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アントン・コービン監督『誰よりも狙われた男』

名優・フィリップ・シーモア・ホフマンが遺した最後の主演作

原作は新しいスパイ小説の大家、ジョン・ル・カレが2008年に発表した傑作ミステリー。本作が描くのは“9.11”以降の複雑な今の時代。冷戦時代の東西対立といったわかりやすい構図ではなく、テロ対策を軸にした現代の諜報戦をリアルに描き出している。監督は『コントロール』(2007年)、『ラスト・ターゲット』(2010年)のアントン・コービン。スタイリッシュな映像感覚と、伏線に伏線を重ねた繊細なストーリーテリングでル・カレの世界を独自に昇華し、知的で高品質のエンターテイメントに仕立てた。主演は当代最高の名優・フィリップ・シーモア・ホフマン。映画人たちから絶大な尊敬と信頼を得ていたが2014年2月突然の訃報が届き、本作が主演遺作となってしまった。主人公バッハマンの孤高の凄みや哀愁、人間臭さを、ホフマンはこれ以上ない深みで絶品の演技を披露している。是非、劇場でホフマン最後の勇姿をご覧ください。

フィリップ・シーモア・ホフマン

『もしこの映画を見て何も感じないのであれば…。視野が固まっているね。この映画は必ず心を揺さぶるよ。広い視野と広い心で見れば、見たあとに素晴らしい議論を巻き起こすだろう』

【Story】

ドイツの港湾都市ハンブルク。諜報機関でテロ対策チームを率いる練達のスパイ、ギュンター・バッハマンは、密入国したひとりの若者に目をつける。彼の名前はイッサ。体中に拷問を受けた無数の傷跡があり、イスラム過激派の容疑をかけられ国際指名手配されていた。イッサは人権団体の若手弁護士の女性、アナベル・リヒターを介して、銀行家のトミー・ブルーと接触。彼の経営する銀行に、イッサの目的とする秘密口座が存在しているらしい。一方、CIAの介入も得たドイツの諜報界はイッサを逮捕しようと迫っていた。しかしバッハマンはイッサをあえて泳がせ、彼を利用することでテロリストへの資金支援に関わる“ある大物”を狙おうとしていた。そしてアナベルは、自分の呪われた過去と決別しようとしているイッサを命がけで救おうとする。また彼女に惹かれるブルーも、バッハマンのチームと共に闇の中に巻き込まれていくのだった……。
アントン・コービン監督『誰よりも狙われた男』
2014年10月17日(金)TOHOシネマズ シャンテ他全国公開
■公式サイト
http://www.nerawareta-otoko.jp/
『誰よりも狙われた男』

監督:アントン・コービン

原作:ジョン・ルカレ

出演:フィリップ・シーモア・ホフマン、レイチェル・マクアダムス、ウィレム・デフォー、ロビン・ライト、ニーナ・ホス、ダニエル・ブリュール

(2014年/アメリカ・イギリス・ドイツ/英語/カラー/DCP/シネスコ/122分/原題:A MOST WANTED MAN)

© A Most Wanted Man Limited / Amusement Park Film GmbH © Kerry Brown