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虐殺の記憶を超えて−リティ・パニュ監督特集

『S21 クメール・ルージュの虐殺者たち』

リティ・パニュは思いもつかないやり方で歴史を再現し、カンボジアの虐殺や人々の記憶を、丹念にそして緻密に掘り起こし、驚くべき作品をつくり上げる。−−−ジョシュア・オッペンハイマー(『アクト・オブ・キリング』監督)

カンボジアで生まれ、13歳の時にクメール・ルージュの支配下を経験し、15歳で労働キャンプを脱出しフランスに渡り、映画監督になるという驚くべき人生を歩んで来たリティ・パニュ。自ら体験した「虐殺の記憶」を伝えるために、フィクションとドキュメンタリーの垣根を超える作品を数多く製作してきた。

最新作『消えた画 クメール・ルージュの真実』の公開を記念して、代表作『S21 クメール・ルージュの虐殺者たち』を含む5作品を上映し、その特異な才能の一端に触れる。
■上映作品
『さすらう者たちの地』 The Land of the Wandering Souls
2000年/フランス/カンボジア語/デジタル/105分/日本語・英語字幕付き

戦火で荒廃したカンボジアで、シルクロードに沿ってヨーロッパに繋がる光ファイバーケーブルの敷設作業が行われている。この事業は多くのカンボジア人に働き 口を与えたが、彼ら自身がその恩恵を受けることはない。数ヶ月に及ぶ作業が進むにしたがって、土地を失った農民、復員兵士、貧しい家族らがさすらいの身と なっていく。否応なくグローバル経済に飲み込まれていく人々の姿を鋭く切りとり、山形国際ドキュメンタリー映画祭でグランプリを受賞した。
『S21 クメール・ルージュの虐殺者たち』 S21, the Khmer Rouge Killing Machine
2002年/フランス/カンボジア語/デジタル/101分/日本語・英語字幕付き

1 万数千人の処刑と拷問が行われ、一度入れば生きて出ることのない政治犯収容所「S21」。ここで生き残った者はたった3人しかいない…。クメール・ルージュの大虐殺の加害者と被害者をその場所に集め、非人間的で過酷な日々を「再現」していく。証言で明らか になる真実の数々、対峙する2人のやりとりの迫力が25年という時を越える。かつて拷問のあった場所で加害者と被害者を対峙させる手法が、世界中の観客を震撼させ、数多くの賞を受賞、今なお語り継がれるリティ・パニュ監督の代表作と言える傑作。
『アンコールの人々』 The People of Angkor
2003年/フランス/カンボジア語/デジタル/90分/日本語・英語字幕付き

輝かしいアンコール王朝の歴史を物語るアンコールの遺跡群。ポル・ポト政権下の内戦では戦場となり、現在は世界中からやってくる観光客で賑わうが、決して生 活は豊かではない農民たちの地。ここに住み、遺跡修復に携わる人々と土産売りの少年が、遺跡に刻まれた歴史・伝説を辿る。クメール文化と政治のダイナミズ ムに触れ、現代と悠久なる時を行き交い、未来へ思いを託す。祖国を描き続けるリティ・パニュが、雄大な時の流れと希望をしなやかに描く。
『紙は余燼(よじん)を包めない』 Paper Cannot Wrap Up Embers
2006年/フランス/カンボジア語/デジタル/86分/日本語・英語字幕付き

カ ンボジア・プノンペンで娼婦として暮らす5人の女性たち。彼女たちが暮らす小さな部屋。客や雇い主のマダムから暴力を受け、エイズや貧困と隣合わせの悪夢 の日々を過ごしている。内戦の傷深く、腐敗したカンボジア社会の底辺に暮らす瀕死の魂たちへの鎮魂詩が奏でられ、それは冷酷で哀しく、時に美しい。彼女たちの声はカンボジアの今を浮き彫りにする。リティ・パニュは言う「彼女らの言葉はまぎれもなく人間の声である」と。
『飼育』 Shiiku, the Catch
2011年/フランス/カンボジア語・英語/デジタル/90分/日本語・英語字幕付き

大島渚の映画でも知られる大江健三郎の芥川賞受賞作「飼育」を、カンボジアに翻案し劇映画化。クメール・ルージュ前夜、1972年のカンボジア。国境を越え たベトナムでは戦争が激しさを増し、アメリカ兵たちがベトナムを爆撃するためカンボジアの上空を飛んでいた。墜落した米軍機の黒人パイロットは捕らえら れ、鎖につないで“飼われていた”。クメール・ルージュの思想が浸透する寒村で、囚人の見張り役である子供たちは、その黒人を敵と見なさず殺さないでいられるか?人間の尊厳とイデオロギーのあわいを問う意欲作。
■上映スケジュール
6月28日(土) 14:00『さすらう者たちの地』/16:30『S21』/18:50『アンコールの人々』

6月29日(日) 14:00『S21』/16:30『飼育』/18:50『さすらう者たちの地』

6月30日(月) 14:00『アンコールの人々』/16:30『S21』/18:50『紙は余燼を包めない』

7月1日(火) 14:00『紙は余燼を包めない』/16:30『さすらう者たちの地』/18:50『S21』

7月2日(水) 14:00『アンコールの人々』/16:30『紙は余燼を包めない』/18:50『飼育』

7月3日(木) 14:00『さすらう者たちの地』/16:30『S21』/18:50『アンコールの人々』

7月4日(金) 14:00『紙は余燼を包めない』/16:30『飼育』/18:50『S21』
■開催場所
渋谷ユーロスペース
■公式サイト
http://www.eurospace.co.jp/detail.html?no=572
『飼育』
監督:リティ・パニュ/原作:大江健三郎
出演:シリル・ゲイ
2011年/フランス/カンボジア語・英語/デジタル/90分/日本語・英語字幕付き