス スクリーン2(渋谷区宇田川町20−11)

登壇者:友部正人さん(フォークシンガー)・赤坂泰彦さん(DJ)
赤坂さん:映画を観ていると、マルコやルディに感情が入っていくじゃないですか。映画を観て、皆さんも自分の環境や抱えている感情を持って暮らされていると思いますが、そのどこかの部分を映画の中に照らし合わされたと思うんですよね。それであのラストを観て、ガツンと胸を鷲掴みにされる、声を出して叫びたくなるような気持ちになった後に、あのエンディングのシーンで、僕は何とも言えない気持ちになりました。
友部さん:僕は、マルコがお話をねだるシーンがあって、ルディがお話をしたらすごく満足気な顔をするじゃない?あそこが好きなんですよね。
赤坂さん:初めて3人で食事をするシーンがありますよね?「ドーナッツは身体によくないから」とルディが言うと、「たまにはいいじゃないか」とポールが言う。まるで、一瞬で3人が家族になったように見えて。それでマルコが「一緒に暮らせるのかな?」と言うと、その時ルディは「I don't know」と言って。ああいうシーンからグイグイ映像の中に引っ張られませんでしたか?
友部さん:そうですね。どうしてもマルコに目がいっちゃうというか。例えばマルコが施設へ連れて行かれてしまう時、「ここはホームじゃない」と言うシーンとか、あとは一緒に3人で住むことになった時に「ここがホームなの?」と尋ねますよね。ああいう部分が心に残るんです。
赤坂さん:この原題の『Any Day Now』というのは、『I Shall Be Released』の歌詞の中に出てくる言葉ですよね。最後にルディが熱唱していますが、この曲は友部さんはもう何年も歌われているわけですよね?
友部さん:何年くらいですかね、80年代の終わりに『ライオンのいる場所』というアルバムを録音したときに、何気なく入れちゃったんですよね(笑)。
赤坂さん:海外だと、PPMとかベット・ミドラーとかザ・バーズとか色んな人たちがカバーをしていて、ディランが交通事故か何かに遭って休養している時に、地下室のスタジオでザ・バンドとレコーディングをしたんですよね。
友部さん:最初にあの曲が世の中に知られたのは、『Great White Wonder』というブートレッグ、世界で初めての海賊版というのがボブ・ディランとザ・バンドの演奏だったんですよ。その中に入っているのが、ボブ・ディランとザ・バンドが一緒に演奏している『I Shall Be Released』だったんだけども。ディラン自身はその形では一回も録音していないんですよ。それで僕が20歳くらいの時かな、『I Shall Be Released』が結構話題になって、歌うたい仲間とやって。ただ、「西から東に光が移動していく」とか、普通太陽は逆じゃないですか。あと「Any Day Now」の「Now」はどういう意味なのかとか結構曖昧な歌詞なんです。それで歌う人によって訳が全然違う、多分分からないんですよね。これはどういう歌なのか。僕も全然、歌っていながら彼が何を歌っているのかは分からなかったですよ。

でも、今回この映画の中で最後、曲が流れてきたときに、一挙に分かったんです。これはキリストのことを言っているんだな、ってそんな気がしました。答えに出会ったような気がしたんですよ。

赤坂さん:キリストですか。人によっては、『I Shall Be Released』は解き放たれるという解釈の方もいるし、まさに釈放という解釈の方もいらっしゃるし。
友部さん:一時期、監獄の中に入っている人のことなんじゃないかと言われたことがありますね。
赤坂さん:この映画の最後では、ルディがポールを見つめながら、歌詞の「I」を「We」にしていますよね。あの時に、答えは1つだけかもしれないけども、2人の絆みたいなものだけは希望があるのではないかという意味も含めて、「I」を「We」に変えていたのかなと思いました。
友部さん:そうかもしれないですね。黒人の弁護士の人が出てくるよね、それでルディが裁判で勝てなかったときに「正義はないんだ」と言いますよね。その時に弁護士が「それでも戦わなくちゃ」というじゃない。あの後に、『I Shall Be Released 』が流れるでしょう。あの繋がりは、すごく力がありますよね。あそこは2回観たんですけど感動しました。
赤坂さん:僕も色んな映画を観て涙を流したことがありますけど、これほどまでに映画のエンディングシーンで歌で涙が止まらなかった映画というのは本当になかなかなくて。でも映画で涙を流すというのは、映画館を出た後のひとつの小さなエネルギーに必ずなるんだなと思いました。
■『チョコレートドーナツ』 オリジナル・サウンド・トラック
発売日:2014年8月1日(金) ※7月26日(土)劇場にて世界最速発売!
品番:RBCP-5456 JAN:4545933154568 価格:2,500円(税抜)
■『チョコレートドーナツ』公式サイト
http://bitters.co.jp/choco/
『チョコレートドーナツ』
監督:トラヴィス・ファイン 脚本:トラヴィス・ファイン、ジョージ・アーサー・ブルーム

出演:アラン・カミング(「グッド・ワイフ」『X-MEN2』)、ギャレット・ディラハント(『ノーカントリー』『それでも夜は明ける』)、 アイザック・レイヴァ、フランシス・フィッシャー(『タイタニック』)

原題:Any Day Now/アメリカ/2012年/97分/カラー 配給:ビターズ・エンド

(c) 2012 FAMLEEFILM, LLC

ストーリー:1979年、カリフォルニア。シンガーを夢見るルディ。弁護士のポール。母に見捨てられた少年・マルコ。世界の片隅で3人は出会い、幸せな家庭を築き始める。しかし、ゲイであるがゆえに法と好奇の目にさらされ、マルコを奪われてしまう……。血はつながらなくても、法が許さなくても、奇跡的に出会い深い愛情で結ばれる3人。見返りを求めず、ただ愛する人を守るために奮闘する彼らの姿に我々は本物の愛を目撃する。