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大津幸四郎・代島治彦監督作品『三里塚に生きる』

ニッポン最後の百姓一揆・完結編。「お上(かみ)」(国家権力)を恐れなかった人びとの物語。

『三里塚に生きる』は、1960年代にはじまり、現在もまだ終わらない、成田空港建設反対闘争の「長い時間」を、この闘いによって人生を歪められた人びとの独白から浮き彫りにする長編ドキュメンタリーである。この国の「お上(ルビ/かみ)」の体質は、太平洋戦争における敗戦を体験した後も、何ら変わることはなかった。1966年、農村地帯である成田市三里塚に、佐藤栄作首相率いる政府は一方的に空港建設を決定。ちょうど同じころ、国策として全国各地に原子力発電所が作られていった。そして、おそらく現在の政府の本心にも上意下逹意識が脈々と流れつづけている、何の反省もなく。

三里塚の人びとは、なぜ国の計画した空港建設に抵抗したのか。国が発動する強制的な弾圧に屈することなく、どのように闘ったのか。いかに悩み、いかに傷つき、いかに苦しんだのか。「お上(ルビ/かみ)」を恐れなかった人びとの物語——。国家権力に都合よく歴史が上書きされる前に、この物語を新しい時代を切り拓いていく人びとに託したい。 「自分の運命は自分で決める。そのためには、強い者への恐怖から自由にならなければならない」。それがこの映画のテーマである。
【内容】

“空の表玄関”を称する成田国際空港の周囲では、機動隊による厳重な検問が現在もつづけられている。 大型機が離発着を繰り返すA滑走路南端では、闘争遺跡“岩山要塞”が不気味な姿をさらしている。二本の滑走路と旅客ターミナルビルや駐機場を結ぶ誘導路に囲まれた畑では老農夫が種をまいている。 いまも反対を貫く老農夫は、その理由を問われ、「多くの人が死んだからね」と寂しげにつぶやいた。 空港反対闘争に人生を歪められた人びとの独白が、国と村、お互いの深傷(ルビ/ふかで)を明らかにしていく。 その長い口承物語がついに浮き彫りにするのは、最後の抵抗者が愚直に守りつづける死者の言葉だった。
大津幸四郎・代島治彦監督作品『三里塚に生きる』
11月22日(土)〜渋谷ユーロスペースにてロードショー、以下全国順次公開
■公式サイト
http://sanrizukaniikiru.com/
『三里塚に生きる』
監督・撮影:大津幸四郎/監督・編集:代島治彦
音楽:大友良英
2014年/カラー・モノクロ/140分/DCP/日本