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吉田良子監督作品『受難』

コミカルにピュアに真正面から描く受難

原作は、直木賞候補になること4回を数える人気小説家・姫野カオルコの同名小説。性への悩みを抱える修道院育ちのフランチェス子と、彼女の女性器に突然現れた人面瘡「古賀さん」との共同生活を描く。
とにかくアソコの描写が頻繁に登場するだけに映像化は100%無理だろうと言われた原作を新鋭・吉田良子監督(『惑星のかけら』)が果敢に挑戦。とてつもない難役である主役をグラビアアイドルで頂点を極め、女優としても活躍の場を広げる岩佐真悠子が演じる。そして音楽は大友良英が「あまちゃん」と同時期に制作をしていたことを語っている。
1995年に発表された『受難』は、時を経て個性的なスタッフによってついに映画化が実現した。

人面瘡にキュウリを食べさせるシーン、部屋を掃除するシーン、海を歩くシーン、どれを取っても丁寧な時間が流れていうように感じ、それがフランチェス子と言う女性を表している。
古賀さんに「おまえはダメな女だ」と罵倒されながらも、あっけらかんとしているフランチェス子との掛け合いが映画のリズムを作り、奇想天外な物語の中にいつの間にか入っていってしまう。
フルヌードや突飛なストーリーで話題を集める本作だが、真摯に原作に向かった表情豊かな作品になっている。

【人面瘡とは?】
江戸時代から言い伝えられている奇病中の奇病・妖怪。古くは江戸時代前期の作家、浅井了意の「伽婢子」や近年では手塚治虫の「ブラックジャック」、横溝正史の小説などでも登場する。体の一部などに付いた傷が化膿し、そこが人の顔のようなものになり、話をしたり、物を食べたりするとされる。薬あるいは毒を食べさせると療治するとされる。架空の病気とされるが真偽のほどは定かではない。

Text by: 石川ひろみ
『受難』
(c)2013姫野カオルコ・文藝春秋/「受難」製作委員会
2013年/日本/カラー/95分/R15
出演:岩佐真悠子/淵上泰史 伊藤久美子/古舘寛治
原作 姫野カオルコ「受難」(文春文庫刊) 監督・脚本/吉田良子/音楽/大友良英(「あまちゃん」)
製作:重村博文、小西啓介、宮路敬久/プロデューサー:山口幸彦、小林智浩、宮崎 大/撮影:芦澤明子/製作:キングレコード、ファントム・フィルム、日本出版販売/製作プロダクション:アグン・インク/企画協力:文藝春秋/配給:ファントム・フィルム
天涯孤独でずっと修道院生活育ちの汚れなき乙女、フランチェス子(岩佐真悠子)。 社会に出てもどうして男女は付き合うのか?なぜセックスをするのか?という疑問に真剣にぶつかり悶々とする毎日。そんなある日、彼女のオ××コに突然、人面瘡ができる。しかもその人面瘡は、「お前はダメな女だ!」と主人である彼女を日々罵倒する相当にひねくれた人格の持ち主。ところが彼女は人面瘡を“古賀さん”と名付け、罵詈雑言を浴びながらもけなげに共同生活を送るのだが・・・。
12月7日より、全国ロードショー
公式サイト : http://junan-movie.com/