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三宅 唱監督作品『Playback』

9/16(日)水戸短編映像祭を皮切りに先行上映をスタート

第65回ロカルノ国際映画祭、コンペティション部門正式出品作品、三宅唱監督による映画『Playback』の先行上映が水戸、東京、京都の各地で開催となる。

それにしてもなんと良いタイミングか。

勿論狙っているのだろうが、それらの上映日は最大9連休が可能と言われるシルバーウィークにすっぽりと収まっており、一度『再生』ボタンを押したなら止まらなくなりそうな仕掛けだ。

国内初上映となる水戸短編映像祭の詳細をくまなく眺めてみると、9/16(日)は『Playback』の上映だけでなく、冨永昌敬監督作品『目を閉じてギラギラ』、瀬田なつき監督作品『5 windows』と充実のラインナップ。

来場ゲストも豪華で、『Playback』に関して言えば、三宅唱監督、主演の御三方が揃い踏みだ。

更に興味深いのはグッズ展開、サントラ収録の缶バッチ型音楽プレーヤー「PLAYBUTTON」の先行販売や、こちらは未確定のようだが、オリジナルTシャツも準備中であるようだ。

デザインはいずれも村上淳さん。

夜には水戸BUBBLEにて村上淳さんがGUEST DJをつとめるイベントが開催予定だというし、映画を見終えた若者達が『Playback』Tシャツを身にまとい、颯爽とスケードボードでクラブへと向かう姿を想像して思わず顔がほころぶ。

旅行者達は胸に「PLAYBUTTON」をつけて水戸のまちを歩けばいい。景色はきっと表情を変えるだろう。

『誘惑』

映画『Playback』から発せられる誘惑は、プレスリリースの言葉を借りるなら、まず第一に35mmモノクロームの映像美であり、魅力ある俳優達を捉えた、三宅唱という新たな才能による『映画』そのものの誘惑だ。

未見のいま、内容について語ることはできないが、実際YouTubeで見ることができる特報、あるいは『濱口竜介レトロスペクティヴ』において見ることができた特報ロングバージョンだけでも、十分過ぎるほどに胸は高鳴る。

村上淳、渋川清彦、90年代のある時期、雑誌のページをめくれば必ず彼らの姿があった。

僕らはファッションを追いかけ、時々発せられる言葉を頼りに音楽にも触れただろうか。その誘惑は強かったが、そこに映画の姿はなかったように記憶する。

やがてスクリーンに活躍の場を移した彼らの活躍、その魅力はわざわざ語るまでもないが、それは映画のなかでのできごとであり、映画を中心とした強力な磁場を形成するまでには到っていない。

今後ある形での発表を予定している濱口竜介との対談で、三宅唱は語っている。

三宅:今回の撮影で村上淳37歳(※撮影当時)を撮ることはできたわけですが、26歳の頃のムラジュンさんは撮れなかったし、これから60歳のムラジュンさんを撮れるかどうかはわからない。撮影前から「いまのムラジュンさんを撮るんだな」ていう意識は大事にしようと思っていて。

恐らくはそうした向き合い方そのものが、これまでや、これからをも表出させていくのだろうし、それによって三宅唱は映画を中心とした強力な磁場を形成していくはずだ。

『選択と結果、選択と結果、その積み重ねとしてのいまだろう』

特報でも聞くことができる、菅田俊によって呟かれる台詞だ。

さあこの機会にいまを体験しようじゃないか。その体験が重なり合って、新たな『いま』となるのだから。

  • 『三宅 唱(みやけ・しょう)』
    1984年札幌生。2007年映画美学校フィクションコース初等科修了。2009年一橋大学社会学部卒業。2009年短編『スパイの舌』(08)が第5回CO2オープンコンペ部門にて最優秀賞を受賞。2010年初長編『やくたたず』を製作・監督(第6回CO2助成作品)。最新作『Playback』(2012)が第65回ロカルノ国際映画祭インターナショナル・コンペティション部門に正式出品、また第27高崎映画祭新進監督グランプリを受賞。東京では10週のロングラン上映を記録した。