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ロウ・イエ監督作品『パリ、ただよう花』

本作で5年間の中国国内での映画製作禁止が解かれたロウ・イエ監督

ロウ・イエは1993年のデビュー作『デッド・エンド 最後の恋人』から本作『パリ、ただよう花』を含め、常に中国当局との軋轢と対峙し、何度も映画製作・上映禁止処分を受けてきた。2003年の『パープル・バタフライ』に続き2年連続でカンヌ国際映画祭コンペティション部門に正式招待された『天安門、恋人たち』(2006)では、天安門事件を扱ったことと、その性描写により、電影局から06年カンヌ国際映画祭コンペティションでの上映許可が出なかった。しかしロウ・イエとプロデューサーはその決定を無視してカンヌで上映。その結果、再び当局から5年間の映画製作・上映禁止処分を受けた。

この5年間の処分期間中に製作されたのが、前作『スプリング・フィーバー』と、本作『パリ、ただよう花』である。電影局の処分を無視してフランスと香港から製作資金を確保し、中国国内の南京で撮影された『スプリング・フィーバー』は、2009年のカンヌ国際映画祭で脚本賞を受賞。その『スプリング・フィーバー』撮影中の2007年、ロウ・イエは以前から親交があった本作の原作者リウ・ジエから電話を受ける。リウ・ジエは原作となった半自伝的な『裸』という小説を映画の脚本に書き直し、この脚本を託したいと思える唯一の監督、ロウ・イエに連絡したのだった。ロウ・イエ監督作品の中で、原作のあるものは本作が初となる。

パリ、北京、二つの都市で居場所を求めてさまよう女の「愛の問題」を描く

“北京からパリにやってきたばかりの若い教師、花(ホア)。なじみのない街で彼女は様々な男と体を重ね、自分の狭いアパートと大学の間、かつての恋人たちとフランスで新たに出会った人々の間を漂う。ある日、建設工のマチューという男と出会う。一目で恋に落ちた二人は、激しく肉体を求め合う。お互い、秘密を抱えたまま……。”

撮影は、ジャ・ジャンク―作品には欠かせない撮影監督、ユー・リクァイ。出演は、LOUISVUITTON、Dior、Yves Saint Laurentなど、トップブランドの広告等で活躍するフランス生まれの中国人モデル兼女優コリーヌ・ヤンと、ジャック・オーディアール監督『預言者』(2009)のタハール・ラヒム。
12月21日(土)より、渋谷アップリンク、新宿K’s cinemaほか、全国順次公開
公式サイトはこちら→ http://www.uplink.co.jp/hana/?mode=1
『パリ、ただよう花』
監督:ロウ・イエ/脚本:リウ・ジエ、ロウ・イエ/撮影:ユー・リクウァイ/照明:ウォン・チーミン/編集:ジュリエット・ウェルフラン/音楽:ペイマン・ヤザニアン/音声:ダナ・ファルザネプール/音声編集:ステファン・ブランクレール、ソフィー・デュラン/ミックス:オリヴィエ・ドー・ユゥ/プロダクション・マネージャー:イザベル・ティルー/美術:ギヨーム・ドゥヴィエルシー/衣装:ヴィルジニー・モンテル/キャスト/出演:コリーヌ・ヤン、タハール・ラヒム、ジャリル・レスペール、ヴァンサン・ロティエ、シファン・シャオ、チャン・ソンウェン、パトリック・ミル、アデル・アド 仏・中国/2011年/105分
  • 『ロウ・イエ』
    1965年、上海生まれ。1985年、北京電影学院映画学科監督科入学。卒業制作映画『デッド・エンド 最後の恋人』(1994)は、1996年のマンハイム・ハイデルバーグ映画祭で監督賞受賞。第2作目、『ふたりの人魚』(2000)は中国国内で上映を禁止されながらも、2000年のロッテルダム国際映画祭とTOKYO FILMeXでグランプリを獲得。続く『パープル・バタフライ』ではチャン・ツィイーや仲村トオルらを起用し、カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に正式出品された。1989年の天安門事件にまつわる出来事を扱った『天安門、恋人たち』は、2006年のカンヌ国際映画祭で上映された結果、5年間の映画製作・上映禁止処分となる。禁止処分中に、中国では未だタブー視されている同性愛を描いた『スプリング・フィーバー』が、第62回カンヌ国際映画祭で脚本賞を受賞。本作『パリ、ただよう花』は第68回ヴェツィア国際映画祭のヴェニス・デイズ、および第36回トロント国際映画祭ヴァンガード部門に正式出品された。2011年に電影局の禁令が解け、中国本土に戻って撮影された『Mystery』は、第65回カンヌ国際映画祭ある視点部門に正式招待。中国本土での劇場公開にあたっては、電影局から暴力シーンの削除を求められ、最終的に「監督署名権」を放棄し自分の名前をクレジットから外した。現在、中国現代文学の代表的作家でありロウ・イエと親しい友人でもあるピー・フェイウーの『Massage』を原作にした新作を製作中。