LOAD SHOW

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「第1回 LOAD SHOW コンペティション」グランプリ作品発表!

ご挨拶

映画配信サイトLOAD SHOWは、Web上の映画祭として、第1回目となるコンペティションの開催を決定、2013年10月1日(火)〜11月30日(土)の期間、作品応募受付をおこなって参りました。インターネットの特質を活かし、入選作、グランプリに選出された作品に限ることなく、ご応募いただいた作品は全てサイト上にアップロード、有料でのダウンロード販売を開始するというコンセプトのもと、既に全応募作品のサイトへの掲載を完了し、2月1日(土)には一次審査を通過した入選7作品を発表させていただきました。そして本日、最終審査員(加藤直輝(映画監督)、濱口竜介(映画監督)、森下くるみ(文筆家)、河井青葉(俳優)、日本映像翻訳アカデミー(JVTA)審査チーム)の皆様によるディスカッションを経て決定されたグランプリ作品を発表させていただく運びとなりました。
グランプリ受賞作品は、 村山宗一郎監督 『拝啓、ヨーコちゃん』 。今後、JVTAアワードとして英語字幕が授与されるとともに、LOAD SHOWサイト内でピックアップ、世界に向けて配信をおこなっていきます。
改めまして、ご応募いただいた全ての映画監督の皆様に心からの感謝を申し上げます。応募作品は全てサイト上にアップロードされており、ユーザーの皆様には数多くの作品の中からそれぞれのグランプリを発見していただきたい—そんな思いも我々は抱いております。
それでは皆様、どうぞ映画を楽しんでください!今後ともLOAD SHOWをよろしくお願い申し上げます。
岡本英之

LOAD SHOW Director

審査総評

『加藤直輝(映画監督)』
一次から携わったので送られてきた30本ほどの映画を見た。

インフルエンザでふらふらだったが全部見た。

おもしろかったりつまらなかったりバラバラだが総じて連綿と続く「自主映画」たちだと思った。

そこから7本に絞り、最終審査としてもう一度見た。

結果1回目と印象は変わらなかった。
今回グランプリを選べたのはよかった。

やった甲斐があったというものだ。

しかも審査員全員が推した結果だ。

そこでニューロンにふと疑念が差し込む。

「何か罠じゃないのか?」と。

そういえばサンヘドリンは「満場一致は無効」と規定したらしい。

LOAD SHOWは映画が好きな人たちのプラットフォームだ。

これからも色んな形で色んな映画が往来するだろう。

またコンペをやるかもしれない。

ずっと更新していくはずだ。

で、いつか瞳孔開くものが見たいなあ。
『濱口竜介(映画監督)』
『拝啓、ヨーコちゃん』は、何よりも声の現れ方が他の映画と大きく異なっていた。ヨーコちゃんの「きれい」というつぶやきは、ヨーコちゃんの存在を疑わせない。村山監督はおそらくカメラの恐ろしさをよく理解している人なのだろう。どのようにしたら演者がカメラの前にいられるか(それはカメラの前から逃げ去ることかも知れない)をどこまでも演出の中心に置いている。それを追求した結果、カメラの向ける先が映画そのものというよりは「映画を撮っている私たち」へと綱渡りして行くこともまた納得の行くことだった。それが映画制作において最も強度のある被写体となることは逃れがたい過程としてある。

僕の個人的な感慨を言えば、『拝啓、ヨーコちゃん』のように映画を撮ることができたなら、と思わずにはおれない。ただ、このようには決して撮らないだろう。それは僕が映画制作をどこまでも続けて行きたいと思うからだ。 だから今はただ、村山監督の次回作が果たしてどんなものになるのかを、おっかなびっくり楽しみにしている。

『ハチミツ』は挑戦している題材の抽象性に対して、画面/音響/演技が届いていない、という印象。それでも、役者たちが映画後半に向けて存在の厚みを増して行く様は感動的だった。きっと良い現場だったのだろう。 『NEVER TO PART』に関しては、演出の意匠のために脚本自体が書かれているように思われた。その是非は自分自身の問題としてもあるが、脚本が単に演出に従属しているのであれば、脚本などそもそも不要なのではないかという疑問は消えない。

『夜明けとBLUE』に関しては、映画を映画足らしめる聡明さは、もっと、もっと危険な場所で発揮されるべきではないかという感慨と反省を持った。 『雲のゆくさき』は、演技(語られる言葉と、為される振るまい)とカメラの関係性において、ある種の充実を見た。『拝啓、ヨーコちゃん』と同様に京都造形大で作られていることを知って、今、京都では何かが深く静かに進行しているのではないか、そんな予感を得た。

初めて「審査」というものに携わって、映画たちが激しくのたうち回る様を多く目にしたことの感想を、ひと言で言うことはできない。映画に招き寄せられた彼らが、これから天に昇るのか、地に潜るのか、ひたすら地べたを這いずり回るのか、知らない。何であれ、それは絶望でも希望でもなく、ただただ続いて行く。簡単には終わってくれない。自分自身がそのことへの覚悟を固める上で、とても貴重な機会をいただいた。

作品をお送りいただいたすべての方に感謝します。

『森下くるみ(文筆家)』
今回入選した7作品を拝見して、「自分にとって作ることの根源的な動機は一体何なのか」ということをずっと 考えていました。正直さも姑息さも、画面には全てが出てしまう。その、とても当たり前で、ある意味平等な、 無慈悲な現実にも改めて気づかされました。ご応募くださったみなさま、本当に有り難うございました。ーー続けていきましょうね!
『河井青葉(女優)』
映画っていうのは作っている人たちのドキュメンタリーなんだなあと思いました。

拝啓、ヨーコちゃん

撮る側にも撮られる側にも、その瞬間にしか生まれ得ない輝きを感じました。

素晴らしい一瞬一瞬を切り取っているとても貴重な作品だと思います。

『日本映像翻訳アカデミー(JVTA)』
長編と短編の入り混じる最終審査となりましたが、長短にかかわらずどの作品も、 “映画”としての存在を強く主張していて、大変見ごたえがありました。中でも 『雲のゆくさき』はごく普通の青年が少しだけ大人になるひと夏の出来事を、 説得力のある物語で切り取ってみせる印象深い作品でした。何気ない自転車の使い方 ひとつにも確かな演出力が感じられました。最優秀賞となった『拝啓、ヨーコちゃん』 の面白さは最終審査に残った作品の中でも飛び抜けていたように思います。登場人物の 魅力を最大限にとらえながら瑞々しい躍動感に満ちた画面だけでなく、ストーリーの 構成も非常に力強く、堂々たる娯楽映画として仕上がっていました。女子高生の たわいない冒険譚に他の作品にないほどのリアリティが宿っていて、鑑賞後の充実感は 他に比べられる作品はありませんでした。最優秀賞にふさわしい傑作だと思います。 次回作をぜひ見たい!と心から思わせてくれる監督と出会えました。
拝啓、ヨーコちゃん

2012年/32分/SD/カラー

監督: 村山宗一郎

撮影:工藤智之/出演:赤塚陽子、野田真理子、都原亜美、関谷和希、飯田慶介
教室はクラスメイトのヨーコが包帯を巻いた異様な姿で登場し騒然となる。当の彼女は噂話にも全く動じず、友人と共に夏を思い思いに過ごしてゆく。彼女を中心とする男女9人の夏。