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NY・インデペンデント映画界の異才ハル・ハートリー監督4作品公開

N・Y恋と希望から始まる“再生”

ニューヨーク・インデペンデント映画の最も上質な才能、ハル・ハートリー監督の未公開作を含む4作品が公開される。以下、上映作品。初長編作で劇場初公開の『アンビリーバブル・トゥルース』(1989年)、第3作『シンプルメン』(1992年)、第4作『愛・アマチュア』(1994年)、最新作で日本初公開の『はなしかわって』(2011年)。
ハル・ハートリーは1988年に長編第一作『THE UNBELIEVABLE TRUTH』( 日本でのビデオ発売邦題は『ニューヨーク・ラブストーリー』)で評価を得、その後、様々な映画祭などで注目されはじめ、日本でも90年代を中心に大きな人気を呼んだ。
特にホームグラウンドであるNYを背景にした男女のナイーブな恋愛描写は、シンプルで辛口な映像とあいまって一種独特の世界を形成している。しかしその実、映画の根底に流れるお互いをいたわる優しさ、日常生活の中に現れる、希望といった普遍的なテーマは、今日を生きる私たちに新鮮な空気を与えてくれるだろう。

公式サイト→ http://www.jvd.ne.jp/cine/halhartley/top.html
■新宿K’s cinemaトークイベント
◆初日・2014年1月18日(土)≪15:00≫『アンビリーバブル・トゥルース』上映後
狗飼恭子さん(脚本家)、ヨダエリさん(ミクシィ「ハル・ハートリーコミュニティ」代表、コラムニスト)、わたなべりんたろうさん(ライター、監督)
ハートリーの魅力を語る三人のつわものが初日に公開記念トークショーを開催します!この機会に是非ご来場下さい。
『はなしかわって』
日本初公開
出演:D.J.メンデル、ダニエル・マイヤー、二階堂美穂/2011年/59分
マンハッタンで人助けに奔走する不思議な主人公の人間関係をスタイリッシュに描く新作。NYの情景、そこに暮らす人々の描写、音楽、豊かで美しい傑作。
マンハッタンに暮らすジョセフ・フルトン(D.J.メンデル)は、ジャズ・ドラマーが本来の仕事であるが、多くの友人や器用な性格で様々な仕事をしている。恋愛事情も目まぐるしく、今日も彼は都会の片隅の人間模様に巻き込まれたり巻き込んだり。彼にとっての成功とは、社会に認められることだが、大きな成功はなかなか手が届かない。しかし、彼の持つ優しさは、様々な人との一瞬のふれ合いを繰り返す中で、微妙に人間と人間の距離を縮めていくのだった。
『アンビリーバブル・トゥルース』
劇場初公開
出演:エイドリアン・シェリー、ロバート・バーク/1989年/97分
謎めいた孤独な男と17歳の美しい少女の恋をオフビートに描く長編デビュー作。日本では91年に『ニューヨークラブストーリー』のタイトルでビデオでのみ紹介された。
ニューヨーク州の平凡な住宅地、リンデンハーストに“ジョシュ”(ロバート・バーク)が戻ってきた。彼は恋人の父親を殺し刑務所に服役していたのだ。町の人々は「大量殺人者」の噂でもちきりだが、腕をかわれたジョシュは町の車整備工場で働き口を得る。工場経営者ヴィクの娘オードリー(エイドリアン・シェリー)はミステリアスな雰囲気のジョシュに夢中になってしまう。オードリーは「この世は明日にでも核戦争や環境破壊で滅んでしまう」と信じている。しかし満たされぬ恋をしたオードリーは次第に変わっていく。
『シンプルメン』
出演:ロバート・バーク、ビル・セイジ、エリナ・レーヴェンソン/1992年/106分
思ったことだけを言葉にする男女4人の恋愛の攻防をクール&コミカルに描くロード・ムービーの秀作。ソニック・ユースの音楽でダンスするシーンも楽しい。
兄のビル(ロバート・バーク)は泥棒家業をしているが恋人に裏切られ逃亡の身、弟のデニス(ウィリアム・セイジ)は大学生だが内気な性格。2人の父親はかつて伝説的な野球選手だったが、なぜかテロリストとして収監され、面会に行くとすでに脱走していた。少ない手がかりをもとに父親探しの旅をはじめた2人は小さな町でケイトとエリナ(エリナ・レーヴェンソン)に出会う。クールで思慮深い“シンプルメン”を気取るビルもいつしかケイトに恋心を抱き、デニスは不思議な存在感を漂わせる可愛いエリナに心惹かれる。そんなとき、謎多き父親の影が見え隠れしてくるのだった。
『愛・アマチュア』
出演:イザベル・ユペール、マーティン・ドノヴァン、エリナ・レーヴェンソン/1994年/106分
尼僧からポルノ小説家に転身した女と記憶喪失の男とのふれ合いを描く大ヒット作。1994年カンヌ映画祭監督週間招待作。世界的に絶賛されたハルらしい逸品。
ニューヨークの裏通りで男(マーティン・ドノヴァン)が倒れている。ソフィア(エリナ・レーヴェンソン)は死んだと思われる男の様子を見るとその場から逃げた。しかしその男、トーマスは記憶喪失でカフェで出会ったイザベル(イザベル・ユペール)に助けられる。イザベルは尼僧として神に仕えていたが現在は売れないポルノ小説作家をしている。イザベルはトーマスに興味を持ち、自分のアパートで世話をする事に。イザベルは性に対してのコンプレックスをトーマスに打ち明け2人の間には愛情とも友情ともつかない不思議な関係が出来上がっていく。一方ソフィアはひどい仕打ちを受けたトーマスを殺したと思い込んでいた。実はトーマスは国際的な犯罪組織の一員で秘密を握っており、追っ手は今やソフィアを狙っていた。
  • 『ハル・ハートリー』
    1959年、ニューヨーク州生まれ。美術、絵画に興味を持ってマサチューセッツ美術大学に入学するが、8mmによる映画作りに触れ、映画製作を志すようになる。1980年、NYに戻りニューヨーク州立大学パーチェス校で映画を専攻しつつ文学や哲学を学んだ。この頃、数々の短編を監督したり、スタッフや俳優などの友人を得た事がその後の作品作りに大きな影響を与える。1988年、初の長編『アンビリーバブル・トゥルース』を製作。この作品は、前述の大学時代の仲間と2週間ほどの期間、75,000ドルという低予算で地元の町で撮影された。作品は高評価を得、サンダンス映画祭の審査員大賞にノミネート。さらに長編2作目の『トラスト・ミー』(1990)は各地の映画祭で絶賛、長編3作目の『シンプルメン』はカンヌ映画祭に正式招待上映され、その評価は確固たるものになった。その後も順調に『愛・アマチュア』をヒットさせ、東京ロケも話題になった『フラート』(1995)などの作品を製作した。そのスタイルは一貫して映画作家としての自主性、芸術性を重んじるインディペンデント・プロダクトであり、90年代に人気を博した”アートシアター系”として日本でも多くの観客の支持を得るものとなった。2001年、ハルの才能を認めていたF.コッポラは自らのプロダクションでハリウッド的な大作を企画。製作ゾエトロープ社、配給ユナイテッド・アーチスツという大規模な予算の映画『No Such Thing』はアイスランドで有名俳優を得て完成したが、編集権を巡るトラブルなどで不本意な結果となった。『No Such Thing』の商業的失敗のあと、原点に立ち返り、自らが代表を務めるポッシブル・フィルムを設立、ホームグラウンドであるNYを舞台に『はなしかわって』など、旺盛な製作活動を続けている。